届けられた一通の詩 

 友達が詩を書くので、「Del にも書いて」って頼んだ。
最近少し、まわりで哀しい恋の話が多かったので、
らぶらぶなの、頼むよ〜ってRequestして。

届いた詩がとても綺麗だったので、
Del のWeb Pageに載せてもいい?って訊いたら
載せてもいいよって言ってくれたので、ここに載せるね。


もっと楽に生きていいんだよ、と
あなたは言ってくれた。
あのとき、傘の下で震えながら、
でも、確かに僕たちは海を眺めていた。

どこか遠い国で殺し合いがあって、
僕たちの住んでいる町で人殺しがあって、
世界には、何億人も飢えた人々がいて、
でも、僕たちは、傘の下寄り添いつづけるだろう。

愛は世界を救うんだってさ。
僕がいった。
わたしたちが先に救われましょ。
あなたは、言った。

何人もの記憶がお互いの身体と精神をとおりぬけて、
罪の水面をわたる風は、あなたの前髪を巻き上げて、
過去と未来が僕たちとは関係ない場所でいれかわって、
でも、僕たちは、身体をよせて、眺めつづけるだろう。

眺めつづけよう。

だから。

世界が終わるまでは、ずっと隣にいてほしい。
世界の重みを支えきれるほど、僕の肩は強くない。
世界の寒さに耐えられるほど、あなたの肌は強くはない。


イメージは、全体にモノクローム。
霞んだような霧雨の中って感じ。
そして、傘だけが赤。
そんな映像が心に浮かぶ。
(企業の広告などでよく使われる手法だけれども(笑))

友達は「唇だけが紅もいいね」といった。

そだね。
そういうのもいいかもしんない。

Del には書くことが出来ない綺麗な詩をありがとう。
願わくばこんな風に、
恋人同士の二人が、そっと寄り添っていられますように。

April 26, 1999