1.山歩き再開 ここ数年、機会があれば摩耶山、六甲山に登ってきました。最初は、年を重ねて体力や足腰に衰えが見えてきた状況のなかで自分の残存能力を確かめるつもりで、かつて若い時分に親しんだ山道を歩くことから始めました。 神戸市街の中心地に近いポートアイランドに住んでいることもあり、手近な新神戸駅裏の布引登山道から市が原、天狗道をたどり摩耶山に至るコースを定番としながら、下る道をその時の天候、季節、体調・気分に応じて青谷道、上野道、山寺尾根道、カスケードバレイ、長峰尾根道といった近距離から、桜谷道、徳川道、シェール道をトエンティクロス経由で市が原、布引と下る少し距離のあるコースをとることもありました。時には、有馬、宝塚まで頑張ることもあります。 2.自然再発見 春夏秋冬それぞれの装いを変えながら、道行く私にも挨拶を送っているように思えてきたのです。様々な姿を表現しながら親愛の情を示しているのに、私は名前さえも知らずにただ一瞥するだけで通り過ぎるだけ、何故か申し訳なさを覚えました。長く人生を生きてきたが殆どの樹木や花の名前すら知らず、まして彼らの豊かな営みをしるよしもありません。 それからは、山道を歩きながら周囲の自然を観察するようになり、ハンドブックやデジタルカメラが必携の持ち物になりました。自宅には樹木に関する書籍が増えてきました。道草ばかりで目的地まで極端に時間がかかるようにもなりました。 3.自分自身の成長の記録-ホームページ 1年ほど前からホームページを開設し、登山記録などを掲載しています。なかなか整理しきれないなかでアップしてきましたが、振り返ってみると内容が登山記録から樹木紹介的なものに変化していることに気が付きます。 最初は、コースの紹介などを試みていたものですが、自分自身の興味が変わっていったことを反映して最近は樹木や花の登場が多くなっています。登山記録が私の成長過程の記録でもあります。どこまで成長できるのか、楽しみにしてこれからも山登りにチャレンジしていきたいと思います。 |
徳川道 そんな繰り返しをしているうちに、摩耶・六甲の主だった登山コースを踏破してみたい気持ちになり毎週、時には土・日連続で挑戦しました。これまで知らなかった景観や緊張の谷筋など感動するところも多いでした。 走破したコースを地図に塗りつぶしていくうちに地図に記されたコースで走破してないコースが殆どなくなったころ、私の関心は新たなものに向けられ始めていました。歩くことだけを目的にしていた自分が何時しか周囲の自然に目がいきだしたのです。それは、いつも何気なく通り過ぎていた登山道沿いに生えている樹木や草花たちでした。 単葉・複葉、鋸歯・全縁、互生・対生、葉の厚さ・光沢、毛の有無、幹の様子など、人間と同じでそれぞれ個性を持っています。特徴を把握するため観察するポイントが多くなるほど樹木との対話には時間がかかります。 しかし、不思議なものでこちらがその気になって関心をもって臨んでいると知り合いはどんどん増えていくものです。こうなると山行きが無性に楽しくなります。今日はどんな木々たちと巡りあえるのか、リュックに図鑑類を詰め込んでまた山に登るのです。 (このページの花は六甲山高山植物園で撮影) |