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PQBoxとは
PQBox (MONO-Q Branch) は、CE版POBox (Mobile Computer Software Gallery) という文字入力変換ソフトを、Qtaさんが独自に改良したものです。
文字の入力を受け付けるたびに、使用者が入力したいと考えている単語を推測して変換候補に表示します。
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たとえば、「い」と入力するだけで、何もしなくても、「言う」や「忙しい」「板前」「勇み足」「インドネシア」など、頭に「い」のつく変換候補が画面にずらずらと表示されます。
「い」に続けて「わ」を入力するだけで、「岩」や「祝い」「鰯」「磐城」「違和感」「言わない」など、「いわ」が頭につく候補がずらずらと表示されます。
何か文字が追加入力されるたびに変換候補を自動的に表示する仕組みになっています。
そのため、まだ途中までしか入力できていない単語も、漢字変換、確定ができます。
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さらに、よく使われる変換候補を前のほうに表示するのはもちろんのこと、一つの単語が確定されるたびに、その次に使われたことのある単語を学習履歴から探し出し、選択候補として表示することも可能です。
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これらの機能により、使い込めば使い込むほど、(理論的には)わずかな動作で俊敏に文章を入力できるようになります。
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そんなPQBoxを、私も、ペルソナ(CE2.0 SH3 Handheld PC機)に導入してみました。
その記録が、下の文章です。
広い世の中、何かの間違いで参考にする人がいるかもしれませんので、公開します。
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PQBox導入記録

1.PQBoxと辞書を入れた
まず、PQBoxと辞書ツールをダウンロードしました。
(ペルソナ用のものは、現在、ペルびと共和国にあります)
導入の仕方は、モバイルインチキ堂の『PQBoxで日本語入力』に書いてありました。
モバイルインチキ堂では、さらに、変換辞書が用意されてあったので、そちらもダウンロードしました。
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2.辞書をダイエットさせた
モバイルインチキ堂からダウンロードした変換辞書には、めちゃめちゃローカルな地名や、めちゃめちゃ難解な熟語など、個人的に、ほとんど使う機会のなさそうな言葉が、たくさん収録されていました。
変換辞書は、ないよりはあったほうが格段によいと思いますが、PQBoxに限っていえば、その収録語数は、多すぎるよりかは、まだ少なすぎるほうがよいのではないか、と思いました。
はじめは、最小限度の言葉だけを変換辞書に用意しておいて、あとは、それを自分用に鍛えあげていく、というのが、無駄が出なくてよろしいのではないでしょうか。
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そういうわけで、単語を辞書に登録してくださった方々に敬意を表しつつも、自分が使いそうにない単語は、辞書から削除することにしました。
この辞書(words.txt)の中身を、最小限の言葉だけにします。
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とはいえ、この辞書のサイズは、500Kバイトもあります。
中身を見ながら、「この言葉は残す、この言葉は削除」というような判断をしていくとなると、膨大な根気と労力と時間が必要になることでしょう。
そんなしちめんどくさいの、私には無理です。
そこで、安易な妥協策として、sedのスクリプトを書いて、それを実行させることにしました。
「sedとは何か?」だとか「sedの使い方」だとかいうことは、MOBILE BLUESの『sedで極楽、テキスト処理』を参考にしてみてください。
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私が作ったスクリプトは、これです。→これ(zip)
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このスクリプトによって、三文字以上の単語、一文字の単語、ひらがなの単語、人名、地名、歴史用語、ビジネス用語、戦争用語、気象用語、北海道民用語(?)、難しい漢字の単語、などなどが、びっしびし削除されました。
ついでに、基本的な単語までもが、巻き添えを食って、容赦なくびっしびっし削除されました。
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結果、500Kバイトあった辞書ファイルが、70Kバイトになりました。
七分の一のサイズです。
これぐらいの大きさなら、CFカードのない人でも、安心して導入できますね。
(ただ、そのあとには、猛烈な単語の登録作業が待ちうけていますが...)
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しかし、これだけ減らしても、まだ、よくわからない言葉は残ります。
もし、まねされる方がいて、さらに偏執されるなら、テキストエディタから単語を削除してみてください。
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このあと、words.txtを分割しました。
phrases.txtは、インストールしませんでした。
そのかわり、wordsフォルダとおなじところにphrasesという空フォルダを作りました。
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ちなみに、 words.txt のファイル名を word.txt に、 phrases.txt を phrase.txt に変更してから、辞書ツールで16分割すると、「PO」Box用の辞書が出来上がります。
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(2003.9.07 追加)
地名っぽい単語だけを削除するスプリクトを作りました。
単語を減らすのは嫌だけど、地名はあんまり必要ないかも、という方はこちらをどうぞ。
こちら(zip)
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3.PQBoxを設定した
次に、PQBoxの設定をしました。
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PQBoxを起ちあげて、Altキーを押しながら、PQBoxのアイコンをタップします。
セットアップという項目が表示されますので、これを選択して、設定を最適なものに変更します。
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このとき、「拡張」の表示モードを選んでしまうと、二度と、「なし」や「一行」に戻すことはできなくなります。
そうなった場合は、PQBoxを終了させた上で(終了させる方法は、タスクトレイのアイコンをAltキー+タップ→"PQBox終了"です)、レジストリをいじらないと、おそらく、どうにもなりません。
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\HKEY_CURRENT_USER\Software\Gawaro\POBox
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のキーにある、ExType0にすると、拡張表示を解除できるようです。
キーボードを使って入力する分には、「なし」か「一行」の表示を選んでおけば、間違いは起こりません。
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なお、セットアップから、辞書ファイルの入っているフォルダを変更できなかった場合は、
やはり、PQBoxをいったん終了させてから、レジストリエディタで
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\HKEY_CURRENT_USER\Software\Gawaro\POBox
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BaseDirに、辞書のあるフォルダのパスを書き込みます。
EnterキーやEscキー、BSキーが反応しないというときも、以上の方法で、ちゃんと反応してくれるようになるみたいです。
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4.PQBoxで文字を入力した
準備はすんだので、テキストエディタを起ちあげて、さっそく文字を入力してみました。
テキストエディタは、愛用している、Protech社のSuperEditor CEを用いました。
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が。
候補を選ぼうとするとき、ATOK使ってるときよりスペースキーを一回多く押さなければならないのは、かったるい。
単語の辞書登録の操作も、なんだか、めんどくさい感じ。
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い、いかん。
このままでは、ちょっと使っただけで、へとへとだ。
そこで、PQBox.keyのファイルをいじって、キー設定を変更しました。
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文字入力するときにほとんど使われることのない、Qキーに第一候補確定、Xキーに第二候補確定(ちなみに、PQBoxでは、単語の読みにある小さなひらがなは、大きなひらがなと区別なしで扱われます)、Cキーに第三候補確定、Vキーに第四候補確定、Lキーに辞書登録を、直接に(同時押しでなしに)割り当てました。
(第五候補確定にはCtrl+Lキー。将来的には、直接、Lキーに第5候補確定を割り当てたいところです)
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そうすると、どうでしょう。
スペースキーをほとんど使うことなしに、ダイレクトに漢字を確定できて、文字を打っていてとても気持ちいい。
単語の辞書登録もワンタッチです。
ペルソナのキーボードの作りのよさとあいまって、快適そのものです。
こいつはいいや!!
ありがとう、ぼくらのPQBox!!
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が。
ががががが。
書き始めの頃こそ非常に快適なのですが、文字が増えていくに従って、せっかく打った文字が、SuperEditorに送られない、という事態が、頻発するようになりました。
(.....以下、略です..)
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(03.09.27追記)
やっと、ついに、アプリに文字が送られなくなる謎が解けました!!!!
なので、いままで、書いてあった考察もどきを破棄しました。
真相は、IME(ATOK Pocket 含む)がオンになった状態でPQBoxを使うと、アプリに文字が送られない(あるいは、送られなくなる)、ということだったみたいです。
IMEがオフならほとんど問題は起きません。
PQBoxで文字を打つときは、IMEがオフになっていることを確認してから使いましょう。
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とはいっても、PQBoxの文字入力欄を出したままで、いま現在、IMEが、オンになっているのかオフになっているのか、判断するのは難しいです。
(オンになっていても普通に、文字は打ててしまう・・Enterキー押すと消えるけど、運次第で、アプリに送信できることもある・・)
ですので、そういうときは、辞書登録のウィンドウを表示させて、そこに文字を打ってみます。
打った文字が「直接入力」されたなら、IMEはオフになっています。
打った文字に下線がついていたり、ひらがなに文字変換されたりしたなら、IMEはオンになっています。オフにしましょう。
IMEのオンオフは、辞書登録のウィンドウ上でやるとよいです。
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蛇足ながら、辞書登録の作業後に、送信できなくなるケースが多いです。
PQBoxでは、辞書登録するときだけは、IMEをオンにしないと、日本語が入力できません。
それで、IMEをオンにしたのはいいけど、オンにしたまま、PQBoxでの文字入力に移行してしまうためです。
登録したい日本語を入力したら、そのあとIMEをオフにして「直接入力」になったかどうかちゃんと確かめてから、登録のOKボタンを押すようにしましょう。
(めんどくさいけど)
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それでも駄目なら、セットアップから「ペースト前/後の待ち秒数」を適当にいじります。
これで、今度こそ、送信失敗がなくなりました(多分)。いやあ、めでたしめでたし。
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5.いろいろ工夫してみた
PQBoxは、文字を入力途中の段階で、変換候補を、よく使われる順番に表示してくれます。
入力の手間が省けて、とても便利なのですが、しかし、そのせいで、逆に手間がかかる場面がないでもありません。
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たとえば、単漢字などの短い言葉の変換です。
「缶」や「勘」などといった、漢字一文字だけを入力したいときに「かん」と入力すると、「感想」「漢字」「歓迎」などといった、頭に「かん」のつく、よく使われる候補が先にずらずら表示されてしまい、たった一文字を入力したいだけなのに、結構な時間をとられることがあります。
日頃から少しでもラクしたいと考えている私としましては、わずらわしいことは避けたくて避けたくて仕方がない。
ですので、工夫といえるほどのものではありませんが、ちょっと工夫しました。
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辞書を統合して、sedやエディタなどで、すべての単語の読みの語尾に「;」(←全角)を付け足すのです。
(ただし、エディタを使う場合は、PWZ以外だと砂時計地獄に陥りそうな予感がします)
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そして分割すると、
「缶」や「勘」は、「かん;」という入力から変換できるようになります。
「戦」や「線」は、「せん;」という入力から変換できるようになります。
「木」や「気」は、「き;」という入力から変換できるようになります。
こうすれば、入力する文字の数は一文字増えることになりますが、それ以上に候補を選択するときの操作の数が減りますので、差し引きすれば、入力の手間が減ったことになりますまいか?
なりますまいか?
バンザーイバンザーイ。
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あと、とても基本的なことなんですが、スペースを入力したい時は、Ctrl+スペースキー(もしくは、Shift+スペースキー)を押すのですよ。
インデックス home 03.09.27