真核細胞の誕生



 細胞は長い時間をかけて、その内側に入り組んだしくみを作り出しました。核やミトコンドリアをもつ、真核生物の誕生です。最も古い真核生物の化石は、21億年くらい前にさかのぼることができます。真核細胞は、核をでかこみ、物質の輸送やたべものの消化などさまざまな働きを、それぞれ膜でかこんだ別々の場所にふりわけました。細胞の中にはさらにミトコンドリア葉緑体が現われ、エネルギーをつくりだしました。

 細胞の中で膜に囲まれたしくみは、ある細胞が別の細胞をのみこんでできあがったという考え(細胞内共生説)と、ある1種類の細胞が自分で作り上げていったという考え(膜進化説)があります。

 細胞が仕切りのないキンチャク袋のようになっていると、必要な物質の濃度が下がってしまい、効率よく反応を進めることができません。しかし、膜で細胞の中を区切り、必要な物質を一ヶ所に集めることで、必要な反応をすばやくおこなうことができます。そのため真核細胞は原核細胞よりも大きくなれるようになりました。