酸化還元反応(ox.-red. reaction)
私たちのまわりにあるものは、原子という粒からできています。原子にはたくさんの種類がありますが、そのいくつかの種類の原子がくっついて、分子というもう少し大きな粒を作っています。そして、紙や空気などは分子からできています。たとえば、酸素は酸素の原子が2つくっつくことで、酸素の分子になっています。また、水は、酸素の原子1つと、水素の原子2つがくっつくことで、水の分子になっています。そして、原子や分子には、電子という電気をおびた小さな小さな粒が入っていて、それをほかの原子や、分子とのあいだで、あげたりもらったりすることができます。そして、あまり電子がほしくない原子や分子が、もっと電子をほしい原子や分子へと電子をわたすとき、熱や光が発生します。じつは、これが「燃える」ということなのです。
酸素の原子はほかの原子よりも電子をほしがります。ですから、紙やコメの中にある分子から電子をとってしまいます。このとき、紙やコメの中の分子から、電子といっしょに炭素や水素の原子もいっしょに持っていきます。そして、炭素や水素は酸素とくっついて、二酸化炭素や水の分子になるのです。このとき、二酸化炭素や水の分子の中では、酸素の原子が炭素や水素から電子をいつもひっぱっていて、半分自分のものにしてしまいます。それで、酸素は満足しているのです。前より半分電子が多いのですから。でも、炭素や水素は酸素ほど電子がほしくないといっても、1個まるまるあげてしまうほどいらないわけではありません。それで、酸素の原子があんまり電子を引っ張りすぎると、逆に電子を引っ張り返します。じつは、こうして電子をひっぱりあうことで、原子はくっつき、分子になっているのです。
どんな生物も、食べ物をゆっくりと燃やすことで生きています。燃やすということは、あまり電子がほしくない分子から、電子をもっとほしい分子へと電子を渡すということでした。
電子のあまりほしくない分子 −−(電子)−→ 電子をもっとほしい分子
という風に電子を渡していくことで、エネルギーを取り出し、体を温めたり、運動したり、といった生命活動をおこなっているのです。私たち人間にとって、電子をもっとほしい分子は空気(酸素)です。ですから、酸素がないと、エネルギーを取り出すことができなくなり、生きていくことができません。