地球の構造



 たちの住んでいる地球を、昔の人は平らな板のようなものと考えていました。でも本当は、丸い玉のような形をしています。玉がとてもとても大きいので、平らに見えてしまうのです。地球の半径は6400キロメートルもあるといわれています。では、地球が丸いとすると、地球の中身はどんな風になっているのでしょうか。

 球をまっぷたつに切ったとすると、一番外がわに、まず地球を取り囲む大気があります。そして、その下に固い地面があります。地面の低いところには、水がたまって海になっています。海の底や陸地といった固い地面の部分は、たまごの殻(から)のようなものという意味で、「地殻(ちかく)」とよばれています。地殻は、その下にあるマントルと呼ばれる部分に比べ冷たくて固く、板のようになっています。地殻は、海の部分で厚さが5から10キロメートル、陸の部分で30から40キロメートルくらいあります(→地震波による深度測定)。でも、6400キロメートルという地球の半径にくらべれば、地殻はリンゴにとってのうすいうすい皮のような厚さにしかなりません。

 殻の下には、マントルという厚い層があります。厚さは2900キロメートルくらいあるといわれています(→地震波による深度測定)。マントルは、地殻とはちがう物質からできているといわれています。マントルは深いところにあるので、まだだれも見たことはありませんが、見かけは岩石のようなものだと考えられています。しかし、深いところにあってとても熱い(→地温勾配)ために、地殻にくらべて柔らかく、一年に数センチというスピードで、ゆっくりと動いています。おなべの中に水を入れて、火にかけると、底で温められた水は軽くなって上に上がり、表面で冷やされた水は重くなって下に沈みますね。これと同じように、マントルも地球の底で温められ、地殻の下にまで上がってきたり、逆に冷やされて沈んだりしています(→プルームテクトニクス)。おなべの水は数秒でいったりきたりしますが、マントルがいったりきたりするには、何億年という長い年月がかかるといわれています。

 ントルの下には核があります。核は金属の鉄やニッケルでできているといわれています。核の中でも、外がわの部分はとけていて、内側は固まっていると考えられています。しかし、地球の最も深いところにある核については、まだあまりよく分かってはいません。