超高圧実験


 

 マントルは地下深くにあり、上に重い岩があるために圧力がとても高くなっている。じつに何万から何十万気圧という高圧の世界だ。われわれのすむ地表は1気圧。水にもぐってもせいぜい10気圧が限界。だから、いくら地表の石をながめていても、地下深くのことは分からない。

 いったい地球の中ではどんなことが起きているのだろうか?そのなぞに答えるためには、ものすごい圧力をかけて岩の性質がどのように変わるのかを調べなければならない。岩のカケラをまわりからギューっと押しつけるのだ。最近になって、装置の先にもっとも硬い物質で知られる「ダイヤモンド」を使うことができるようになり、いままでよりもはるかに高い圧力で実験できるようになった。そして、数百から数千キロの深さにあるマントルの密度やかたさ、とけ出す温度などがはかられている。