7年間の空白を・・・<Chapter1>

 

 祐一が帰ってきた。
 七年ぶりに帰ってきた。
 嬉しい……
 大好きな人だから、
 忘れられない人だったから……

 送られてきた祐一の荷物を、祐一と整理することになった。
 私は荷物を運ぶことなんてできないから、祐一一人で二階に荷物を運んだ。
 祐一は変わっていないと思ったけど……変わったね。
 強くなった。
 男らしくなった…っていうのかな?
「ちょっと休憩……」
 疲れて祐一は床に座り込んだ。
 私も床に座る。
「不思議だよね……」
 そう、ふしぎだ…
「なにが……?」
 祐一は不思議そうだった。
 覚えていないのか、それとも気にしてないのか…それは私にはわからなかった。
「祐一が、今私の目の前にいることが、だよ」
 七年前祐一は私を拒絶して…私はてっきり嫌われたものだと思ってた。
 もう会えないと思っていた。
 でも今ここに祐一はいる。
 私と話している。
 私を拒絶したはずなのに……
「そうか?」
「うん」
 祐一は忘れたの? それとも…私に気を使っているの?
「…まぁ、今回のことは急に決まったからな」
「それもあるけど、でもちょっと違うよ」
 そう、違う。
 祐一がいてくれて私は嬉しい…
 でも、これはとても不思議なこと。
 祐一は私を拒絶したのに、ここにいる。
「だって、一度も連絡がなかったから。祐一がこの街からいなくなってから」
 そう、だから私は嫌われたのだと思っていた。
 でも、ここにいるのは祐一。優しくてでも意地悪な祐一。
「わたしは、ちゃんと書いたよ」
 手紙を書いて返事がなかったから…嫌われたと思ってた……
 拒絶されたのだと……
 でも祐一と今こうして話している。
 届いていなかったのかと考えた。
 でも祐一はちゃんと手紙を読んでいた。
 読んでくれていた…
 返事はなくても、私の手紙を読んでくれた…私を受け入れてくれていたことが嬉しかった。
 だから、安心した。
 祐一は私のことを嫌いになっていない。
 それが嬉しかった。
 でも…祐一はあのことを……私を拒絶したことを忘れてしまっているように思えた。
 祐一、もし思い出しても、このままでいてくれる?
 私は、ちゃんと思い出して欲しい。
 あのことを……
 そして、そのときもう一度言いたい。
 祐一のこと好きなんだよって……

                   
to be continued...

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