CYBER OZ_OUTSIDE PARTY

BALEARIC GREEN @ nikotama 10/10/'99





















Cyber oz Balearic

1999 10-10(sun) 12:00-Evening at Futako-Tamagawa River Side/Tokyo

Trance & all kind of music,Balearic style

DJ:YODA(mothership),RYU,SEINO

\1000(donations,sorry,for soundsystem)


  

(top) DJ: RYU, (left) DJ: YODA(mothership), (right) DJ: SEINO


<ニコタマ日記>
(文:清野栄一)

 徹夜で仕事をしていたものの最後まで終わらないうちに気がついたらもう朝の七時半じゃあないか! ってんであわてて新宿コマ劇場まで行ってヨダさんと待ち合わせ。徹夜明けのおれの前にいつものようにさわやかな笑顔で与田さんが登場。むらむらと元気が出てくる。実はこの日使うスピーカーは前の日に新宿ロフトで使っていたやつを借りることになっていた。九時までリキッドの前に立ってフライヤーを配る。リキッドは十時までらしく、あんまり人は出て来ない。おまけに「ここの前でフライヤー配らないでね」と注意を受けてしまって、三百枚のフライヤーが紙屑に。

 九時にりょう君の車が来てスピーカーを積んで自分は自宅へとって返し、大急ぎでレコードをセレクトして出動。中野でジェネレーターをレンタルしてニコタマへ。天気がいいのに暑くないという、パーティーにはうってつけの日だ! 公園に入ろうとすると「多摩ロック」という怪しいフライヤーが。何と今日は地元の人たちが主催のイベントと重なっていたのだ。いつもは車が入れない公園の入り口に鍵を持った女の子がいて「多摩ロック関係の方ですか?」と言われ、「まあ、そんなもんですけど・・・」と言うと、入り口の鍵を開けてくれているじゃないか! この時から、我々は何となく「多摩ロックダンスサイト」になったような微妙な気持ちがしたが、まあいいや、鍵も開けてもらえたしな、と思い、とりあえず「多摩ロック」の看板の横に自分たちのフライヤーを貼っておいた。

 会場に着くといちばん奥の場所は使えないことが判明して、もうどうせなら気持ちいい草の上でやっちゃおうぜ、ということになって、ファミリーがピクニックしている目の前で、夕陽が落ちる方角にばっちり合わせてにスピーカーをセットしてあたりの様子をうかがってみる。おれが「ちょっとここだとファミリーが多すぎない?」と言うと、与田さんは「もう、みなさんにも聴いてもらいましょうよ!」といつものようにポジティブに言い放った。そりゃそうだな。どうせ音出しゃどこでも同じだし、やるならいちばん気持ちいいとこでやるのがいいに決まってらあ。

 十二時ぐらいに機材屋さんがDJ台を持ってきてくれる。これは昨日の夜リキッドで使っていたのと同じもの。今日は与田さんのおかげですべてがいつになく豪勢だ。専門のPAの人まで来てくれてるし、こりゃすげえぜ! と気合が入って買い物に行って、ガソリンとビールを一箱とバーベキューの肉を担いで帰って来たおれにPAの方が「このジェネレーターだとちっちゃ過ぎるんだけど・・・」。??。おれがレンタルしたジェネレーターは屋台のたこ焼き屋が使ってるようなシロモノで、最低その四倍の電気がないと音が出ないらしかった。始まる前からすでにして最大のピンチ!

 ピンチだろうが、何だうろが、どうにかしてやらなきゃならん。とりあえずPAの方が「多摩ロック」のサイトを視察に出動。向こうじゃ機材は余ってるけどPAの人がいなくて音がめちゃくちゃになってるらしく、サウンドチェックしてあげる代わりにジェネレーターをタダで借りる、という約束をとりつけてきてくれた。おれはただただみんなの意気込みと町内会に感謝したのだった。

 


 さっそく一番手のりょう君のDJがはじまった。今日はさすがに音がいい。いいどころか、そのへんのクラブより格段にいい。やっぱりちゃんとした機材と専門のPAの人が来てるとこうも違うものかいな・・・と思ってるところに、何やらどこかで見たことがあるなつかしい顔が・・・福島と仙台に住んでいる高校時代の友人が、おれが大好きな「萩の月」という菓子包みを抱えて遊びに来てくれた! わざわざ電車に載って。東北から。おれはあっけにとられて久しぶりに再会した彼らと缶ビールをかちあわせる。そのまま飲み続けてはじまったとたんにもう酔っちまった。天気は最高。音も最高。肉も最高? ならじゃんじゃん焼いてくれ! 木村さんの栗ごはんも最高! 木村さんてけっこうまめなのね。次はホットドッグ? そうこうしているうちにどんどん人が集まって来る。与田さんがおれに耳打ちする「今日はこれぞバレアリックってやつをやりますから!」。

 DJが与田さんに変わった頃には五十人ぐらいの人が草の上で寝ころんだり踊ったりしていた。これでもうばっちりオッケーだ。いろいろ準備したかいもあったってもんだ。やがて川の向こうに夕陽が落ち始める。与田さんがばっりちり夕陽に合わせてリズム止める。ゆっくりとした音が流れる中を、オレンジ色だった太陽が真っ赤になって川の向こうに落ちようとしている。日本でこんな夕陽を見られる日はそうそうあったもんじゃない。

 川の向こうを見つめて立っているみんなの姿を見ながらおれは思う。おれが知っている人たち。今日はじめて会った人たち。人が夕陽を眺めている、この感じは何なんだろう? 嬉しいのでも楽しいのでもせつないのでも悲しいのでもない。ただはっきりとわかることが、確実に目の前にあるという実感。「シェルタリング・スカイ」の最後で老人が言った言葉がおぼろげに頭をよぎる。

「夕陽を眺める人間はいつまでも自分がその夕陽を眺められると思っている。
でもその夕陽を見られる機会が彼の人生の中で限られていることに、彼は気づいていない」。


何かそんなようなことだった。やがてまたはじまったリズムの音が自分の体に響いて来た。


 暗くなった頃に与田さんからDJをバトンタッチ。とりあえず最初はアンダーワールドの派手目な曲で、トランスをしばらく・・・いい感じだ。それからマンチェやら何やらいろいろやってるおれの横で誰かの声がした。「あの、責任者の方、誰ですか?」。横を見ると制服を着た警官が立ってるじゃないか!

 ターンテーブルの曲はもう終わりかけていて、あせってレコードを探すおれに警官は近所から苦情があったから音を下げて,いやいや別に止めなくていいんだけど、何時までやるの? 主催者は? 今日は何の集会? 多摩ロックの人たち?・・・とうんたらかんたら。話をする暇もなくレコードのスピードを合わせるおれに変わって友達が「いやー、何となくパーティーやって何となく人が集まってただここにいるだけなんで・・・」。おれはまだヘッドホンを外せない。どうすりゃいいんだよ! と思ったところに与田さんが助けに来てくれた。与田さん、すまん、適当に、その人どっか連れてって、と心の中で叫びながらレコードをつなぐ。だんだん状況は複雑な模様を呈してきた。スピーカーの前にいた人たちが「ライオット・ザ・ポリス!」と叫んでる。そんなことやら何やらがますますパーティーの盛り上がりに拍車をかけた。

 そうこうするうちに、ジェネレーターを借りた町内会の人たちが八時ぐらいには終わって欲しいような雰囲気だという話になって、最後に与田さんと二人でちょっとやって終わるか、という方向で話がまとまった。せっかくいい感じなのになと思っているおれのところに「ハロー!」と外国人の友達が登場。え、今来たの。もうすぐ終わっちゃうのに!!! 与田さんからまたDJをバトンタッチ。最後は、どうする? どの曲? いやもうわからん・・・・・けどやっぱりこれだろうな。とりあえずこれかけないと終わんねえよな。と思い、CDプレーヤーにスピリチュアルヒーリング(今日はヨークミックス)を乗せた。

 とどこおりなくパーティーは終了。ちょっと速いけど、まあ、少し物足りないぐらいな感じで終わるのも悪かないよな。みんなドネーションもしてくれて何とか赤字にもならんかったし。そう思って荷物を片づけていると、りょう君がおれのところへやって来て言った「二人とも駐禁」とられてますよ」。!!。二人の車にはしっかり駐車禁止の札が鍵で閉めてあった。

 (C) Seino Eiichi



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