行政機関の保有する情報の公開に関する法律案 目次 第一章 総則(第一条・第二条) 第二章 行政文書の開示(第三条―第十七条) 第三章 不服申立て 第一節 諮問等(第十八条―第二十条) 第二節 情報公開審査会(第二十一条―第二十六条) 第三節 審査会の調査審議の手続(第二十七条―第三十五条) 第四章 補則(第三十六条―第四十三条) 附則 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利 につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政 府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民 の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的と する。 (定義) 第二条 この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。 一 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関及び内閣の所轄の下に置かれ る機関 二 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定 する国の行政機関として置かれる機関(次号の政令で定める機関が置かれ る機関にあっては、当該政令で定める機関を除く。) 三 国家行政組織法第八条の二の施設等機関及び同法第八条の三の特別の 機関で、政令で定めるもの 四 会計検査院 2 この法律において「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は 取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知 覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。) であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が 保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。 一 官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目 的として発行されるもの 二 政令で定める公文書館その他の機関において、政令で定めるところによ り、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理 がされているもの 第二章 行政文書の開示 (開示請求権) 第三条 何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長(前条第一項第三号 の政令で定める機関にあっては、その機関ごとに政令で定める者をいう。以下同じ 。)に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。 (開示請求の手続) 第四条 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、次に掲げる事 項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を行政機関の長に提出してしなけれ ばならない。 一 開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人その他 の団体にあっては代表者の氏名 二 行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事 項 2 行政機関の長は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請 求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補 正を求めることができる。この場合において、行政機関の長は、開示請求者に 対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。 (行政文書の開示義務) 第五条 行政機関の長は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に 次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている 場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。 一 個人に関する情報 (事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で あって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の 個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個 人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別 することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害する おそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。 イ 法令の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予 定されている情報 ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必 要であると認められる情報 ハ 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十 号)第二条第一項に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和 二十五年法律第二百六十一号)第二条に規定する地方公務員をい う。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報で あるときは、当該情報のうち、当該公務員の職及び当該職務遂行の 内容に係る部分 二 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。) に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次 に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、 公にすることが必要であると認められる情報を除く。 イ 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地 位その他正当な利益を害するおそれがあるもの ロ 行政機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供された ものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととさ れているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当 時の状況等に照らして合理的であると認められるもの 三 公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関 との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上 不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由 がある情報 四 公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行 その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機 関の長が認めることにつき相当の理由がある情報 五 国の機関及び地方公共団体の内部又は相互間における審議、検討又 は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若 しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に 混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利 益を及ぼすおそれがあるもの 六 国の機関又は地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報であっ て、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性 質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの イ 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把 握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若 しくはその発見を困難にするおそれ ロ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国又は地方公共団体の 財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ ハ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に 阻害するおそれ ニ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を 及ぼすおそれ ホ 国又は地方公共団体が経営する企業に係る事業に関し、その企 業経営上の正当な利益を害するおそれ (部分開示) 第六条 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録 されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除く ことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなけ ればならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと 認められるときは、この限りでない。 2 開示請求に係る行政文書に前条第一号の情報(特定の個人を識別すること ができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のうち、氏 名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の 部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと 認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものと みなして、前項の規定を適用する。 (公益上の理由による裁量的開示) 第七条 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されて いる場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当 該行政文書を開示することができる。 (行政文書の存否に関する情報) 第八条 開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを 答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該行 政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。 (開示請求に対する措置) 第九条 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の全部又は一部を開示すると きは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し政令で 定める事項を書面により通知しなければならない。 2 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の全部を開示しないとき(前条の 規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る行政文書を保有して いないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その 旨を書面により通知しなければならない。 (開示決定等の期限) 第十条 前条各項の決定(以下「開示決定等」という。)は、開示請求があった日か ら三十日以内にしなければならない。ただし、第四条第二項の規定により補正を求 めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。 2 前項の規定にかかわらず、行政機関の長は、事務処理上の困難その他正当 な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することが できる。この場合において、行政機関の長は、開示請求者に対し、遅滞なく、 延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。 (開示決定等の期限の特例) 第十一条 開示請求に係る行政文書が著しく大量であるため、開示請求があった 日から六十日以内にそのすべてについて開示決定等をすることにより事務の遂行 に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、行政機 関の長は、開示請求に係る行政文書のうちの相当の部分につき当該期間内に開示 決定等をし、残りの行政文書については相当の期間内に開示決定等をすれば足り る。この場合において、行政機関の長は、同条第一項に規定する期間内に、開示 請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 一 本条を適用する旨及びその理由 二 残りの行政文書について開示決定等をする期限 (事案の移送) 第十二条 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書が他の行政機関により作成 されたものであるときその他他の行政機関の長において開示決定等をすることにつ き正当な理由があるときは、当該他の行政機関の長と協議の上、当該他の行政機 関の長に対し、事案を移送することができる。この場合においては、移送をした行政 機関の長は、開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければな らない。 2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた行政機関の長にお いて、当該開示請求についての開示決定等をしなければならない。この場合に おいて、移送をした行政機関の長が移送前にした行為は、移送を受けた行政 機関の長がしたものとみなす。 3 前項の場合において、移送を受けた行政機関の長が第九条第一項の決定 (以下「開示決定」という。)をしたときは、当該行政機関の長は、開示の実施を しなければならない。この場合において、移送をした行政機関の長は、当該開 示の実施に必要な協力をしなければならない。 (第三者に対する意見書提出の機会の付与等) 第十三条 開示請求に係る行政文書に国、地方公共団体及び開示請求者以外の 者(以下この条、第十九条及び第二十条において「第三者」という。)に関する情報 が記録されているときは、行政機関の長は、開示決定等をするに当たって、当該情 報に係る第三者に対し、開示請求に係る行政文書の表示その他政令で定める事項 を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。 2 行政機関の長は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示決定に先立 ち、当該第三者に対し、開示請求に係る行政文書の表示その他政令で定める 事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。 ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。 一 第三者に関する情報が記録されている行政文書を開示しようとする場合で あって、当該情報が第五条第一号ロ又は同条第二号ただし書に規定する 情報に該当すると認められるとき。 二 第三者に関する情報が記録されている行政文書を第七条の規定により開 示しようとするとき。 3 行政機関の長は、前二項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第 三者が当該行政文書の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合 において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に 少なくとも二週間を置かなければならない。この場合において、行政機関の長 は、開示決定後直ちに、当該意見書(第十八条及び第十九条において「反対 意見書」という。)を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並 びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。 (開示の実施) 第十四条 行政文書の開示は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付に より、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して政令で定 める方法により行う。ただし、閲覧の方法による行政文書の開示にあっては、行政機 関の長は、当該行政文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他 正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。 2 開示決定に基づき行政文書の開示を受ける者は、政令で定めるところによ り、当該開示決定をした行政機関の長に対し、その求める開示の実施の方法 その他の政令で定める事項を申し出なければならない。 3 前項の規定による申出は、第九条第一項に規定する通知があった日から三 十日以内にしなければならない。ただし、当該期間内に当該申出をすることが できないことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。 4 開示決定に基づき行政文書の開示を受けた者は、最初に開示を受けた日か ら三十日以内に限り、行政機関の長に対し、更に開示を受ける旨を申し出るこ とができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 (他の法令による開示の実施との調整) 第十五条 行政機関の長は、他の法令の規定により、何人にも開示請求に係る行 政文書が前条第一項本文に規定する方法と同一の方法で開示することとされてい る場合(開示の期間が定められている場合にあっては、当該期間内に限る。)には、 同項本文の規定にかかわらず、当該行政文書については、当該同一の方法による 開示を行わない。ただし、当該他の法令の規定に一定の場合には開示をしない旨 の定めがあるときは、この限りでない。 2 他の法令の規定に定める開示の方法が縦覧であるときは、当該縦覧を前条 第一項本文の閲覧とみなして、前項の規定を適用する。 (手数料) 第十六条 開示請求をする者又は行政文書の開示を受ける者は、政令で定めると ころにより、それぞれ、実費の範囲内において政令で定める額の開示請求に係る手 数料又は開示の実施に係る手数料を納めなければならない。 2 行政機関の長は、経済的困難その他特別の理由があると認めるときは、政令 で定めるところにより、前項の手数料を減額し、又は免除することができる。 (権限又は事務の委任) 第十七条 行政機関の長は、政令(内閣の所轄の下に置かれる機関及び会計検査 院にあっては、当該機関の命令)で定めるところにより、この章に定める権限又は事 務を当該行政機関の職員に委任することができる。 第三章 不服申立て 第一節 諮問等 (審査会への諮問) 第十八条 開示決定等について行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十 号)による不服申立てがあったときは、当該不服申立てに対する裁決又は決定をす べき行政機関の長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開審査 会(不服申立てに対する裁決又は決定をすべき行政機関の長が会計検査院の長 である場合にあっては、別に法律で定める審査会。第三節において「審査会」と総 称する。)に諮問しなければならない。 一 不服申立てが不適法であり、却下するとき。 二 裁決又は決定で、不服申立てに係る開示決定等(開示請求に係る行政文 書の全部を開示する旨の決定を除く。以下この号及び第二十条において同 じ。)を取り消し又は変更し、当該不服申立てに係る行政文書の全部を開示 することとするとき。ただし、当該開示決定等について反対意見書が提出さ れているときを除く。 (諮問をした旨の通知) 第十九条 前条の規定により諮問をした行政機関の長(以下「諮問庁」という。)は、 次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。 一 不服申立人及び参加人 二 開示請求者(開示請求者が不服申立人又は参加人である場合を除く。) 三 当該不服申立てに係る開示決定等について反対意見書を提出した第三 者(当該第三者が不服申立人又は参加人である場合を除く。) (第三者からの不服申立てを棄却する場合等における手続) 第二十条 第十三条第三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決又は 決定をする場合について準用する。 一 開示決定に対する第三者からの不服申立てを却下し、又は棄却する裁決 又は決定 二 不服申立てに係る開示決定等を変更し、当該開示決定等に係る行政文 書を開示する旨の裁決又は決定(第三者である参加人が当該行政文書の 開示に反対の意思を表示している場合に限る。) 第二節 情報公開審査会 (設置) 第二十一条 第十八条の規定による諮問に応じ不服申立てについて調査審議する ため、総理府に、情報公開審査会を置く。 (組織) 第二十二条 情報公開審査会は、委員九人をもって組織する。 2 委員は、非常勤とする。ただし、そのうち三人以内は、常勤とすることができ る。 (委員) 第二十三条 委員は、優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内 閣総理大臣が任命する。 2 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆 議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大 臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委 員を任命することができる。 3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得な ければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないとき は、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。 4 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任 期間とする。 5 委員は、再任されることができる。 6 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き 続きその職務を行うものとする。 7 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める とき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると 認めるときは、両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。 8 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退い た後も同様とする。 9 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政 治運動をしてはならない。 10 常勤の委員は、在任中、内閣総理大臣の許可がある場合を除き、報酬を得 て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的と する業務を行ってはならない。 11 委員の給与は、別に法律で定める。 (会長) 第二十四条 情報公開審査会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。 2 会長は、会務を総理し、情報公開審査会を代表する。 3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理 する。 (合議体) 第二十五条 情報公開審査会は、その指名する委員三人をもって構成する合議体 で、不服申立てに係る事件について調査審議する。 2 前項の規定にかかわらず、情報公開審査会が定める場合においては、委員 の全員をもって構成する合議体で、不服申立てに係る事件について調査審議 する。 (事務局) 第二十六条 情報公開審査会の事務を処理させるため、情報公開審査会に事務 局を置く。 2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。 3 事務局長は、会長の命を受けて、局務を掌理する。 第三節 審査会の調査審議の手続 (審査会の調査権限) 第二十七条 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、開示決定等に 係る行政文書の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、審査会 に対し、その提示された行政文書の開示を求めることができない。 2 諮問庁は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んで はならない。 3 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、開示決定等に係る行 政文書に記録されている情報の内容を審査会の指定する方法により分類又は 整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。 4 第一項及び前項に定めるもののほか、審査会は、不服申立てに係る事件に 関し、不服申立人、参加人又は諮問庁(以下「不服申立人等」という。)に意見 書又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実を陳述 させ又は鑑定を求めることその他必要な調査をすることができる。 (意見の陳述) 第二十八条 審査会は、不服申立人等から申立てがあったときは、当該不服申立 人等に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、審査会が、その 必要がないと認めるときは、この限りでない。 2 前項本文の場合においては、不服申立人又は参加人は、審査会の許可を 得て、補佐人とともに出頭することができる。 (意見書等の提出) 第二十九条 不服申立人等は、審査会に対し、意見書又は資料を提出することが できる。ただし、審査会が意見書又は資料を提出すべき相当の期間を定めたとき は、その期間内にこれを提出しなければならない。 (委員による調査手続) 第三十条 審査会は、必要があると認めるときは、その指名する委員に、第二十七 条第一項の規定により提示された行政文書を閲覧させ、同条第四項の規定による 調査をさせ、又は第二十八条第一項本文の規定による不服申立人等の意見の陳 述を聴かせることができる。 (提出資料の閲覧) 第三十一条 不服申立人等は、審査会に対し、審査会に提出された意見書又は資 料の閲覧を求めることができる。この場合において、審査会は、第三者の利益を害 するおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧 を拒むことができない。 2 審査会は、前項の規定による閲覧について、日時及び場所を指定することが できる。 (調査審議手続の非公開) 第三十二条 審査会の行う調査審議の手続は、公開しない。 (不服申立ての制限) 第三十三条 この節の規定により審査会又は委員がした処分については、行政不 服審査法による不服申立てをすることができない。 (答申書の送付等) 第三十四条 審査会は、諮問に対する答申をしたときは、答申書の写しを不服申立 人及び参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。 (政令への委任) 第三十五条 この節に定めるもののほか、審査会の調査審議の手続に関し必要な 事項は、政令(第十八条の別に法律で定める審査会にあっては、会計検査院規 則)で定める。 第四章 補則 (行政文書の管理) 第三十六条 行政機関の長は、この法律の適正かつ円滑な運用に資するため、行 政文書を適正に管理するものとする。 2 行政機関の長は、政令で定めるところにより行政文書の管理に関する定めを 設けるとともに、これを一般の閲覧に供しなければならない。 3 前項の政令においては、行政文書の分類、作成、保存及び廃棄に関する 基準その他の行政文書の管理に関する必要な事項について定めるものとす る。 (開示請求をしようとする者に対する情報の提供等) 第三十七条 行政機関の長は、開示請求をしようとする者が容易かつ的確に開示 請求をすることができるよう、当該行政機関が保有する行政文書の特定に資する情 報の提供その他開示請求をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるも のとする。 2 総務庁長官は、この法律の円滑な運用を確保するため、開示請求に関する 総合的な案内所を整備するものとする。 (施行の状況の公表) 第三十八条 総務庁長官は、行政機関の長に対し、この法律の施行の状況につい て報告を求めることができる。 2 総務庁長官は、毎年度、前項の報告を取りまとめ、その概要を公表するものと する。 (行政機関の保有する情報の提供に関する施策の充実) 第三十九条 政府は、その保有する情報の公開の総合的な推進を図るため、行政 機関の保有する情報が適時に、かつ、適切な方法で国民に明らかにされるよう、行 政機関の保有する情報の提供に関する施策の充実に努めるものとする。 (地方公共団体の情報公開) 第四十条 地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開 に関し必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。 (特殊法人の情報公開) 第四十一条 政府は、法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特 別の設立行為をもって設立された法人(総務庁設置法(昭和五十八年法律第七十 九号)第四条第十一号の規定の適用を受けない法人を除く。以下この条において 「特殊法人」という。) について、その性格及び業務内容に応じ、特殊法人の保有す る情報の開示及び提供が推進されるよう、情報の公開に関する法制上の措置その 他の必要な措置を講ずるものとする。 (政令への委任) 第四十二条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、 政令で定める。 (罰則) 第四十三条 第二十三条第八項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下 の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。 附 則 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める 日から施行する。ただし、第二十三条第一項中両議院の同意を得ることに関する部 分及び第三十九条から第四十一条までの規定は、公布の日から施行する。 理 由 行政改革委員会の内閣総理大臣に対する平成八年十二月十六日付け情報公開 法制の確立に関する意見にかんがみ、行政機関の保有する情報の一層の公開を 図るため、何人も行政機関の長に対し行政文書の開示を請求することができる権利 について定めるとともに、開示決定等に対する不服申立てについて行政機関の長 の諮問に応じて調査審議を行う情報公開審査会を置くこと等の措置を講ずる必要 がある。これが、この法律案を提出する理由である。ご意見をメールでお送り下さい。 E-mail:atsushi_hisano@hotmail.com
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