もういちど会えたら 
ジェームズ・ヴァン・プラグ
  
  
 

 

 

前後してしまいましたが『天国との会話』が第二弾で、こちらが第一弾ということになります。
こちらもアメリカでベストセラーになっていました。

読んでいるうちに思い出しました。なんとなくどこかで聞いたようなエピソードが続くので変だと思っていたら
この人、たしか日本のテレビに出ていました。そこでエピソードが紹介されていたわけです。
またタレントの誰かを霊視してかなり当たっているようでした。
終いには大槻教授が出てきて、リーディングするかと思ったらフェイントをかまして、
突然知らない学生だかなんだかを連れてきてリーディングさせていました。
これなら事前の調査も出来ないだろう、と言う事らしかったです。
ところが著者はそれでもリーディングでこの学生だかなんだかの事をいろいろ言い当てていました。
もちろん大槻教授、ぶつぶつ文句を言っていましたが、
この人には何かの(読心術であったとしても)能力があるのは確かな感じがしました。

あとがきを読むと、この人はCNNのラリー・キングのライブにも出演したそうです。
ラリー・キングについていろいろ言い当てたようで、このへんもポイントが高いでしょう。

そんなわけで、この人の能力自体はどうも疑い無いような気がします。
テレビでやっていたような気がするのですが(本にもありますが)、この人の霊視?で、
実際に殺人事件の真相が明らかになったりしています。
少なくとも、この人が、対象者のことを言い当てる事が出来、
そしてそれがこの人にとっては、対象者にかかわる故人からのメッセージという形を取る、ということは確かだと思います。
ここから一気に、「あの世がある」と言いきる自信はありませんが。この人にとってはともかくこういう形なのです。
 

これは第一作なだけあって、本としての出来というか、まとまりと言う点では『天国との会話』よりは
こっちのほうが優れている気がします。
これまでの経緯のような、半生記も入っています。これも浮ついたぎこちなさはありません。
少年時代に、天井から神の手が伸びてくる幻視を見た、というような一般的に”怪しげな”記述はあるのですが。

こちらの本にもいろいろ興味深いポイントがあります。

自殺について非難すると言うのは、この手の本には良くあるのですが、
この本もまた自殺をやめろ、と言っています。
その理由と言うのは、よく言うように、同じ苦しみをいずれ乗り越えなくてはならないから意味が無いという
のもありますが、
人には死ぬときがあらかじめ(神によって…または自分の予定として?)決められていると言う、ちょっと珍しい
視点による説明もしていました。人がそれ以前に死ぬと、人の魂は、この世から離れる事が出来ず、
かといってあの世へ行く事も出来ず、さまようことになるとか言っています。
死刑という問題にも同じ理由で反対しています。
死んでもさまようだけだし、人格はそのまま変わらず残っている、むしろ生きているうちに人格が向上する可能性にかけたほうがいい
というわけです。

考えさせられるのは、自殺が認められる場合というのがいくつか列挙されているのですが、
そのなかに「合わない人生を選んでしまった時」と言うようなものがある事です。
何かの拍子に場違いな生の中に転生してしまう事がある、と言っています。
例えば自分の能力以上の課題を背負ってしまった、というような目算違いということですが、
これは結構めずらしい主張です。
結構こういうミスマッチがあるようで、『あの世』というのも実は完全ではないようです。
そういえば『知られざる自己への旅』という、前世催眠療法を扱った本にも、
間違って転生してしまった患者が載っています。
 

霊の働きかけ、という話題も面白いです。
例えばなにかがトントン拍子にいっているときは実は霊が働きかけていてそれに乗っているのだといっています。
『天国との会話』にもありましたが
向こうから働きかけて、なにかを買わせようとしたりしているといいます。
(『天国との会話』では死者がある壁紙を買わせようとしていたのをプラグの口を借りて明かしていました 。)
また芸術化や科学者のヒラメキは実は集団としての霊が働きかけているのだ、とふたたびシュタイナーの言っていることと合致します。
おおまかにはこういう話は似てくるのが興味深いです。
 
 







 

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