祐一は誰のもの? VOL.5
注)1 ネタばれはないです。
2 時間的に栞ハッピーエンド後になっているはずです(^^;;
〜水瀬家〜
栞とのデートを終え、にこやかに帰ってくる祐一。
祐一「ただいまかえりました〜」
迎えるのは”3人”の女性。
秋子「おかえりなさい、祐一さん」
名雪「おかえりっ、祐一」
香里「おかえりなさい、相沢君」
しばし動かなくなる祐一。
そして呟く
祐一「どうして美坂がここにいる・・・」
それが聞こえたらしい香里は、
香里「さて、どうしてでしょうね?」
とすこし意地悪に言う。
理由は・・・・・
祐一「遊びに来たのか?」
香里「それもあるけど少し違うわね」
つい昨日にあんな事があって”遊びに来る”というのはちょっと違うだろう。
すこし思案しまた呟く、
祐一「まさか・・・泊まりに来たのか?」
それを聞いて、
香里「正解」
楽しそうに、そして、嬉しそうに言う。
祐一「親御さんは良いって言ったのか?」
香里「私のお父さんもお母さんもとっても”聞き分け”の良い人だから」
一瞬恐ろしいほどに妖しげな笑みを浮かべ言う。
秋子「さあ、全員そろったことですし、そろそろお夕飯にしましょうか?」
名雪「そうだね〜」
香里「そうですね、手伝います秋子さん」
女性3人はリビングへ向かう。玄関で立ちつくす祐一。
名雪「ゆういち〜、早くおいでよ〜」
そう言われて、リビングに向かう祐一。
そして、電話が鳴る。
秋子「祐一さん、すみませんが電話に出ていただけませんか?」
女性3人は、キッチンで夕飯を作っているのでまあ当然といえば当然である。
祐一「はい、水瀬です」
栞 「ゆっ祐一さんですか?栞です」
祐一「ああ、どうした?」
栞 「そっちにお姉ちゃんいてませんか?」
祐一「なぜか泊まりに来てる」
栞 「・・・やっぱり・・今からそちらへ行きます!」
悲鳴のような声で言う栞。
祐一「まあ・・秋子さんのことだから一発了承だろうけど・・いいのか?」
栞 「なにがですか?」
祐一「いや・・親御さんのほうだよ」
栞 「心配ありません、ちゃんと睡眠薬・・・・じゃなかった・・・とにかく大丈夫です!」
祐一「・・・・なあ栞・・・睡眠薬って・・・・」
栞 「睡眠薬で親を眠らせるなんてことはしてません!!じゃあ今からいきますので、よろしくお願いします!!」
祐一「ああ・・・」
かちゃ・・・つーつーつー
祐一「切れた・・」
この調子だと、すぐにもこちらに着くだろう・・・
受話器を置き、キッチンへ向かう祐一
秋子さんは鍋を見てかき混ぜたりしており、香里は野菜を切っていて名雪はお皿を並べている。3人とも集中してやっているようだ。
秋子「祐一さん電話は誰からだったんですか?」
祐一「あっ・・はい、栞からでした。それで、こっちに泊まらせてくれないかって・・・」
秋子「了承」
バキッ!
パリン!
1回目の音は・・・まな板が割れる音
2回目の音は・・・お皿がにぎりつぶされる音
そして聞こえてくる呟き
香里「なかなかやるわね栞・・私のトラップをすべてかわすなんて」
名雪「そんな・・・私の”けろぴーXXX(改)”を倒したって言うの?」
2人とも動揺からかしばらく動きが止まる。
祐一「香里・・まな板がまっぷたつになってるぞ?」
秋子「名雪、お皿を握り砕いてなにをするの?」
そう言われ、正気に返る2人
名雪「あははは・・・なんでもないよ、ちょっと力が入っちゃって。代わりのお皿出すね?」
ちなみに、名雪の手は無傷
香里「あら?ちょっと力が入りすぎたみたいね・・すみません、後で弁償します・・・」
秋子「いえいえ、かまわないですよ、こんなこともあろうかと予備を買ってありますから・・」
香里「はい、どうもすみませんでした」
しゅんとなる香里。
祐一「2人とも・・どこからそんな怪力・・・」
気づくと、祐一をにらんでいる香里と名雪、その視線が・・
香里「1回あの世見てくる?」
名雪「長生きしたいでしょう?」
といっているように見えるらしく、声が出せなくなる祐一
そこに、何気ない一言
秋子「”恋”というのはそう言うものですよ」
一同沈黙・・・そして
祐一「あははは・・・そっそうかもしれませんね」
とりあえず、秋子さんに合わせておく祐一
香里「・・・・」
名雪「・・・・」
なぜか押し黙る2人
秋子「さて、できあがりましたし、頂きましょうか?」
香里「・・・そうですね」
名雪「・・・うん」
祐一「・・・誰か助けてくれ・・・・」
誰に言うともなくつぶやく、
そして・・・
ピンポーン・・・
水瀬家の玄関のベルが鳴る。
それは、争奪戦のゴングの様に・・・・
あるいは死の宣告のように・・・・
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