大蔵省は政治の制御を受けずに暴走している事の実態を示す情報


1.政務次官に関する実態調査結果

1998年3月に「政務次官に関する実態調査結果」が発表された。この調査は、自民党の太田誠一議員を中心に行われたと伝えられている。

この実態調査結果では、次の5つの事項について各省庁の回答が掲載された。
1)政務次官が出席する全庁的会議が年4回以上あるか?
2)大臣までの決裁は必ず政務次官を通すか?
3)政務次官が代理決裁することになっているか?
4)府省令決裁はすべて大臣まであげているか?
5)本省課長職以上の人事案件を大臣・政務次官に上げるか?

大蔵省のみが、全項目についてNOであった。

運輸省は、2)の項目のみYESであった。
厚生省は、5)の項目のみYESであった。

大蔵省は、政策も人事も勝手に実行しているようである。民主主義とは何かがまったく理解できていない。彼らは、法学部出身者が多いはずなのに、何を大学で学んできたのか?


2.大臣の権限を空洞化させる「専決事項」の大蔵省での実態


1999年2月19日号「週間ポスト」の34ページに次の趣旨の記載がある。

1)大臣の行政権限の大半が事務次官以下の官僚に委譲されている。
2)官僚に委譲されている権限の内容を規定しているのが「専決事項」である。
3)「専決事項」は、大蔵省では5センチくらいの厚みの文書として規定している。
4)「専決事項」の法的根拠は、各省庁の設置法にある文書管理規則に基づく各省の訓令である。
5)「専決事項」は、本来は大臣の交代のたびに見直されねばならないが、実際には政治家は専決事項の仕組みさえ知らない。
6)大臣は自分の名前でどの権限が行使され、許認可を出したのかも知らない。
7)国会では政府委員が答弁し、役所では官僚が専決権を握っているので、大臣の権限は専決事項で空洞化している。大臣は、閣議で花押を押す程度の仕事しかない。
8)国家行政組織法に「副大臣、政務官に決裁権を与える」という一条が加えられると、専決事項は有名無実化し、官僚の聖域はとどまることを知らず荒らされる。



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