あとがき(1)

〜女性だから?〜

 最近、急にアクセスが増えました。もう連載も終了して 結構経つというのに何故なんでしょう?
 メールも急にたくさん来るようになりまして、 読んで思ったことなど、あとがき風に書いていきたいと 思います。

 たくさんのメール、本当にありがとうございます。 頂いたメールはほとんど好意的なもので実はちょっと驚きました。
  連載当初は 「何甘いこと言ってるんだ、馬鹿」 「一生ぷー太郎でのたれ死ね」 みたいなメールも来るだろうなぁ、まぁそれはそれでいいか、と 覚悟していたんです。
  結構、「うちも同じような会社です」「同じような経験をしました」という 方のメールが多かったですね。 同じような苦労をされている方、とっても多いんですねぇ。 ああ、私だけじゃないんだな、と思うととても励まされました。

 そんな中で、はっとした一通のメールがありました… そのメールの内容は丁寧に自分の経験を語ってくださったものだった のですが、冒頭このような記述があったのです。
『sleeping catさんが男性なら「そんなこと言ってると誰も雇ってくれない」とか言いたいことはたくさんあります。
でもsleeping catさんのようなやりたいことに向かって努力する女性を見たことがないのでメールを書きました…』

  この部分を読んだとき、速攻で返事を書こうかと思ったのです。実は。(成長していない(笑))
「女性だからなんてそんな見方しないでください。言いたいことが いくらでもあるなら、ありのまま言ってください。
男性でも女性でも、こんなこと言ってたら誰も雇ってくれないのは 同じです!」

  と、ここまで書いたんですけど…やめました。よく考えたら、この方に抗議しても仕方がないんですよね。 私が女性というだけで、バイアスのかかった見方をするのは この方だけじゃなく、世間の人の認識がそうなんですよ。
「女性なのに色々努力するなんて…偉い」
「女性なのにコンピュータ関係やってるなんて…すごい」
「女性なのにUNIX使っているなんて…すごい」

だから、
「女性なのにがんばってるんだから大目にみなきゃ」
という考えになるんではないでしょうか。
 いい気になって、それが自分の正当な評価だと勘違いしてたんじゃないか? と気付きました。ありがとうございます。

 こういう表現は、裏を返せば、
「女性はチャレンジなんてしないものだ」
「女性はコンピュータが不得意なものだ」
「女性はUNIXなんて使わないものだ」

という偏見と同じ意味ですね。
  私は、幸いにして女性差別とか偏見をあからさまにされたことが あまりないので、鈍いのでしょう。 女性なのに○○なんてすごい、偉い」という言い方ばかりされてました。
  誉められたからって、根にあるのは同じ、女性に対する偏見なんだと気付きました。

 私に好意的なメールをくださった方々も、 もし私が男性だったらそんなメール送らなかったって 方も、少なからずいると思うんです。
  私が男性だったら、「なに言ってるんだ馬鹿」みたいなメールの方が もしかしたら多かったんじゃないか、とも思えてきます。

  私は不本意にもいまだにITの業界にいるわけですが、ここも男性ばかりです。 これからは、仕事が評価されたからって
「もしかしたら女性だから甘くしてるのかもしれないぞ!! いい気になっちゃいけないぞ!」
と思ったのでした。

 もっと頑張る女性が当り前にならないと、 こういう差別意識ってなくならないです。
 もちろん女性が頑張りやすい世の中にしていくのは重要。
 先日の日経には、女性管理職の登用に意欲的だというIBMの記事が 載っていましたが、実際どうなのでしょう? こういう仕組みって外ヅラだけよかったりするから。 T社の成果主義のように!

 このように、みなさんのメールがきっかけで、私もいろいろ考えるいい機会になってます。
 またなにか考えたら、書きたいと思います。

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