1997年12月から今も続く冒険

American flag

ボルチモア冒険記
〜その3〜



ギリギリやんか!でも嬉しい……」

今日は月曜日です。
とるとると言いながら面倒くさくてのばしのばしにしていた免許の筆記試験に朝から行って来ました。
勉強しなきゃしなきゃと思いながらもちょっと英語拒絶気味なのでなかなかテキストを読もうと言う気にならなかった。
日曜日の夜から一気に読み始めたんだけど、めんどうくさくなって途中で挫折。標識などだけ、取りあえず憶えておく。高校の時に最初に免許をとりに言ったときに、前の晩に徹夜で憶えたのを思い出すが、今はそんな気力は全くない。
「もうどうでもええわぁ」
先ず手続きを済ましてそのまま試験場へ、といってもコンピューターが10台くらい並んでいるだけの殺風景な部屋。

先に目の検査を受けて、これはほとんど日本と変わらない。一番下のアルファベットを言え、とか。これはまぁ楽勝、見えたままに言えばいい。
次に筆記試験、コンピューターの前に座ると、先ず扱い方の説明。これも楽勝。
次にいよいよ試験に入るが、制限時間は15分。制限時間15分で20問、正解率80%以上で合格、と思っていた。
が、違った。
「80%と言うことは4問間違ってもいいんじゃな」
現在の時刻を確認して、スタートボタンを押す。

最初の問題、アルコールに関する問題。
「やばい・・・意味が分からない・・」
う〜ん、何回も読み返すが知らない単語がいくつかあってお手上げ状態。
ヒヤリとしたものが通り抜ける。答えは4択、時間は刻々と過ぎていく。
「え〜と、15分で20問と言うことはぁ・・、1問、え〜っと何分や・・割り切れへんがな」
「9時10分から始めたから、、、うわぁもう3分も過ぎてるやん」
「え〜い、これじゃぁ」
取りあえず、1番のボタンを押す。
ブッブゥ〜
“残念でした、答えは2番でした”
とコンピューターの画面に表示される。
「ガッビ〜ン、間違ってもうた〜」
“次に進みますか?”
とーぜんじゃ。1問でやめるやつなんかいるか、ばかにして。
"Enter" ぼたんを押す。

第2問、
“う〜んとなになに、郵便局とかなんちゃらの車が停車しています。後ろを走っているあなたはどうするべきか?”
「う〜ん、このなんちゃらの車って何の車じゃ?」
またしても単語の意味がわからない。もう1回読み返すがやはりわからない。知らない単語は何回読んでもわからない。
時間が過ぎていく。
「え〜っとぉ、スクールバスやったら待たなあかんけど、郵便局の車やったらいいじゃろ」
やややけくそ気味に、
“普通に抜かす”のボタンを押す。
ぶっぶ〜
“あなたは後ろで待たなければなりません”
「がっび〜ん、なんで〜な。くっそ〜、きっとこのなんちゃらの車ってのがくせもんなんやろな」
っと、勝手に納得しておく。
なんちゃらの車の意味は分からなかった。時計を見る。
5分経過〜!!
「やばいやん、2問で5分と言うことは20問50分かぁ、それって、だめじゃん」
めちゃめちゃ焦ってきた。
「それに4問しか間違えられないってのに早くも2問間違いかぁ、これもだめじゃん、あかんがなこりゃ」

前回のアルコールアンドドラッグ教育コースのテストの記憶が蘇ってきた。あそこではごねまくってなんとかなったが、ここではごねられそうもない。しまったぁ・・・・・勉強してくればよかったぁ。
しかし、今更遅い。

第3問に進む。
焦っているはずなのに、
「そういえばこういう感覚昔あったなあ。。ああ、高校の頃の定期試験で、いっつもテスト中に、あぁ勉強してくればよかったぁ、って後悔していたもんだなぁ」
「いかんいかんそんなこと考えてる暇はないはず」
時間がない。さーっと流し読みする。
これは簡単。ボタンを押す。
ピンポンピンポン
“正解です”
「やったじゃん、初めて合ったじゃん」
取りあえず初めての正解にほっと胸をなで下ろす。

第4問、第5問・・・・
とにかくゆっくりと問題をかみしめている暇はない。目で文章を追っているだけではいまいち意味がつかめない。自然と口に出して問題を追って行く。となりは黒人のおねえちゃん、
「ゴメンね、うるさくして・・」
でもぶつぶつと読む。
ピンポン
ピンポン
ピンポン
ピンポン
「よっしゃ、調子出てきたでぇ」
その後は全問正解のまま最後の3問までやってきた。

「あと1問合ったら合格じゃ」
ボタンを押す。
ピンポン
「よっしゃあ、合格じゃぁ」
時計を見たら後1分。
「耐えたがなぁ・・後の問題は間違ってもええと。」
気楽にさらりと問題を読んで適当にボタンを押す。

ブッブゥ〜
「ええもんねぇ〜っと、もう合格してるもんねぇ〜っと」
気楽に最後の問題に進む。
「さぁ〜てラストの問題は・・」
軽めに問題を目で追ってボタンを押す。
ピンポン
「お〜っ、正解やがな」
「結構適当でも合うもんやな、センター試験と一緒かぁ」
“試験は終了しました”
結果が画面に表示される。

20問中、正解17問。正解率85%。
合格リミット:“85%以上”
「げっ、ぎりぎりやんか、やっばぁ〜、もしかして最後の問題間違ってたら落ちてたってことかぁ?」
冷や汗がたらりと流れそうだった。

係りの人のところに行くと、結果がどんどん印刷されている。
「うわぁ〜、いっぱい落ちてるがな・・」
「となりの黒人のねぇちゃんも落ちてるがなぁ・・ごめんね、うるさくして」
いちおう形だけ目で謝っておく。
とにかく取りあえず合格した。

係りの人に合格のはんこをもらって、免許発行窓口へ。
写真撮影をして30ドル払うと、その場で即、仮免許が発行される。
う、うれしいぃ〜・・
“メリーランド ラーナーズ パーミット”とただし書きはあるが正真正銘の免許証だ。
思えば日本で国際免許証をとってくるべきだった。しかし、出発直前財布ごと免許も落として、そのままほっといてアメリカに来てしまった。あの免許はいずこへ・・でも取りあえず免許だ、免許。
再び免許持ちになった今、思いの外の喜びがこみ上げてくる。

研究所に戻ると取りあえずそこらにいる人達に、
「免許免許〜」
と、見せてまわった。
「これでしげほもアメリカ人だなぁ」
「いやいやまだまだぁ」
ラーナーズパーミット(仮免)の期間は2週間。その間に適当に誰かの車を運転させてもらって右側通行、左ハンドルに慣れなければならない。
さらに日本では今までオートマしか運転していなかったのでマニュアルにも慣れなければ。

「車運転させてさせてぇ〜」
っと言ってまわる。
「わかったわかった、今度な」
と、妙に不安そうに答える同僚達の気持ちが手に取るようにわかった。
“事故られるんちゃうやろな”

学んだこと:

1.うだうだ言ってないで、取りあえずはまずやってみる。
2.しかし、やはり勉強はして行くべき。
3.知らない単語は時間をかけても無駄、あきらめて運を天にまかせて先に進む。

さて、うだうだブルーな気分に浸っている暇もそんなにないことに気づき始めたこの頃です。


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