加奈〜いもうと〜を斬る!
まず最初に。
文中において、「加奈」という表記はキャラクターである藤堂加奈本人を指し、
「加奈〜いもうと〜」という表記はゲーム名を指しています。
…というわけで、加奈〜いもうと〜を私なりに斬ってみました。
ずばっと。
絵について
お世辞にもうまいとは言い難いですね。
しかし、絵柄は加奈〜いもうと〜の作風にとてもマッチしていると思います。
いくらうまくても、例えばみつみ美里のように、作風に全然合っていない
絵柄だったら、「なんじゃこりゃー!」と叫んでいたかも知れません(^^;;
とりあえず、及第点です。
キャラクターについて
私が一番気に入ったのは、やっぱり加奈ですね。
また、主人公も好きです。この主人公には、かなり感情移入をすることが出来ました。
このゲームのキャラクターには、基本的に「OOちゃん萌え〜」とかそういった
タイプの入れ込みかたをする人はいないでしょうねぇ。
萌へ〜とからう゛〜とかはこのシリアスなゲームにはあまりにも似合わないので
好都合だとは思いますが、そういうのがないと人気ってあまり出ないんですよねぇ…。
ゲーム性について
低いです。
ひたすら同じメッセージを見せられた挙げ句(早送りしても20〜30分程度はかかる)、
最後の選択肢1つでEDが変わってしまうようなゲームです。
読み物としての評価はともかく、ゲーム性を評価した場合の加奈〜いもうと〜は、
落第点だと言わざるを得ません。
音楽について
特に印象に残るような曲はありませんでした。
特に違和感のある曲もありませんでした。
耳につくこともなく、かといって自己主張することもなく。
目立たなかったのに、あとで曲だけ聴くと、「あ、あそこの曲だ」と思い出すことが出来ます。
BGMとしては、最適だったんじゃないかな?
全体として、穏やかな曲が多かったですね。
加奈のストーリーについて
泣きました。
しかし私は、人が死ぬシーンや別れのシーンなど、悲しい場面で泣くのは
いわば当然だと考えています。ちょっときつい言い方ですが。
喜怒哀楽のある人間にとって、悲しい場面で涙が出るのはあたりまえです。
それ以外の場所で如何に人を感動させるか、それが物語の出来を
左右するんだと思います(あくまで私の主観)。
例えば、Kanonのあゆシナリオ。まず、あゆの消滅のシーンで滂沱の涙でした。
そして、その後のあゆの目覚めのシーン。感動でした。
私は、ここでも涙しました。
この2回目の涙こそが、あゆシナリオの真骨頂であると考えるわけです、私は。
さて、加奈〜いもうと〜を見てみましょう。
ED2〜6はいずれも腎臓移植に失敗し、加奈が死にます。
悲しいです。涙ちょちょぎれます。感動です。
ED1は腎臓移植に成功し、加奈は元気に回復します。
んがっ、大した感動はありませんでした。
つまり、喜ぶシーンで感動がなかったわけです。
いやしくもベストエンドと名乗るED1の、このできの悪さは致命的です。
おまけシナリオより感動を呼ばないというのは、大問題。
泣きゲーは、悲しいシーンで泣けたら及第点でしょう。
が、それ以上の高得点を狙うなら、それに何かしらプラスαをしなくてはなりません。
私にとって加奈のストーリーは、及第点には余裕で達しているが、
優の字は与えられない、って所ですかね。
夕美のストーリーについて
えと、なかなかリアリティがあって良かったと思います。
…が、私自身、夕美が眼中になかったので、印象は薄いです(^^;;
ということで、コメントは差し控えさせていただきます〜。
シナリオについて
好きな方から順に、ED5、ED2、ED6、ED4、ED3、ED1。
おまけEDは、着外。物語中の1エピソードに過ぎませんから。
闘病日記が一番好きです。
ただし、夕美が出てくる日記EDは、ちょっと蛇足のような気がするので、3番です。
思い出会っていうのはとっても良かったんだけどね、
なんていうかですね、私、夕美眼中になかったから(爆)
次に、ペンダントED。
なんか、加奈がメッセージを残すEDが軒並み上位に来ていますねぇ(^^;;
やっぱり、感動を生む常套手段だからでしょうか。
4番目に、夢の中で加奈と別れるED。
これも良かったです。ただ、他のEDと被っちゃっていたのでこの順位。残念。
5番目、夕美ED。
ここら辺からどーでもよくなってきます(笑)
感情移入していた人物が壊れちゃってくれると、
そこからはもう感情移入のしようがないですねぇ。
6番目、ベストエンド。
なかったことにしていいですか?(^^;;
えっちについて
一番好きなエッチシーン、加奈の自慰。
いや、なんでと聞かれても困りますが(^^;;
余談ですが、自慰のあとのシーン、加奈のアブノーマルさが如実に出ていて
私は好きです(笑)
まあ、抜きゲーではないのですから、あの程度でちょうど良いと思います。
私内部では、結構ポイント高いです。
まとめ
まあ、なんだかんだ言いましたが、全体を通してみれば良いゲームです。
言うまでもないですが、悲劇が好きな人に向いていますね。
「OOちゃん萌へ〜」ってのが目的の人や、やりゲー目当ての人は
やらないほうがいいです、絶対(笑)
…上で言いたいこと全部言っちゃったので、ここでは書くことがないです(^^;;
とりあえず、みんなに薦めたくなるゲームであることは間違いないですね。
良いゲームです。