拒食 拒食はあくまでも自己の意志で,体重減量のために食事を制限するという事から始まる. そのきっかけは,比較的些細なことであり,例えば,「仲間になじめない」などの軽い挫折感である. この様な場合に拒食を開始する人は,以前から「痩せたい」と望んでいた場合が多い. 食行動 最初はよくあるダイエットのように見えるが,次第にそれは厳格で徹底的なものへと変化する. 口にする食品には偏りがあり,糖質や脂肪分などを極端にいやがる. 時には寒天のようなカロリーのないものを偏食することもある. この様な行動は,家族との食事の際に見られる.一方,食事以外の時に食物を探したり, かくしておいた食物をひそかに食べることをする. 障害 自分の体が骨と皮のようになっても,それを認めようとせず,自分は健康だと主張する. また,拒食の開始と前後して,無月経となるのが普通である. さらに,この状態が続くと不機嫌,反抗的,批判的な態度をとるようになり,場合によっては自閉的な傾向を示す. その他,過度に活動的であり,長距離の散歩を欠かさないと言うような行動も見られる. 以上のような行動を続けているいるうちに,場合によっては衝動的/発作的な過食を行う. |
過食 気晴らし食い これはストレス下であるタイミングに,突然強い食欲が起こり,短時間で大量の食物を食べる発作のことである. この際,腹がはち切れそうになるまで一気に食べて,苦痛のために食べるのを止めるが,その後でわざと吐いてしまう. そして,自分が衝動に負けて,過食したことを悔やみ,自己避難するという特徴がある. 食行動 普段自分に禁じているような食品(高カロリー)を大量に,短時間で食べる. 食べ方は非常に速い速度で,ガツガツと食べ,食物の味を味わっておらず,食べることを楽しんでいない. ほとんどの場合,わざと嘔吐し,下剤,利尿剤の乱用を行う. 障害 不機嫌で攻撃的となり,家族への攻撃,自傷行為,自殺企図,不登校などの行動が見られやすい. 一見,他人との接触が良いようだが,不安定で,治療への反応が乏しい. |
家族 母親 不満を抱き,不安定,未熟,神経症的であり,娘に対しては過保護,過干渉である場合が多い. また,几帳面に子供を養育し,自分のやり方に自信を持っている.一方,真の母性に欠けている. 父親 影が薄く,家庭内での指導力や発言力に乏しい. その他 拒食の場合,家族の結びつきが強いということがある.この様な家族は,柔軟性に乏しく, 子供の成長に合わせた対応ができない. |
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