ピカイア
- Pikaia gracilens -
脊索(せきさく)動物門
体長:3〜4センチメートル
槍の穂先のような形をしており、平べったい体を左右にうねらせて泳いでいました。
筋肉のつき方が、環形動物などのようなただの輪ではなく、アイスクリームのコーンを重ねたようになっています。これが、体の表面に山形の模様となって表われています。このような筋肉の並び方は「筋節(きんせつ)」とよばれ、脊索動物の特徴と考えられています。また、体の上の方を走っ ている棒が脊索(せきさく)と呼ばれるもので、筋肉が伸び縮みするときのつっかえ棒のような働きをしています。この脊索が進化して、背骨を含めた骨格になったと考えられています。
人間やイヌ・ネコ、鳥、魚、トカゲ、カエルなど、骨を持つ動物を脊椎(せきつい)動物といいます。そして、脊椎動物はピカイアを含む脊索動物門から進化したと考えられています。つまり、カンブリア紀に生きていた私たち人間の親戚が、ピカイアなのです。あるいは、ピカイアは私たちの直接の先祖かもしれません。もしかしたら、写真の化石となったピカイアが、何億、何十億という世代をさかのぼった、あなたの遠い遠い直接の先祖なのかもしれない−と、空想を膨らませて化石を見ると、とても面白いですね。