「和」の精神を捨てよう
早急に行政改革をやっていかねば、日本の活力はなくなることは、ほとんど全ての人が認
識しているのにもかかわらず、なかなか行政改革が進行しない。
その原因は、「和」の精神にあると考える。
「和」の精神を具体的に言うと、次のようになる。
(1)他人との意見の対立を避けようとする精神
(2)他人と同じでいたいと思う精神
(3)正しい事を実現する事よりも、仲良くする事を優先する精神
(4)悪いことでも、皆でやるならば、やってしまう精神
(5)正しいと思っても、大勢に逆らってまで、それを主張したり、実行しようとしない
精神
(6)良いことであっても、今までやっていたことを大幅に変えることには抵抗する精神
日本では、この「和」の精神が合理的思考や合理的行動の障害となっている。また、常に
まわりの人間の意向や動向に依存して自分の行動や言動を決定する日本人の性癖の根底に
も「和」の精神がある。しかも、「和」の精神は自分で考えて行動するとか、自己の価値
観を保持し、自己責任原則を貫くという精神と対立する精神構造でもある。「和」の精神
が暴走を始めると、皆がいじめているから私もいじめに加わるという事を平気でやるよう
になる。「和」の精神で行動する人間は、常に自己責任の意識がなく、自分やまわりの人
間と同じ事をしているだけなので、責任はないという感覚で動物的な行動をとることにな
る。
官僚は、日本の企業をこの「和」の精神を利用して支配している。具体的には、業界団体
に官僚の代弁をさせて、その業界団体の意向に逆らう個別企業は、業界の「和」を乱す者
という印象を与えさせて、支配しているのである。
この「和」の精神を捨て去らないかぎり、日本の民主化も行政改革も困難である。