きわめて毒性の強い有機塩素化合物。ポリ塩化ジベンゾダイオキシンの略称。
塩素の数によって75種類の異性体がある。
特に2塩化、3塩化、7塩化、8塩化ジベンゾダイオキシンは、毒性が強い。
発がん性、催奇形性を有し、アメリカ軍がベトナムで散布した
枯れ葉剤の主原料にも使われて、ベトナム住民や従軍したアメリカ兵に遺伝子異常を
おこさせ、奇形児が続出した。
毒性はDDTの1000倍以上であり、肝臓障害、ホルモン異常、
心筋障害等内蔵や皮膚に疾患をおこさせ、遺伝子に多大な影響を与える。
極めて安定した物質で、水に溶けず脂肪分に溶け込む性質があり、体内に入った場合は
肝臓と脂肪に蓄積され、対外に排出される事はない。毒性は半永久的に消えないので、
汚染された空気を吸い続けたり、汚染された魚や肉を食べていると、微量でも体内の濃度
は高まる。また、生殖機能への障害はより低濃度で発生し、精子の減少などが発生する。
元々の自然界には存在せず、偶然的に反応して生まれる。
塩素を含む物質の燃焼時に発生。(塩分を含んだ食料の廃棄物も含む)
10月5日のNHKスペシャル「調査報告ダイオキシン汚染」によれば、
ダイオキシン発生の主原因はゴミの焼却場であること。所沢市の焼却場では、
1,200ngという基準の150倍ものダイオキシンが発生。また、電気集塵器の温度を
200℃以下にしなければならないところを、ダイオキシンの発生しやすい300℃前後で
で使用している焼却場が76/110個所もあった。(10年前からわかっていたのに、
京都大学の平岡正勝教授らの甘い見積もりにも原因がある。)
また、産業廃棄物処理はほとんど野放し状態で、1立方メートル当たり2,200ngも
検出された場所があった。狭山市の「くぬぎ山」では50本以上の煙突があるとのこと。
おそまきながら、平成9年12月からやっと規制が始まるが、ここ1〜5年までは80ng
以下とのこと。(スウェーデンでは0.5〜2ngである)