"Marcel Marceau Farewell Tour"

Fri.Apr.11th,2003
@ Fox Theatre in Redwood city



パントマイマーのマルセル・マルソーの最後のツアーだ。 かなり高齢のはず。一度生で見たいと、2月にチケットを購入してあった。

二階バルコニーの最前列の席で、楽しみに開演を待った。 開演を告げる拍子木のような音が数回聞こえた後、真っ暗な舞台に照明が当たる。 舞台中央には綺麗な衣装に身を包んだ若いパントマイマーが、題目を見せてピシッと静止している。 再び暗転。次に明るくなった時には、マルソーが浮かび上がり、パントマイムを始めた。

みんな息を呑んで見ている。全く何も聞こえない。あんなに静かな会場を経験することはめったにない。すごい緊張感だ。 しばらくすると、笑い声が起こったり、クスクスっと笑う声が聞こえたりして、空気が和んできた。



第1部は「ストリートミュージシャン」や「公園にて」という題のパントマイム。第2部は、彼が生み出したBipという道化師を主人公にしたいくつかのパントマイム。

もうマルセルの動きには切れがなく、特に第1部はパターンもごく限られていて面白さはなかった。惹きつけられなくて残念だったけど仕方がない。 昔、テレビで見た覚えもあるし、世界的な名声が、若い頃のパントマイムが素晴らしかったことを現している。 彼のパントマイム人生を思うと、畏敬の念と感慨が一緒になって湧いてきた。




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