PARTS INSTALLATION(8


1996年、C4ラストイヤーとなったこの年、LT−4エンジンがラインナップされました。グランスポーツに搭載されたこのエンジンは、外観はLT−1とほとんど変わりませんが、新設計のアルミヘッド搭載、カムシャフトのデザイン変更、クレイン製ローラーロッカーアーム装備、圧縮比が10.8:1(LT−1は10.4:1)へと高められたことによりLT−1より30hpアップの最高出力330hpを発生します。そこで僕は考えました。
とりあえずローラーロッカーアームに変更すればLT−4に近づけるはずだ!と

しかし、そう簡単ではありませんでした・・・この作業はシロートがやるべきではありません。つけることは出来ても、キチンと調整するのはシロートにはムリです。もしやる場合は、正確な知識と経験がある人に相談しながら、一緒にやってもらうか、プロショップにお願いしましょう!エンジン内部を損傷するキケンがあります)


1.バルブカバー脱却(右)


@LT−1エンジンの右バンクです。まずはプラスチックのフューエルレールカバーを外しておき、スロットルからバルブカバーに繋がっているパイプを引っこ抜いておきます。Aバルブカバーには、写真の様に4つのトルクスねじがついていますのでこれを外します。Bトルクスねじを外すと、カバーを支える4本の支柱の先に六角穴が見えるのでこれを外します(トルクスねじに支柱がくっ付いてくる場合もありました)。これでカバーをプラハンマーなどで叩けば外れます。といっても周りにはホース類などの障害物がありますので、けっこう苦労します。カバーを外したら埃が入らない様になにかで覆っておきます。


2.バルブカバー脱却(左)



@左側はけっこう大変です。写真のようにオルタネーターがカブっていますので、まずはオルタを外さなければいけません。先に必ずバッテリーマイナス端子を外しておきます。Aオルタを外すにはエアインテークパイプを外しておき、上から真中の写真、赤矢印のベルトテンショナーの頭にメガネレンチなどをかけ、ぐいーっ!と時計回りに思いきり回します。Bするとベルトがゆるんでオルタのプーリーから外せますから、あとはステー3箇所、オルタ本体2箇所のボルト、トルクスねじ達を外します。ここまででも結構めんどかったです。Cオルタがいなくなったら右バンクと同じ要領でカバーのネジ類を外し、邪魔なホースをどかしながらカバーを外して行きます。やっと両側のカバーが外れました。しかし順番からいったら、先に左側をやるべきでしたね(笑)。


3.ロッカーアーム交換




@カバーが外せたらノーマルのスタンプロッカーがムキダシになります。A片側4気筒、それぞれINとEXがあるので8コのアームのセンターボルトを外します。5/8ソケットが必要ですが16mmでもOKでした。T字レンチが便利です。B右の写真はノーマルのスタンプロッカーと、今回使用したCRANE製ゴールドのローラーロッカーです。左のノーマルと比べると、形状は全く違います。センターにはベアリング、バルブを押す先端にはローラーがついており、これらによってフリクションを低減するのです。ちなみにノーマル1.5レシオではバルブリフト0.447(in)/0.459(ex)ですが、将来的にハイカムの使用も考えて、今回は1.6レシオに交換することにしました(カムシャフトを交換しなくてもバルブリフトは増加します)。これで最大0.575程度までバルブリフト可能となります。そんなに上げちゃったらアイドリングしないと思いますが(笑)。



←本家LINKです。直接買えるものもありますが、
  僕の場合はSUMMITを通して買いました。








4.ローラーロッカー装着

(・・・ここから先は失敗体験としてご覧下さい)

@まずは新しいローラーロッカーをキレイなエンジンオイルで潤滑させ、それぞれの位置に仮止めしておきます。センターボルトは2重構造で、外側が筒状の6角ボルト、その中にイモねじが入ります。六角ボルトが締まりすぎないように、イモネジで六角ボルトのネジ穴の深さを調整できる様になっています。
Aホントはここで、ダンパーローラーの目印を見ながら、一気筒ずつ圧縮上死点に合わせながら、微調整のうえボルトを適正な高さで取り付け、しっかり締めつけるのですが、マニュアルを一生懸命見てもダンパーローターの見方が判りません。L98ならデスビが上にあるので比較的確認しやすいのですが、ホント困ってしまいました。このままでは帰れませんし、取りつけないわけにもいかないのでとにかく焦って取りつけてしまい、オルタをつないでカバーを開けたままエンジンをかけてみました。
Bすると最初は締めすぎでアイドリングもままなりません。その後一旦センターボルトを緩めてから再度エンジンをかけ、ゆるいものはカンカン音を立てるので、よく音を聞きながら締めていきました。するとある時点でカンカン、カチカチはいわなくなり、かなり静かになってアイドリングが安定するので、これなら走れるぞ!というわけで固定します。しかし現実はそんな甘いもんではなかったのですよ(涙)!


5.カバー内側加工・洗浄


@ローラーロッカーの形状は、ノーマルと全くちがいますから、そのままではカバーに当たってしまいます。Aそこでカバーの裏側、ノーマルスタンプロッカーの脱落防止のツメを、根元からペンチで折ってしまいます。アーム一本につきツメは2本ですから、一つのカバーに計16本のツメがついています(ペンチで根元から簡単に折れます)。Bツメを折ると目では良く見えませんが、樹脂に含まれているアルミの粉が飛び散っています。エンジン不調や焼付きの原因になりますので灯油でしつこく洗い、さらに灯油でジャブジャブと流してしまいます。その上でヤカンにお湯を沸かし、念の為熱湯をかけて更に洗い流します。しっかり乾かしてからカバーを装着して、オルタなどを元に戻し、物理的には完成!


6.試乗・・・あり?

しばらくのアイドリングのあと、近所を流してみます。「お〜!適当につけた割にはけっこう悪くないぞ!」4000回転くらいまでは平気な様なので、その後家路につきました。すると15kmほどのところで、なんだか音が大きくなってきました!こ、これはヤバイ!といっても途中で止まったらエンジン開けることは出来ません。だましだまし20kmほど乗って家までつく頃には、完全にロッカーアームがカンカンいってます!駐車場に止めて、しばらくしてから再始動すると、カンカン音とともにアイドリングはするものの、500回転近くまで下がってしまっています。あ〜!これじゃ怖くて走れない〜!というわけで、やっぱりプロに再調整をお願いすることとなりました。エンジンを安易に考えちゃいけませんね・・・大変反省してます。「シロウトの生兵法」とはこのことじゃ(泣)!そんなわけで、インプレッション書けるほどの成果があったのかどうか、まだ判りません。ちゃんとしたセッティングしてもらった後に追録いたします。
とほほほ・・・(2000/3/17)

ドナドナド〜ナ〜ド〜ナ〜・・・(涙) 12.3.20
果たして琵琶湖は間に合うのか!?


※後日追録 : 
実際のところ効果をはっきりと体感できるというものではないようです。今回パワーチェックする時間が無かったので、正確なところはわかりませんが、バルブリフトの増加はハイカム交換に準じた効果があるはずですし、高回転まで回すほどローラーのフリクション低減効果がでるはずです。シャーシダイナモに載せる機会がありましたら、またレポートします!(4/15)