初体験●お兄ちゃんやめて

 私は中学生になった。真新しいセーラー服を着て学校に行くのが楽しい。友達のあいだではスカートをかなり短く折り込んで着るのが流行ってる。ほとんどお尻なんか見えちゃうような子もいる。私もかなり短いけど人に見せるのはもったいないもんね。
 でもお兄ちゃんはよくスカートをめくってくる。セーラー服を着ると必ずと言っていいくらい。朝なんか忙しいはずなのに私が階段を上がると、階段の下でじっとしゃがんでいる。
「あんまりえっちなパンツ履いてると襲われちゃうぞ」
「えっちなパンツなんか履いてないよ」
 私はわざと前を向き、大きくスカートをめくってみせる。可愛いパンティにお兄ちゃんの目はくぎ付けになる。お母さんに「はしたない」って叱られるけど「ちょっとしたサービスよ」って言うと笑っている。

 最近お姉ちゃんは彼氏のところに泊まってくることが多くなった。部屋は私一人になることが多い。お母さんの帰りが遅いときや、夜勤の時はときどきお兄ちゃんの部屋に行っておしゃべりの相手をしてもらう。でも、勝手に入ろうとすると怒られる。何してんだろ。もしかしたら・・・
 私にとって(お兄ちゃんにとってもかも)一生忘れることのできない夜のこと。
 お母さんもお姉ちゃんも帰ってこない日だった。私は熊のぬいぐるみを抱いて、お兄ちゃんの部屋の前に立った。最近はちゃんとノックをしてから入るけど、今日はわざとノックをしなかった。音を立てないようにドアをそっと開けてた。電気はまだ点いていた。ドアの隙間から顔を覗かせてみるとお兄ちゃんはベッドに横たわっている。
「お兄ちゃん」
 返事がない。寝てる?どうやらヘッドホンをして音楽を聴いているみたい。右手がリズムをとっている。でもちょっと変。その手はパジャマのズボンの中のちょうどあそこのあたりで動いている。
 見てはいけないものを見てしまったようで、そっと部屋を出ようとした。その時お兄ちゃんが小さくつぶやいた。
「ああ・・・みちる」
 ん?わたし?お兄ちゃんが私の名前を呼んだ。まさか・・・
 お兄ちゃんは私のことを想像してペニスを擦っている。お兄ちゃんは私を想像しながらオナニーをしている。胸がドキドキして立ちすくんでしまい、思わず抱いていたぬいぐるみを落としてしまった。コロコロとお兄ちゃんのそばに転がっていった。私は慌てて拾おうとした瞬間、お兄ちゃんの目が私を捕らえた。
「あっ、みちる。お前なんで」
 ズボンから手を引き抜くと、慌ててヘッドホンを外した。ヘッドホンからは女の人の激しい息遣いが漏れている。音楽じゃなかったんだ。
 二人とも見つめあったまま暫くは動けなかった。
「お兄ちゃん・・」
 ようやくのことで声が出た。
「シッ、静かに。どうしたんだ?こんな時間に」
 驚いた顔と困った顔が入り混ざったお兄ちゃんの表情は、いつもにも増してかっこいいとは言えなかった。
「眠れないから、お兄ちゃんとお話ししようと思って」
「そうか。まあここに座れ」
 私はぬいぐるみを拾い上げ、お兄ちゃんの横に座った。何を話そうと言うんだろう。
「えーっと、今日はひとみは帰って来な・・・」
 私はお兄ちゃんの話を遮り、はぐらかされないうちに核心に迫ってみた。
「お兄ちゃんみちるの事呼んでた」
「え?」
「お兄ちゃん、さっきみちるの名前呼びながら何かしてたし・・・」
 お兄ちゃんは顔を真っ赤にして、下を向いたっきり何も言わなくなった。少し率直に言いすぎたかもしれない。お兄ちゃんは結構気が弱い。再び沈黙が続いた。重い空気に耐えきれず、私が立ち上がろうとしたときお兄ちゃんが口を開いた。
「お前だって・・・」
「え?」
 私は一瞬なにを言ったのか分からなかった。
「お前だって、してたじゃないか」
 私の脳裏に数カ月前のことが蘇った。お姉ちゃんのえっちな本を読みながら初めて覚えたオナニー。やっぱりあの時お兄ちゃんに見られていたんだ。
 今度は私が黙ってしまった。
「お前だってオナニーするんだろ。俺だってするさ。いいじゃないかお互いさまだし」
「私はあの時だけよ、あれからはやってないもん」
 声にならない声でつぶやいた。目から涙が溢れてきた。
「あ、言い過ぎたよ」
 お兄ちゃんは私を見てちょっと慌てた様子だった。そんなお兄ちゃんは戸惑った猿のようだった。
 私は全然悲しくなんかなかったけど、わざと悲しそうな顔をして聞いた。
「お兄ちゃん、私のこと想像してたの?」
「あ、ああ・・・」
「私の裸とか?セーラー服とか?」
「・・・・ああ」
「妹なのに?」
「・・・・」
 私も人のことは言えない。あの時私もお兄ちゃんを想像してオナニーした。お兄ちゃんのペニスからほとばしる液体を公園での出来事にダブらせて。
「好きなんだ」
 お兄ちゃんは意外なことを口走った。
「お前のことが・・・好きなんだ」
 いきなり手をつかまれ、ベッドに押し倒された。
「お、お兄ちゃん・・・」
 両手をつかまれ身動きができない。お兄ちゃんの体がおおい被さってきた。胸に顔をうずめてくる。痛いほど顔を強く押し付けてくる。
「や、やめてお兄ちゃん・・・痛いよ」
 お兄ちゃんはハッとしたように力を緩めた。じっと私の胸で何かをこらえているよう。ゆっくりと顔を上げた兄ちゃんの瞳は少し潤んでいた。お兄ちゃんの涙なんて初めて見た気がする。家族の中でたった一人の男性。小さなころからお母さんに叱られても泣かなかったお兄ちゃん。胸に熱いものが込み上げてきた。
「私も・・・お兄ちゃんのこと好きよ。でも・・・」
 私はお兄ちゃんの手をとり頬にあてた。わずかにいつものお兄ちゃんの体臭に混ざって変な匂いがした。あの時と同じ匂いだ。
 私の顔をじっと見つめる。お兄ちゃんは私のくちびるをじっと見つめ、顔を近付けてきた。
「いや」
 私は拒んだ。でももう一度求められたら拒めそうにない。お兄ちゃんは暫く私の顔を見つめ、そして再び顔を近づけてきた。
私はそっと目を閉じ、お兄ちゃんのくちびるを受け入れた。
唇の間からヌメっとしたものが割り込んでくる。小さく震える唇を開くと私の舌に絡み付いてきた。舌と舌がぺちゃぺちゃと音を立てた。もてないお兄ちゃんのキスは上手じゃないみたい。
 お兄ちゃんの興奮が私のお腹に固い物体となって伝わってくる。胸と胸が合わさり、お互いの心臓の鼓動が激しく叩きあう。体を強ばらせ、目をつむってじっとするしかなかった。
 ついに私のパジャマのボタンを外し始めた。お兄ちゃんは兄妹の一線を越えるつもりだ。ひとつ一つ外され、肌があらわになっていく。無意識に手が胸を隠そうとする。でも簡単にのけられてしまう。
 パジャマのボタンはすっかり外され、小さな乳房があらわになった。
「いや、だめ」
一瞬手がとまったけど、お兄ちゃんは優しく私を抱き起こし、パジャマを肩から滑らせるように脱がせた。上半身はもう何も着けていない。恥ずかしくてお兄ちゃんを見ることができない。
「お兄ちゃん・・・」
 返事をしてくれない。お兄ちゃんは男という動物になってしまった。そして私にもまた女という動物になることを求められている。
 私の手を取り、そっと自分のズボンに持っていく。さっきからお腹に当たっていた固いものが私の手に触れる。
「握ってくれ」
 私は少しためらったけど、素直にしたがった。少し触れただけでもその固さが分かった。でも手のひらに包みこんだそれは、はち切れそうにいきり立っていた。脳裏に小学生の時の公園の記憶が蘇ってきた。おじさんに握らされたものも、目の前にあるお兄ちゃんの肉棒も、大人の男の人の体そのものに思える。
 ゆっくりと寝かされると、再び兄ちゃんの顔が近づいてきた。唇が私の首筋を這う。体が一瞬こわばる。柔らかく温かなものが私の首を下へと移動する。
 乳房に到達した。ヌメっとした感覚が乳首の回りに伝わる。唇は挟み込むように小さな突起を包み込む。自然と体がのけ反る。
「ああ、お兄ちゃん」
 私は声にならない声を出していた。右の乳首を吸っているお兄ちゃん、赤ちゃんみたいに音を立てている。
「こんなの、だめ、いけない」
 そう思いながらも、身体は凍り付いたように動かなかった。
 舌は徐々に降りていき、おへそのところまできた時、ついにパジャマのズボンに手がかかった。
 私はどうしていいか分からなかった。でもお兄ちゃんは徐々に手に力を込めてきた。私はゆっくりと腰を浮かせる。ズボンはいともたやすく膝まで降りていき、ついには足首からも外された。私はパンティ一枚の姿でお兄ちゃんに愛撫されている。


つづく(出てきた?)