「きりきりぶらうん」体験記
 演奏:大井貴司トリオ
( 大井貴司:ヴィブラフォン 谷口雅彦:ベース 南野陽征:ピアノ)

Sat. Oct. 18th 2003, 8:00pm   @きりきりぶらうん



大井貴司氏とベースの谷口雅彦氏、最後に加わったきりきりのオーナー宮之上貴昭氏

この楽しそうな顔 やっぱり演奏する時が一番活き活きしているみたい それとも料理している時かな? ジャズギタリスト・宮之上貴昭(よしあき)氏が経営するライブハウス「きりきりぶらうん」へ体験帰国の最終日にlimeさん、18氏と3人で出かけた。 この日はゲスト・大井貴司vib トリオのステージのみで、宮之上さんのギターは最後の最後に2〜3曲のみだったのが残念。

6時開店の「きりきりぶらうん」へ6時数分過ぎに着いた。なんという勇み足。それもこれも去年のサンノゼ・ジャズフェスティバル以来、もう一度、生で宮之上さんの演奏を聴きたいという思いからなのだが…。

8時から3回に分けて、大井貴司vib トリオの演奏があった。ビブラフォン、ピアノ、ベースという編成での演奏だ。 ジャズのビブラフォンは始めて聴いたけど、音が目立ちすぎて3人で演奏するとそれぞれの良さが消えてしまうような感じ。 ピアノ(南野陽征氏)とベース(谷口雅彦氏)の掛け合いやピアノソロがいい。特に二曲目の題名は忘れたけどピアノの個性的な演奏が面白く、ステージを重ねるごとに意気が上がってきた。

それまでカウンターの中に入って料理を作ったり、お酒を出したりしていた宮之上さんが、第3ステージの最後に登場してあの独特なテクニックを披露した。なんと嬉しそうに楽しそうに弾いていることか。やっぱり生で聴くのがいいねと18氏と話しながらこちらも楽しませてもらった。

初めてお話した宮之上さんは、思っていたより声が高い。この日はたまたま奥様がおられず、宮之上さんがお客をさばいて料理を作って演奏もしてと、傍で見ていると大変そうだったけど、どっこいご本人はこんな状況も楽しんでおられるのだろう。



ちょっと一言 苦言をば…

「きりきりぶらうん」のスケジュールには、10月18日はゲストが来て演奏する日とあった。 前もって予約が必要な日なのだ。
limeさんが予約してくれたので私たち3人分の席は勿論しっかり確保されている。 食事から始めようと開店早々に店に到着して、ステージの前がいいよねと一番前の席を3人で陣取った。

しばらくして宮之上さんが店に到着。店の管理運営などを日頃なさっている奥様が来られないということで、 予約を受け付けたお客をどうやって座らせようかと宮之上さんが苦心惨憺しながら、 日頃お世話になっているゲストが引き連れてくるお客や、きりきりぶらうんの常連の方々の為に椅子の配置を換えたりテーブルを動かしたり…。

結局、初めて行った私たちはステージから一番遠い席へと移ることになった。 ま、狭い店だから遠くへ移されたと言ってもたいしたことはなく、かえって落ち着いて聴けるかも知れないと思ったから何ら不満はない。

ビールを飲みながらおしゃべりして食べて楽しく3人でやっていたら、予約なしの男性二人が入って来た。 今日は予約が要る日で、全席が売り切れているので申し訳ないが座る場所がない、と宮之上さんが理にかなった対応をしてその二人には諦めてもらったのだが、 どうやらそれが今日のゲスト演奏者の知り合いらしい。

20分くらいしてその演奏者が「随分ひどい断られ方をしたと言ってる人がいるけど…」と言いながら入ってきたのだが、 私たちはしっかり目撃していたので、「いいえ、ちゃんと筋の通った対応でしたよ。」と3人で口を揃えて宮之上さんを弁護。一旦事は収まったものの、結局はその演奏者が招待した人達らしいということでその二人と後から来た演奏者関連のお客3〜4人が私たちの前のテーブルに座ることになった。

(ここで私は???気分。「予約制にもかかわらず勝手に招待した人たちをどうして大きな顔させて座らせるの。」「予約した人たちが8時過ぎて来なければ、その空いた席に座るのが筋だろうが、えっ?」って内心ブツブツ言ってました。)

演奏が始まり、一番後ろにいる私たちは演奏をちゃんと楽しみたいのに、目の前のそのグループの中の女性がガチャガチャ喋ってうるさい。その人の友人らしい女性が途中で入って来てからはもっと大変。私たちの目の前に立って二人でやおらおしゃべりを始めたのだ。ステージが見えないじゃないっ!これにはいい加減頭にきたぞ、ワタシャ。

よっぽど文句を言おうと思ったけど、初心者だし店の人がすぐ近くにいなかったしで、ぐっと言葉を飲み込んでいた。(日頃の私なら初めての店であろうとなんであろうと、言うべきことは言うのだけど…。この日は言えなくてちょっと情けなかった。反省。)

そんな状況の中で第三ステージまで進み、最後のステージでは宮之上さんも加わってさすがと思う演奏が聴けたからなんとか納得。 でもね、常連優先、お世話になってる人優先、人の迷惑になるようなおしゃべり可…色々納得できないこともたくさんあったのであります。

男性が聴衆の大半を占めているのにまず驚いた。それも、休憩中はバッチリ起きて演奏者と話してるのに、演奏中は眠っているという人もいて…。
そりゃあ宮之上さんだけなら若い女性も多いかもしれないけど、どっちにしても老若男女、色んな人が混じって和気藹々で尚且つ静かな雰囲気の中で聴くのかと思ってたから、 都会の夜に慣れていない私はちょっとしたカルチャーショックを受けた。

他の店なら「もう2度と行かないわ」と言い切るけど、宮之上貴昭氏のギターを聴きたいしなあ、スモーキンも聴きたいしなあ、どしよっかなあ…。
そっか、宮之上さん達はあちこち外に出て演奏してるからそこまで出かけて聴けばいいのだ。フムフム、これでほんとに納得。

ちょっと一言がグダグダ文句になってしまったけど、これだけはほんとに言いたかった。


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