国会議員は自分が当選した事のある選挙区から再立候補できないように、選挙制度を改正せよ。


【背景説明】
最近の国会議員には二世議員、三世議員、四世議員まで生じつつある。まるで、議員という身分を世襲の家業のようにしている一族が形成され、さらには、政界、官界、経済界、学会の中に蜘蛛の巣のように、閨閥が張り巡らされている。本来は、議員は主権者である国民の民意を代弁するために、選挙の時には選挙公約を掲げて、その是非を有権者に問うものである。しかし、選挙区には土建業者や農業団体を中心とした集票組織が、利権の分配と地縁・血縁を接着剤として確固として存在している。この状況は、小選挙区制度が導入されたことにより、今まで以上に強化されている。あたかも、小選挙区での国会議員は封建領主のように、その組織を維持している。

このような事態の結果、国会議員には自分も一市民であるとの意識よりも、選挙区を統治する領主のような意識が芽生えてくるようになり、「国民主権」理念も忘れてしまうことになる。そして、国民の基本的人権や、国民が主権者としての権利を政治に反映させる事の重要性を実感しなくなる。
現在、国会議員の選挙においては、選挙区の集票組織を固めることや、様々な団体と選挙協力をすることが重要であり、選挙公約は、当選をするかどうかには、ほとんど影響を及ぼさなくなってきた。そのためもあり、選挙の時の公約を平気で国会議員は破っている。選挙公約とは逆の事を当選後に行なって、平気な議員も多い。(例:自民党政治を打破すると主張して当選した後で、自民党に入党してみたり、自民党と連立政権を組んでみたりする。)

このような事態の原因は、国会議員が選挙区にあまりにも強大な固定した基盤を
築くことを容認する選挙制度にあると考える。

【提言】
1.「国会議員は、自分がかつて国会議員に当選したことのある選挙区では、再立候補をしてはならない。」との規定を公職選挙法に設ける。
2.選挙区を変更することによる国会議員の負担を軽減するために、国会議員への歳費を大幅に増額するとともに、公費で維持できる政策秘書を増員する。さらに、有権者との情報交換を活発化するために、国会議員や立候補者がホームページを簡単に持てるようなサービスを受ける時の費用を国が負担する。

【効果】
1.国会議員は多くの選挙区を当選毎に巡回する「巡回型議員」となるのである。この結果、地元への利益誘導により当選を果たすことが困難になるとともに、国政レベルでのきちんとした政策を選挙公約として表明し、当選後にその実現に努力する事が重要となる。
2.封建領主のように選挙区に地盤を築き、一般市民とはかけ離れた存在となる者はほとんどいなくなり、新しく政治家になろうとする者にも、その道が開かれる。
3.国会の場での政策努力や自分の政策を多くの有権者に知ってもらう事が、国会議員にとって不可欠の事になるので、安いコストで多くの人に情報を発信できるインターネットを、政治にも活用しようという動きを、国会議員が真剣に考えるようになる。これから、ネットワーク型の民主主義が勃興するようになる。


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