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転職失敗記その14

急展開の年末(上)

いろいろな過去の話を聞いても、こうして給料がもらえるだけ ありがたいことだし、仕事はやりがいがあるし、と、 まだ私は、のほほんとしていた。
会社の人が社長のことをなんだかんだ言うが、その人たちがここにいるということは、 悪くないからなんだろうと思っていた。

そして年末。
冬休みの計画などを練りはじめた頃。
「求人とかって、どこにあるのかな?」
ある社員の人が聞いてきた。 私は検索サイトの説明を簡単にした。
「仕事さがすんですか」
「いや、俺じゃないんだけどね」
そのとき、その人の後輩にあたるMさんの姿が見えなかった。 すこし後に社長室に行くと、Mさんが社長の前でうなだれていた。 よく怒られる人だと聞いていたので、そのときはたいして気にしなかった。

次の日から、Mさんは来なくなった。
あまりになんの前触れもなかったので、私は風邪でもひいたのかと思っていた。 が、何日経ってもこない。
朝礼でも何もいわないし、なにか、皆の間でふれてはいけないという 空気が漂っていた。
もしかして…私は前に求人サイトを探していた先輩に 訊いた。
「あの、Mさんって辞めちゃったんですか」
先輩は、頷いて、のどをかき切る仕草をした。

クビ。

本当に、こういうことってあるんだ…私は少なからずショックだった。
なんでMさんがクビになるのかわからなかった。会社に多大な損失を与えたわけでもない、 なんか事件を起こしたわけでもない。私の知らないなにかがあったのか、でも、 そんな感じではなかった。

やっぱりここの会社って…
やがて、その年最後の日がやってきた。 普通の会社はもっと前にボーナスが出るが、E社ではこの最後の日に手渡しされるのだ。
会議が行われ、それで今年は終わりとなる。

ところが、突然「○○さん、ちょっと来て」と、私は社長室に呼ばれた。
行くと、社長が妙な話をしだした。
「もうすぐ、会議が行われる。そのとき俺は、『今日で、もう会社を、E社をおしまいにする』と いうが、あんたには関係のないことだから、驚かないように。」
は、はぁ????
最近の社員の連中は俺のいうことを聞かない。いくら朝礼で言ってもだめだ。 もうそういう人は会社にいなくていいと思っている。 そのために、俺は『会社をやめる』というのだ。だが、あんたは非常によくやってくれているから、 気にしなくていい

なんだ、いったい。どういうこと?
釈然としないまま、社長のことばが頭をぐるぐる駆け巡る。
少なくとも、今日の会議で何かあるのだ、何か。

会議が始まった。社長が話し始める。
「今年は、ご存知の通り非常に厳しい年でした。8月いらい、ずっと赤字です。これは E社始まって以来の状態です。そのため、残念ながらボーナスはなしとします」
社員の顔がさーっと曇った。当然だ。ボーナス払いで買い物をしている人もいるだろう。 私も奨学金の返済を毎年ボーナスで払っていたので、困る。

社長は損益についていろいろと説明をした。 そして…

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