J.H.ConwayLife

Created in Nov 2, 1998
© Copyright 1998 by d9 project.

J.H.Conway とは

John Horton Conway (以降 「コンウェイ」) はケンブリッジ大学 (Gonville and Caius College of the University of Cambridge) の伝説的な数学者で,レクリエーション的数学の難しくまた楽しい問題を沢山提供している。

ここで紹介する Conway's Game of Life もその名のとおりコンウェイの発案になる数学パズルである。

Conway's Life

日本語では 「ライフゲイム」 と呼ばれることが多い。以降はこの 「ライフゲイム」 で通す。

ライフゲイムは 「ゲイム」 を名乗ってはいるものの,勝ち負けがあったり, 何らかの巧拙を競ったりするものではない。ゲイムは碁盤の目状の平面上で展開される。 碁盤の目 (「セル」という) の一つ一つにはそれぞれ二つの状態,「生」「死」 がある。 セルの生死は厳密なルールに則って決定され,始まってしまうと偶然の介入する余地はない。 このルールなどは後に詳述する。

伝説によるとコンウェイはライフゲイムを 1970 年に発明したと言われている。 コンウェイは以下の目的に適うよう注意深く規則を決定した。

ルール

ルールはとても単純である。

まず,あるセルの 「周囲」 を定義する。周囲とは縦横斜めに隣接する 8 個のセルをいう。そして,

たったこれだけである。では,以上のルールを適用するとどのようになるか, 簡単なパターンでお見せする。まず紹介するのは 「ブリンカー」 と呼ばれているパターンである。 これは横一列に 3 個のセルが生きているパターンで,縦・横と繰り返す物体である。

ブリンカーを見る

上のルールが適用されている様子がおわかりいただけたかと思う。

様々な物体

ライフゲイムでは 「ブリンカー」 のように,特徴的な物体には名前がつけられている。 そのほとんどは形状から,あるいは動きからの連想によって命名されている。

グライダー

グライダーとは物体がまるで飛んでいるように見えることから命名されたものである。

グライダー砲

上記のグライダーを永遠に生産し,撃ち続ける物体である。30 世代に 1 機の割合で生産する。 この発見により無限に成長するパターンのあることが証明された。


ソースを見る


以下,次回に続く...


ライフゲイムに関する参考文献

ライフゲイムの面白さ及びその意義はとてもじゃないが伝えきれない。 興味をもたれたならば,以下に挙げる文献を参考にするとよい。 勿論ご自分で探されてもかまわない。

Conway's Game of Life
Java により実装されたライフゲイムがある。これで心行くまで実験してみて欲しい。 MS-DOS,Windows,Macintosh,X などで動くライフゲイムも置いてある。
ライフゲーム入門 1.4.0
Macintosh の実行モジュールがある。ライフゲイムの数学的・哲学的意義について簡単に解説してある。
Paul's Page of Counway's Life Miscellany
興味深いライフゲイムの物体が多数紹介されており,Java によって実際に動いていることを確認できる。 ただぼーっと眺めているだけであっという間に時間が過ぎてしまう。お勧め。
『ライフゲイムの宇宙』 ウィリアム・パウンドストーン著 有澤誠訳 日本評論社 ISBN4-535-78174-5
定番の本である。この本は一生のうちに一度は読んでおかないと損であると私は思う。 取りたてて役立つことはまずないだろうが,面白さでは最高である。 ライフゲイムの世界に 「本物の生命」 が存在する証明をしている。
『別冊サイエンス 数学ゲームI』 マーチン・ガードナー著 一松信訳 日経サイエンス社
これも定番である。ライフゲイムを世に紹介した有名なコラムが収録されている。

ホームページ