7年間の空白を・・・<Chapter12>
みんなが寝静まった後……
わたしはこっそりと台所に立った。
祐一の為にお弁当を作る……その下ごしらえだ。
「何作ろうかな?」
何を作ったら祐一は喜んでくれるかな?
トントントントン……
誰かが降りてくる。
急いでわたしは身を隠した。
祐一とかに見られたら恥ずかしい……
入ってきたのはあの子だった……
「みてなさいよう……」
冷蔵庫の中から何かを取り出すとあの子は行ってしまった。
「ふう……」
危ない危ない……
「何作ろうかな……」
冷蔵庫の中を見る。
作ろうと思えば何でも作れそうだった……
「そうなると余計に悩むよ……」
食卓に座って何を作ろうかと考える。
何がいいかな?
何が喜んでもらえるかな?
ねえ…祐一……………
突然、地震が起こった。
あたりは真っ暗で………
「うー…地震…だおー…」
しばらくすると揺れはおさまった。
と、今度は鼻がむずむずしてくる。
「くちゅん!」
くしゃみが出る。
「クチュン!」
目を開けると……そこは食卓だった。
祐一もお母さんもいた……
朝だった。
朝は……
「おはようございます…」
朝ご飯食べなきゃ……
イチゴジャムをトーストに塗って……
「くー…イチゴジャムおいしい…」
いつもと同じ、甘くておいしいイチゴジャム」
「くー…お腹いっぱい…」
「よし、腹一杯だったら問題ない。学校に行くぞ」
「うん…」
「というわけで、このまま連れていきます」
「お願いしますね、祐一さん」
「いってきますー…」
さあ、学校に行かなくちゃ……
「よし、時間はまだある。行くぞ、名雪」
「くー」
「って、名雪まだパジャマじゃないか!」
「うん…」
「とにかく着替えろっ!」
「うん…」
そうだ…着替えないと……
ぼかっ!
「部屋で着替えてこいっ!」
「…部屋」
そこの部屋で着替えよう。
ぼかっ!
「そこは部屋だけど服を着替えられるような場所じゃないだろ…」
「とにかく、自分の部屋で着替えてこい!」
「…自分の部屋」
そうだね、自分の部屋で着替えないと……
すぐに着替えて下に降りる。
ぼかっ!
「制服だっ!」
「…制服」
制服に着替えなおして下に降りる。
「よし。今度は上出来だ」
突然、体に冷気が降り注ぐ。
「わっ」
びっくりして目を開けると……
「…気がついたら家の外…?」
家の外だった。
さっきまでどんなお弁当を作るのか考えてたはずなのに……
「ちゃんと制服も着てるし…」
どう考えてもおかしい。
「そんなことより、急がないと遅刻だぞ」
「でも、お腹はすいてる…」
「そんなことないぞ。ちゃんと朝は食べただろ?」
「え?」
「イチゴジャムをうまそうに食ってただろ」
「…そう言えば、食べたような」
「だったら問題なしだ」
「うー…」
でもやっぱりお腹はすいてるよ……
「わたし、髪の毛ぼさぼさ〜」
どうも記憶が曖昧だ……
どうなってるんだろう?
土曜日の授業は4時間だからすぐに終わる。
「ふ〜、1週間終わった」
横で祐一が伸びをしている。
「お疲れさま」
「とりあえず、風呂」
「ここ、学校…」
「だったら、メシ」
「わたしに言われても…」
「ノリが悪いぞ、名雪」
「そんなこと言われても、わたし困るよ…」
「こんなことでは、立派な社会人にはなれないぞ」
「祐一、言ってることが無茶苦茶だよ」
「まぁ、冗談はいいとして…。名雪、今日も部活か?」
「うん。今日は帰るのも夜遅くなると思う」
「しかし、大変だな」
「うーん…ちょっとだけ大変かな」
「とっとと辞めてしまったらいいのに」
「わっ。辞めるなんて考えたこともないよ」
「俺なら5秒で辞めるな」
「それは、早すぎ」
「しかし、よく続けられるな」
「頑張ってるもん」
「もしかして、何か弱みでも握られてるのか?」
「ないよ、そんなもの」
ただね…わたしは何も出来ない自分が嫌んだけなんだよ……
何も出来ないんじゃあ…祐一に好きになってもらえないと思ったから。
「どっちにしろ、俺には絶対にまねできないな」
「そんなことないと思うよ。祐一ならできるよ」
だって、祐一はわたしの好きな人だから……
to be
continued...
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お久しぶりです〜
やっと再開です。
うーん……終わらない……
頑張れ名雪! そして俺!
では、ばーははーい!
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