光合成生物の誕生



 べものである有機物がだんだんとなくなってきたとき、太陽からの光を利用して、有機物を作りなおす生きものが現れました。かれらは、

 電子をあまりほしくない有機物 ←−(電子)−− 電子をもっとほしい有機物

という風に、今までとは「逆向き」に電子を動かすことに成功しました。今までは、ほしくないところからほしいところに電子を移動していたので、有機物からエネルギーを取り出すことができました。でもこんどは、ほしいところから無理やり電子をひっぺがし、あまりほしくないところに押しつけるのですから、エネルギーが必要です。そこでかれらが利用したのが、太陽からの光です。光はエネルギーの塊ですから、それをうまく利用して、逆向きの電子の流れを作りだしたのです。

 子を逆向きに移動させることで「電子をあまりほしくない有機物」を作りだしてしまえば、こんどは今まで通りの

 電子をあまりほしくない有機物 −−(電子)−→ 電子をもっとほしい有機物

 という流れから、エネルギーを取り出し、生命活動を行うことができます。こうして生命は、太陽からの光を有機物にかえて、利用することができるようになったのです。

 らにかれらは、光からとりだしたエネルギーで作った有機物を利用して、二酸化炭素から有機物を作ることができるようになりました。

 電子をあまりほしくない有機物 −−(電子)−→ 水と二酸化炭素

 という風に、水と二酸化炭素に電子を渡すことで、水と二酸化炭素から、有機物を作りだしたのです。海の中には水も二酸化炭素も、たくさんあるものでしたから、生命はもっと自由にふえ続けることができるようになったのです。