地震で地下を探る

地震がおこると地下の深いところにある岩石がゆれ、それがものすごい速さでまわりに伝わっていきます。ゆれはすべての方向に向かってまっすぐ広がっていきますが、地下にある岩石の重さや硬さがかわると曲がったり、はね返されたりします。このために、地震のゆれは地球の表面を伝わるだけでなく、少し遅れて地下から戻ってくることがあります。このため地震のもとから遠くはなれたところでは、地面を伝わってきたゆれと、地下からはね返ってきたゆれを別々に感じることができます。
さらに、一つの地震をたくさんの場所ではかり、そのずれを計算することで、地下のどれくらい深いところでゆれがはね返されたり、曲げられたりしたかを知ることができるのです。さらに地下のどこでゆれの伝わるのが早く、どこで遅いかを知ることができます。ゆれが伝わる速さは、岩石がかたいほど、また重いほど速くなります。岩石は熱いほど柔らかく軽くなるので、地下のどこでゆれが早く伝わり、どこでゆっくりになるかが分かれば、地下の深いところの岩石の温度を知ることができます。最近ではこうした方法によって、マントル全体のなかのどこが熱く、どこが冷たいかを知ることができるようになりました。