シダ植物から裸子植物へ


 

 の中から陸に上るのは、たいへんです。水の中にいれば、どこにでも水があり、ゆらゆらとゆれていれば、大きく成長することができます。でも、陸に上がるためには、重力にさからって体をささえ、体中に水をまわすための硬い管や、水分の蒸発をふせぐ厚いかべ、そして呼吸をするための穴などが必要でした。このような性質をそなえて最初に陸に上った植物は、現在のシダ植物に似た植物だったと考えられています。シダ植物は、水辺の湿ったところで大きく成長し、森をつくったのです。

 かし、シダ植物は水がたくさんないと増えることができませんでした。シダのオスからでた精子が、メスの卵細胞のところまで泳ぐためには、シダの表面を水がおおっていなくてはならないからです。このためにシダ植物は、水辺から遠い、かわいた土地に入っていくことはできませんでした。

 ダ植物が入り込めなかったかわいた土地に進出したのは、種をつける植物、「裸子(らし)植物」でした。裸子植物は精子を花粉の中に入れ、水がなくても風で花粉を飛ばすことで、精子を卵細胞へと届けることができるようにしました。さらに種をつくることで、かわいたところでも雨が降るまで耐えることができるようにしたのです。こうして裸子植物は今まで誰も入り込めなかった、水辺から遠い、かわいた土地に入りこみ、巨大な森をつくったのです(→珪化木)。