Michael Tilson Thomas  conducting  San Francisco Symphony

Thur. September 5, 2002, at 8:00,

Flint Center, in Cupertino




Glinka

 Overture to Rusian and Ludmila

J.S.Bach

 Concerto in D minor for Two Violins,Strings, and Cintinuo,BWV 1043
    Vivace
    Largo,ma non tanto
    Allegro

  Tamaki Kawakubo Violin I
  Alexander Barantschik Violin II

List / Muller-Berghaus

 Hungarian Rhapsody No.2 in C minor


intermission



Rachmaninoff

  Vocalise, Opus 34, no.14

Ravel

 Tzigane
  Tamaki Kawakubo

Tchikovsky

 Theme and Variations from Suite No.3
    in G major, Opus 55


San Francisco Symphony の常任指揮者 Corplandに師事した

Michael Tilson Thomas
  2002年のTchaikovsky Competitionで銀メダル、2001年Sarasate Competitionで1位を獲得

Tamaki Kawakubo
  2001年からSan Francisco Symphonyのコンサートマスターを務める

Alexander Barantschik


今シーズン初めてのコンサートは、近くのフリントセンターにやって来た、サンフランシスコ・シンフォニ

ー。Tamaki Kawakubo という若いバイオリニストと、プログラムにあったバッハの「2台のバイオリンの為の

コンチェルト」に惹かれて買ったチケットだ。久しぶりに聴いたオーケストラの音、明るい照明のステージ

に並ぶ輝く楽器…、何だかそれだけでいい気分になってしまった。考えてみれば最後に聴いたオーケストラ

は、De Anza Orchestara の学期末コンサートだったっけ。自分で弾いて聴いたあの音だ。「お耳直し」とし

ては間が開きすぎてるが、とにかく新しいシーズンが始まったという気分を味わってまずまずのコンサート

だった。

プログラムを見て、あの曲だとわかったのはバッハとチャイコフスキーくらいで、後はどんな曲だろうと興

味津々。結局、聴いたことのある曲で題名を知らなかっただけということがわかったけど、とにかく全曲馴染

みのある曲で余計に楽しめた。

バッハのコンチェルトは、オケの代わりにピアノで伴奏を何回か弾いたことがあるし、CDも持っていて好き

な曲だ。とても楽しみにしていたけど、二人のバイオリニストの音質と音量が余りにも違いすぎて、オーケ

ストラとのバランスも悪くてガッカリした。Tamaki Kawakuboの音は最初から最後まで繊細な消え入りそうな

音、第二バイオリンを担当したサンフランシスコ・シンフォニーのコンサートマスターのAlexander

Barantschikはかっちりとした音を出し、音量も大きい。バッハの解釈も二人とも全く違っていて、その修正

もしないまま本番を迎えたような演奏だった。それぞれがバラバラに響き、いい曲だし演奏家も悪くないは

ずなのに何とももったいない。二人であわせてリハーサルをする時間がなかったとしか思えない。

第二部のラヴェルの"Tzigane "(ツィガーヌ)でのKawakuboは、たくさんの技術を披露し本領を発揮してい

た感じ。出だしの、一瞬の強音からすっとか細い音に変わる部分に私たち聴衆は引き込まれた。その後にど

んどん続くテクニックの要りそうな演奏を、ただただ息を飲み聴くといった感じで、すーっと消えるように

して曲が終わった時には大喝采。いい演奏でした。


いよいよシーズンが始まった。今期はどんな演奏が聴けるんだろう。いいシーズンだといいなあ。



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