(1998年11月23日)
インターネット上には、大量の情報が掲載されている。その中には、自分で生の事実を確認した上で掲載したものもあるが、他人の掲載している情報を引用したものや、自分なりの解釈で要約したものもある。
情報があふれてくると、生の具体的な情報よりも、要約した情報の方が取り扱い易いので、そのような情報の方が流通し易くなる。しかし、要約や引用の場面で必ず、誤解や重要な事項の掲載漏れなどが生じてくる。このような欠陥のある情報であっても、大量に流通していくと、流通量がパワーを持ってきて、世論を形成していく。
インターネットでは、ホームページに掲載された情報は、このバーチャル世界にストックされたストック情報となる。従来のストック情報は、書棚や書庫やデータベースの片隅に埋もれている事が多かった。しかし、インターネットでのストック情報は、適切なキーワードや強力なハイパーリンクが張られていると、フロー能力も持つことになる。従って、インターネットのホームページに掲載されたストック情報の世論形成能力がテレビ放映や新聞の記事のようなフロー情報の世論形成能力よりもよりも高くなる時代が来る。この時、重要なことは、正確な情報にアクセスして、正しく判断することである。
そのためには、情報の原典がインターネット上にあるものならば、それを引用する側はできるだけ、原典の掲載されているURLを記載するべきである。この時に問題となるのは、原典が掲載されているURLが、維持されなくなる場合があるということである。それへの対処方法としては、インターネット上に電子図書館を設けるという策がある。
電子図書館は、インターネット上にホームページを開き、有料で電子化された著作物やデータを登録する。登録費用は、登録する著作物やデータの容量に比例した実費とする。この登録により、登録者や登録日が確定するので、著作権紛争が生じた場合には登録者に有利になる。また、この電子図書館と契約しているプロバイダーに登録しているユーザであれば、無量で電子図書館のあらゆる情報をアクセスできる事にする。そうすると、電子図書館にはプロバイダーからの収入も見込める。電子図書館に情報を登録した者は、アクセス数にに応じた報酬を得るようにする。このようにする事で、電子図書館は情報の原典を保持する永続性のあるホームページとなる。
このような電子図書館ができる事で、インターネット上での情報の流通の過程で生じる情報の歪みなどが是正できる。
インターネット上に電子図書館を設ける必要がある。
ご意見をメールでお送り下さい。 E-mail:atsushi_hisano@hotmail.com
ホームページへ