忍法帖 出版社の表示がないのは講談社ノベルス・山田風太郎傑作忍法帖でやんす。同シリーズの解説は金井美恵子から京極夏彦までいろんな技のある人が書いているので要チェック。
『忍法流水抄』☆☆角川文庫99.11.1 「叛の忍法帖」・「おちゃちゃ忍法腹」・「近衛忍法暦」・「刑部忍法陣」・「羅妖の秀康」・よしの大好きな「慶長大食漢」・「彦左衛門忍法盥」と、安土桃山時代〜江戸時代初期を舞台にした作品集です。「刑部」がよしの的には初見かな。 『忍法鞘飛脚』☆☆☆角川文庫99.11.1 ぢつはいまさら初見の「伊賀の散歩者」は、藤堂藩ご老公の側室おらんの方の弟歩左衛門を乱歩にあてまして、伊賀なんで芭蕉もでてきまして「一人の芭蕉の問題」「屋根裏の散歩者」『人間椅子』「赤い部屋」とタイトル通り乱歩ネタで炸裂しまくりい★と、そういう乱歩オマージュお遊びかと思っておりましたらものすごい落ちがやってきますです。驚倒しましょう。皆さま♪あたくしはアゴはずれましたですわ・・ これまた初見の「春夢兵」は、相馬大作の弟がなにやら建設しました優生学なファシズム社会を春画をつかった伊賀えろ忍法使い忍者3人組が内部崩壊させようとするお話。すべての性交が管理される社会に、いかにエロコンテンツは闘いうるか?というお話かもです。
『忍法女郎屋戦争』☆☆角川文庫99.11.1 「忍法瞳録」は網膜映像系忍法。謎の網膜映像系忍法を開発したらしい志摩は十鬼組に潜入しました服部組の干潟甲兵衛は、開発者を倒しはしたものの、網膜に動画で録画する実験をしていた娘お千也を託されてしまいます。ほんで甲兵衛は十鬼組に敵討ちで殺されてしまいまして、その息子、甲之介はお千也にほのかに恋をするのですが、十鬼組から再び決闘状がまいりましてえ・・という展開。「薮の中」はいってますななお話。 「妻の忍法帖」は伊賀組の某家に婿入りした紋三郎のお話。そいや「忍者傀儡歓兵衛」も伊賀組婿養子ざんしたね。入り婿しない方が身のためなかもしんない・・ 大人になってから忍法修行ってー厳しすぎるだよというわけでふてくされて恋女房お半もほったらかして浮気してええと妄想の日々です。逢引の段取りをつけていこうとしたら首領がなんかちらつくし、とうとうノイローゼ気味に・・ お半に問いただされ、妄想白状した紋三郎君、なにげにお半の介添えで忍法で浮気相手と逢引するという話になってしまいます。うそお〜と思いながらも妄想を極限まで蓄積させられて結局忍法炸裂♪けっきょく見事に忍法者の道に・・って、やだじゃんそれ・・というお話。 『忍法行雲抄』☆☆☆角川文庫99.11.1 『忍法破倭兵状』☆☆☆角川文庫99.11.1 表題作に「甲賀南蛮寺領」・豊臣秀次+時間遡行系果心幻法炸裂「忍法おだまき」・ 「忍法ガラシヤの棺」・切支丹迫害前夜の長崎で熱狂的な切支丹を堕落させるべく暗躍する忍者あーんどくノ一な「忍法天草灘」・スウィフト@日本な「ガリヴァー忍法島」・お庭番出身者がなぜかアメリカに派遣される使節団に!というわけでアメリカでなにげに繰り出される忍法のかずかず!(笑)な「お庭番地球を回る」でございます。なんつーか日本の忍者に外人とか切支丹でてくるってー系を集めたかんじでしょうか。 『くノ一紅騎兵』☆☆☆角川文庫99.4.5 講談社の新書判で同タイトルの短編集もありますですが、こっちはよしの好みの傑作「忍法聖千姫」はいってる〜♪ 『忍法陽炎抄』☆☆角川文庫99.1.30 久々に角川文庫ゲットしました。350円。しかも美本だうれしいな〜。カバー表紙は車兵五郎の兵五郎と鉄藤次が対決している場面、裏は向坂甚内と桐姫です。 『忍法落花抄』☆☆(角川文庫)98.9.22 「忍者仁木弾正」、「忍者玉虫内膳」、「忍者傀儡歓兵衛」、「忍者枯葉塔九郎」、「忍者帷子万助」、「忍者野晒銀四郎」、「忍者撫子甚五郎」、「『今昔物語集』の忍者」収録です。いちおー未読のものはないはずだったのですが、あんまし御紹介してなかったのを御紹介いたしますです。 『忍法関ヶ原』☆☆(文芸春秋文庫)98.9.12 実家の郊外型巨大書店でゲットしたものの、既に御紹介したポケット文春の同タイトルの短編集の改版です。新ネタゲットかと一瞬思ったのに、ショックだ(泣)ポケット文春もってなかったからよいけどね・・・レベル高いし・・・ 『かげろう忍法帖』☆☆(講談社 山田風太郎忍法全集)98.4.19 「忍者明智十兵衛」「忍者石川五右衛門」「忍者向坂甚内」「忍者撫子甚五郎」「忍者本多佐渡守」「忍者服部半蔵」+随筆「『今昔物語集』の忍者」と、戦国時代末期〜江戸初期を舞台にした忍法物です。 『くノ一死ににゆく』☆☆☆(講談社 風太郎忍法帖)98.4.19 「捧げつつ試合」、「濡れ仏試合」、相手に背を向けて戦う剣客の信じがたい弱点「逆艪試合」、「膜試合」、「かまきり試合」、人肉とろかし伊賀対人肉ふくらまし甲賀「麺棒試合」、「つばくろ試合」、くノ一が結城秀康の男根の謎をさぐる「模牌試合」と、「逆艪」の除いてくノ一てんこもり集です。忍法帖好きなら是非ゲットしたい味の濃さ。 『忍法関ヶ原』☆☆(ポケット文春)98.4.19 「忍法関ヶ原」、切支丹切り崩しを狙うえろえろ忍法炸裂「忍法天草灘」、催眠忍法炸裂の名作「忍法甲州路」、首すげ替え忍法で混迷深まる「忍法小塚ッ原」収録でございます。 『忍法破倭兵状』☆☆(講談社 風太郎忍法帖)98.4.19 インテリ忍者のどんでん返し「忍法蛸飛脚」、大奥女体ネタ「忍法肉太鼓」「忍法花盗人」「忍法しだれ桜」、果心居士炸裂「忍法おだまき」および表題作です。 長編歴史SFだそうです。まあ、パラレル・ワールドってやつですね。 太平な世に忍法修業したけど、所詮捨て扶持で仕事は評価されないお小人衆鶉兵太郎君(一五俵一人扶持)は、薩摩藩潜入に成功して帰ってきたらば恋人お千が300石の旗本のおうちに輿入れの日(汗)。お千と親父の組頭をたたき切って隠密が変身する化粧蔵に飛び込んだ兵太郎君は、忍法で唯一出世したかもしんない初代服部半蔵に祈願し、二百年前の戦国時代で活躍したかったと念をこめたら半蔵が出てきてアヤシイ永劫回帰理論に基づいて時間をさかのぼろうとしますが失敗。出たところはパラレル戦国時代で、今しも江戸城の徳川家康を石田治部が攻め落とそうというところです。そこから真田忍者に救い出されてきた秀吉の妻・お市の妹お千に恋をした兵太郎君、知識と忍法を武器に成り上がり、お千をゲットしようといたしますが・・・というお話。ちと兵太郎君の腰が据わってないのが難点か。 えろ系忍法てんこもり短編集。表題作・「剣鬼喇嘛仏(らまぶつ)」「嗚呼益羅男」「読淫術」「さまよえる忍者」「怪異二挺根銃」「呂の忍法帖」「忍法小塚原」収録です。 『くノ一紅騎兵』☆(講談社ノベルス・山田風太郎傑作忍法帖)98.2.24 えろえろな忍法短編を収録。お献立は「摸牌(もーぱい)試合」、「逆艪試合」、「嗚呼益羅男」、表題作、「忍法幻羅吊り」、「忍法女郎屋戦争」、「お庭番地球を回る」、「『甲子夜話』の忍者」でございます☆ 『お庭番地球を回る』☆(ポケット文春)98.1.29 表題作(河出かどっか文庫に入ってるはずだけど忘れた)、「怪談 厠鬼」「さまよえる忍者」「読淫術」「忍法 死のうは一定」(『秀吉妖話帖』にも収録)が収録されてます。 『妖の忍法帖』☆(文芸春秋)98.1.22 五代将軍綱吉誕生に伴い、大老堀田筑前守にくっついてお庭番として復活できる(かもしんない)根来組お小人衆。若手ホープの秦漣次郎君&吹矢城介君は根来組復活に闘志をもやす根来孤雲に期待され、トラブルあるらしい藩に潜入して色々さぐってきますです。 『武蔵忍法旅』☆(文芸春秋)98.1.22 新免(宮本)武蔵VS忍者&くノ一な表題作、「おちゃちゃ忍法腹」(『秀吉妖話帖』にも収録)、関ヶ原の戦いにおける大谷刑部の懊悩と策謀「刑部忍法陣」、天皇家の威信を秀吉から守るために、あえて朝鮮半島泥仕合戦争を促す関白近衛前久と太平洋戦争開戦を放置した近衛文麿首相が重なる「近衛忍法暦」、相変わらずつるんでる由比正雪&森意宗軒は、太平の世になってたるんでいる若者たち「飛屁(ひっぴ)組」「下馬坊(げばぼう)組」「呑堀(のんぽり)組」(汗)を武勇伝でどつく彦左衛門から、栄光の物語として語られる過去の真実を搾り出すことで厭戦気分をあおろうとしますが・・・な「彦左衛門忍法盥」(山本周五郎『彦左衛門外記』参照です☆)、ガリヴァーさんが日本にも来ていた!パロディ味充溢の「ガリヴァー忍法島」収録。 『天の川を斬る』(後に『銀河忍法帖』)☆☆☆(講談社・山田風太郎全集6巻)98.1.22 相変わらずゴージャス&テクノロジな大久保長安。それを仇と付け狙う謎の美女朱鷺に惚れた暴れん坊六文銭の鉄は長安の娘婿服部半蔵が護衛につけた伊賀者五人、および忍法は所詮名人芸だから無駄じゃんと長安が開発した新兵器で武装した側室五人とすーだらに戦うことに。 『忍法甲州路』☆☆(講談社文庫・大衆文学館)98.1.19 表題作に「忍法肉太鼓」「忍法蛸飛脚」「麺棒試合」「転の忍法帖」「忍者六銅銭」「天明の判官」「羅妖の秀康」収録です。 『秘書』☆☆(新潮小説文庫/S43)97.12.24 タイトルからいって、『秘義書争奪』に改題されたモトでしょうか。 『野ざらし忍法帖』☆☆(講談社・山田風太郎忍法帖全集)97.12.24 「忍者車兵五郎」、「忍者仁木弾正」、「忍者玉虫内膳」、「忍者傀儡歓兵衛」、表題作、「忍者梟無左衛門」、「忍者帷子万助」、「忍者野晒銀四郎」、「忍者枝垂七十郎」、「甲子夜話の忍者」と忍法短編集です。講談社文庫大衆文学館の『忍者枯葉塔九郎』に割合収録されてますね。 『自来也忍法帖』☆☆(講談社・風太郎忍法帖8巻)97.12.10 みもさんにレビューいただいた『自来也』です。あーゆーレビューがあると、とりあえず読んでしまいますね 『忍者六道銭』☆(講談社)97.12.10 短編集でございます。表題作に「忍者死籤」「くノ一地獄変」(講談社ノベルス『くノ一紅騎兵』収)「くノ一紅騎兵」(同左)「天明の判官」「天明の隠密」(講談社ノベルス『剣鬼喇嘛仏(らまぶつ)』収) 『飛騨忍法帖』(講談社・山田風太郎忍法全集)97.11.30 時代は幕末のゴタゴタな時期。さすがに惰眠をむさぼってるわけにいかなくなった幕府は有用の士を取り立てようと腕に覚えのある武士を集めて御前試合とかしてるんですが、そこに現れた飛騨の忍者な郷士・乗鞍丞馬君。ばったばったと試合の相手を倒しますが、岡愡れしちった講武所奉行の娘美也の婚約者の宗像主水正に左腕を落とされ、主水正の若党になります。しかーし、勝海舟とつるんでる主水正が、勝と対立する小栗豊後守にくっついて美也に岡愡れしてやがる元・友達連中に暗殺され、仇討ちでございます。 『忍者月影抄』☆(講談社・山田風太郎忍法全集)97.11.30 以前掲示板の方に言及してらした方もいらっしゃいましたが、両刀な美少年忍者檀宗綱が出てきます。徳川「ケチケチ」吉宗VS尾張徳川の徳川「ばぶりー」宗春。ほんとーはむっちゃスケベのくせに偽善者面しやがってムカツク奴だがやと、宗春は吉宗の昔の「お手付き」女をお土居下組(「忍者 車兵五郎」参照)の忍者と尾張柳生を使って日本橋に晒し者にしていくプランをたてます。そうと聞いちゃあお庭番&江戸柳生はそれを阻止しなきゃなんないけど、阻止できなきゃその女も殺しちまえってなわけで、忍法剣法交えて大乱戦ざます。忍法のバリエーションはなかなか。宗綱君の忍法「夢若衆」は叙情的かつ怖い技でぐー。 『くノ一紅騎兵』(角川文庫 初版79/10/10)by みもさん97.11.12 くノ一ものの短編集。表題作の他「忍法聖千姫」「くノ一地獄変」「捧げつつ試合」
「忍法幻羅吊り」「忍法穴ひとつ」の6編が収録されております。 『自来也忍法帖』(角川文庫 初版81/4/30)by みもさん97.11.12 上様お目見えの祝儀の最中、三十二万石の大名の嫡男が悶死した! 『忍びの卍』☆☆(講談社・山田風太郎全集第7巻)97.11.12 伊賀/甲賀/根来と三組ある忍法組を一つに絞りたいという土井大炊頭に、各組の代表の忍者の技&忠誠心の検分役を仰せ付かった椎の葉刀馬君。柳生流かなりの使い手である刀馬君もびびるような忍法を見せられますが、一見忠誠心が一番薄そうな甲賀組に土井大炊頭は決めてしまいます。しかし、復活を伊賀と根来の忍者の代表が将軍家光を女色で篭絡しようとして失敗、こんどは弟君駿河大納言の下に奔って将軍暗殺をたくらみます。立ち向かう葉刀馬君&甲賀の百々銭十郎。根来の女の肌すべてを性器とおんなじくらい敏感に変えてどんな男でも思いのままにしまう忍法「ぬれ桜」、伊賀の性交した女に一昼夜乗り移る忍法「任意車」、精液を注ぎ込んだ女体を斬り、その血で離れた相手をも倒してしまう忍法「赤朽ち葉」とえろ系忍法濃いいっす。でも相変わらず途中で実験とかしはじめてなんか変☆ 『江戸忍法帖』☆(講談社・山田風太郎全集第7巻)97.11.12 第四代将軍家綱公のご落胤葵悠太郎君。もちろん五代綱吉にくっついてる柳沢出羽守は悠太郎君にでてこられちゃーマジヤバなので、甲賀七忍衆に暗殺を命じますです。ぷー生活に満足している悠太郎君はさておいて、悠太郎君を世に出したい守り役三人は七忍衆にあっという間にやらりてしまい、ついでに長屋のお隣の角兵衛獅子姉弟の弟も巻き添え食ってしまいます。ついにキレた悠太郎君、武芸経験なしながら身の軽さを武器に戦っちゃう角兵衛獅子姉やら忍者が嫌いでしょうがない甲賀組頭の孫娘やら驕慢にして純情な柳沢の養女鮎姫に惚れられながらも甲賀七忍衆に立ち向かいます。水戸のご老公+助さん格さんまでちらっと出てくる明朗(七忍衆暗いけど・・・)新春時代劇とかになりそーな一本。映像化するならやっぱ太る前の田中健だな。 『忍者 枯葉塔九郎』☆☆(講談社文庫/大衆文学館)97.11.12 「忍者枝垂七十郎」、表題作、「忍者本多佐渡守」、「忍者明智十兵衛」、「忍者車兵五郎」「忍者服部半蔵」「忍者撫子甚五郎」「忍者傀儡歓兵衛」と、「忍者〜人名〜」な短編ばっかり集です。「枝垂」はお庭番に恋した大店の娘の女心の機微、表題作は妻を売っちゃう小才子馬鹿対謎過ぎる忍者、「本多佐渡」と「服部半蔵」は共に権力のすごみを描いたもんですが、「本多佐渡」は陰謀はりめぐらし野郎本多佐渡とその後継者たる土井大炊頭のお話。家康あたりの時代が好きな人はまじで要チェック。本多佐渡が忍法使うわけじゃないけれど、非情さにおいてはそのへんの忍者なんざ目じゃないっすね。でも「いい人」大炊頭の方が逆に情で忍者を主体的に動かしてしまえるというところで本多一族より非情なのがこあいところ。「車」は読んでると混迷してしまうような忍法炸裂のラストがグレートな好短編。たしか「風眼抄」かなんかで奥さんと敷居を境に横になって実験して書いたとあるのはこの忍法です。「傀儡」は心理トリックかもしんない一編。 『忍法聖千姫』☆☆(講談社 1970年)97.11.3 忍法物短編集。あくまで無邪気でありながら、ヒットポイント高すぎて大魔女化した千姫をめぐる男たちの逆上ぶりな表題作、忍者鴫留盃堂(しぎる・はいどう・・・笑)が細川ガラシアを分裂させてしまう「忍法ガラシアの棺」、男体の神秘系忍法「忍法穴ひとつ」、「忍者は非情」を徹底しようとしたばかりに大悲劇(しかし本人非情なので悲劇わかってないっつーのがまたつらい)「忍法阿呆宮」と、いつものことですがレベルたかいっす。『くノ一忍法帖』の可憐千姫も好きだけど、この千姫もいいですねー。他に「忍法とりかえばや」「忍法幻羅吊り」「忍法瞳録」収録。 『忍法剣士伝』☆☆(角川文庫)97.9.20 「じゅ」さんのレビューはこちら いんやー、論文締め切り間近で、はまらないようにツレに隠してもらったんだけど(面白い山風は読了した後通常三回はループしてしまうのです)、電球とりかえようとして見つけてしまった・・・♪院生殺すにゃ刃物はいらぬ〜山風ちらつかすだけでよくってよ〜♪(意味不明) 『伊賀忍法帖』☆☆(角川文庫)97.9.20 大昔読んでいたのですが、近所の古本屋に出てたので再読☆ 『剣鬼喇嘛仏(らまぶつ)』☆☆ 97.9.7 時代は秀吉朝鮮役〜徳川末期と一応順番のかな? 『忍法忠臣蔵』☆97.9.7 なんだか木っ端役人化した江戸伊賀組にあきたらず、家出して忍法修業してきた無明綱太郎。とはいえ無為な大奥勤めの日々に腐っていてつい恋に落ちてしまいますが、相手が将軍の目にとまっちまい、「忠」を口実に乗り換えられて逆キレしたあげく出奔しちまいます。「忠」がすっかりやんなった無明君はひょんなことからかかわりあいになった上杉家国家老千坂兵部(直江兼継様系☆)に依頼され、「忠」の名のもとに仇討ち希望中の赤穂浪人どもの切り崩しを上杉家秘蔵のくノ一達とともに工作しますが・・・という感じ。腹黒いんだかお人よしなんだか大石内蔵助の造形は面白いです。 『忍法剣士伝』(角川文庫) by「じゅ」さん☆97.8.31 山風との出会いは『忍法剣士伝(忍法不死鳥改題)』でござった。 『姦の忍法帖』(文春文庫)97.8.31 時代は戦国時代〜徳川前期と色々です。えろねた奇想忍法多し。 『秀吉妖話帖』(集英社文庫)97.8.31 いちおー秀吉が生きてた前後な時代の忍法短編集。秀吉の妾暗殺をもくろんで潜入して参りました朝鮮半島シャーマンの妖術☆修行重ねた妖術よりもじゅくじゅく熟女は強かった、としかいいようのない壮絶天然忍法炸裂な「おちゃちゃ忍法腹」、果心居士&信長な「忍法死のうは一定」、本能寺の変忍者四すくみな怪編(山風の魅力のポイントは結構忍法や剣法のかみ合わせの妙であるけれど、その意味では濃縮山風かも)「叛の忍法帖」、「忍者 石川五右衛門」「虫の忍法帖」。 『忍法黒白草紙』(旧題『天保忍法帖』)(角川文庫) 97.8.31 天保の妖怪/鳥居耀蔵の秘密部隊にスカウトされちった伊賀者二人。鳥居耀蔵がどーゆう人かといえば、ごりごり保守派で粛正しまくりの江戸町奉行なんですが、忍法そのものより当時の世相ネタとか、政治理念批評にポイントの置かれた作品。 『甲賀忍法帖』☆ 記念すべき忍法帖第一作。甲賀と伊賀でロミオとジュリエット! 三代将軍を賭けた忍者大バトル! 芋虫な忍者とか鳥もちのようなおよだを吐くスパイダーマンな忍者しょっぱなから風太郎先生の奇想はとどまるところを知らない。ロミオとジュリエットさんたちが、忍法を無効にする/相手の忍法を相手自身に返す瞳術を使うのも面白いです。 『くノ一忍法帖』☆☆☆(いくつ☆をつけても足りないっす) よしのフェイバリット。大阪城落城後、豊臣秀頼の種を身ごもった5人の真田くノ一+千姫+豊臣方の名将長宗我部盛近の妻・丸橋(無茶強い・・そしてこの人も妊娠中)VS家康+伊賀忍者のバトル。千姫可憐、くノ一・丸橋かっこいいという大傑作。要約すれば「戦う妊婦」でしょうか。「信濃忍法筒からし」は嫁入り前の娘としては是非覚えておきたい技でございます。まじでこれ出来たら人生むっちゃ楽しうなるで。 『柳生忍法帖(上・下)』☆☆ 柳生十兵衛様(滝のよーな愛)登場の作(たぶん)。福島の方のバカ大名が起こした騒ぎに巻き込まれ、逐電して無惨に処刑された堀一族の生き残りを助けて、十兵衛がヘンな福島の土着忍者に立ち向かう。『魔界転生』より素人のお姉さんたちががんばるので、「戦うおねえさん」好きなら外せない一本。よしのは親不知抜いた痛みをこれで乗り切りました。千姫も登板しております。『柳生外伝・くノ一忍法帖』のタイトルで1998年に映画化されとります。 『魔界転生(上・下)』☆☆☆(初出時は『おぼろ忍法帖』) これ読んであくまでさわやか柳生十兵衛様(愛)に惚れない女はいないでしょう。敵は旧主の切支丹大名の復讐に燃える怪老人森意宗軒に由井正雪になんだか天下とれねえかと隙をうかがってる南海の竜・徳川頼宣で、陰謀度は忍法帖全作品中たぶん一番高い。えたいのしれないもんのすごい忍法でいきなり魔人として蘇りまくる(特に冒頭の島原の乱が終結した夜のシーンはすごい!)武蔵やら又右衛門やら稀代の名剣士達しかも十人VS十兵衛。切支丹なくノ一もステキ。弱っちいけど根性100万人分のバカ(ほめ言葉)な柳生十人衆もグー。この面白さは忍法帖代表作っす。 『忍法封印いま破る』 ☆ よしのが最初に読んだ忍法帖。一応『天の川を斬る』(『銀河忍法帖』)とお話つながってます。 『海鳴り忍法帖』 根来寺の忍法坊主3万人対堺鉄砲テクノロジー。風太郎先生お気にの松永弾正入ってます。忍法がいまいちあんまとんでもなくないのがちと不満。しかしこの作品で一番重要なのは昼顔御前で、彼女は足利将軍の側室なんだけど、なんも悪いことしていないのにえっちな目で見られるのにある日切れてしまい、大迷走してしまうのさ。もはやフェミニズム文学かもしんない。 『笑い陰陽師』☆☆☆ 男体(なんたい)の神秘炸裂!! 忍法帖読み慣れた人でもこんな忍法あっていいのかとたまげざるをえない忍法がてんこもり。睾丸を他の人からもらったり、立たなくしたり無理やり立たせたりの大混乱。よしのは思わず実験してみたりしてみました(笑)。男の子必見。風太郎先生ご自身も一押しの傑作。 『忍法八犬伝』☆ 大阪の陣前夜の相模。相変わらず陰謀はりめぐらし屋さんな本多佐渡守&服部伊賀組にひっかかり、竹千代君(徳川家光っすね)に献上予定の家宝・伏姫から伝わった忠孝悌仁義礼智信の八犬士の珠をすり替えられた里見家。八犬士の子孫であるじいさんたちは責任感じて皺腹かっさばいちゃうし、じいさんたちが後を託した風賀卍谷で修行しているはずの息子たちは全員ばっくれておんな歌舞伎の振り付けやってたり忍法と全然関係ない方向に行方しれず中。いったいどおなる里見家! むちゃくちゃすごいとこをしているわけではないけれど、風太郎節の完成度高い逸品。解説京極夏彦は風太郎忍法の極意をよく整理してあります。もうちっと船虫さんたちに活躍してほしかった気もするが、バカのさわやかさ横溢しているのでまあいいです。
『信玄忍法帖』 上洛途中で死んでしまった武田信玄。「三年は喪を秘せ」との遺言に従い、影武者を守る真田忍者VS服部半蔵伊賀忍者軍団。死んだはずの山本勘介はうろついてっし、信玄の嗣子勝頼は自分じゃあてにならんのかとむかついてっし、なかなか内輪もめも多い武田は果たして信玄の死を隠し通せるのか! 忍法春水雛キテるっす。
『風来忍法帖』☆ 秀吉の天下統一間近で大ピンチな小田原北条氏。混戦と策謀の中を7人の香具師(やし)は拾い集めた鉄砲玉を落城寸前戦闘中の武士に売りつけたり、落城したらしたで落ち延びてきたおねいさんたちを売り飛ばしたりでまったり生きていたのですが、ひょんなことから忍城のおんなあるじ・麻也姫とかかわり合ったばっかりに、小田原風魔組にはいぢめられるわ、気がついたら忍城篭城戦で化け物忍者と戦う羽目になってるわという展開。麻也姫は他の忍法帖のデウス・エクス・マキーナ風の姫君たちのなかでもひときわ無邪気に造型されており、可憐です。
『外道忍法帖』(講談社ノベルス・山田風太郎傑作忍法帖) ローマ法王から天正少年使節団がもらってきた財宝の在処を求めて、15人の童貞女の体内に隠された鈴を一族復活を悲願とする天草一族VS由比正雪あやつる忍者な人たちが追い回すんだけど、まず3組各15人というのが多すぎて、とにかくそやつら消化するので手一杯(涙)。いつもはせいぜい10人対10人で20人くらいだもんなあ・・・45人はきついざます。鈴に一文字づつ隠し場所の指定がはいっているので15人になっちゃったんだけど、もっと単純にして7人くらいにしてたら良かったと思います。童貞女の親玉たる天姫もいい設定なのにいちまつ生かし切れてない感じ。もったいなさすぎ。高い評価をつける方も多いのですが、疾走しまくって読者蒼惶な物語のバラけ方には確かにすごみがあるものの、よしの的には濃すぎるという気が。上下巻でしつこく展開されてたら大傑作だったかも。
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