私の勤務する市民病院の医療情報部では、毎年2回、医療情報分野で活躍されておられる方々をお招きして講演会を開催しています。昨年度は、電子カルテをテーマとして積極的に推進する立場の方と、安易な電子カルテ化に問題提起される方をそれぞれお招きしてお話を伺いました。数年先に病院の建替えを控え、IT化を図ろうとしている当院にとって大いに参考となりました。 今日は、鹿児島大学医学部付属病院医療情報部の宇都由美子先生をお招きしました。遠方にもかかわらず快く講演を引き受けていただきました。先生は医療情報部副部長兼助教授をされながら日本医療情報学会理事・看護部会長の要職にもあり、本年からは大学発ベンチャー「かごしま医療ITセンター」を立ち上げ、その社長としての活動もされておられます。 今回のテーマは「安心で質の高い医療や看護を提供するために~病院IT化の目指すところ~」です。国の進める医療制度改革によって病院の経営環境はますます厳しくなってきています。また医療事故など医療には大きなリスクが伴っています。 大いに盛り上がった『悩み事相談会』(三宮) |
医療情報講演会(病院内大会議室) 医療の質的向上を図るためには情報の共有化も必要です。先生は、いわゆる電子カルテを導入せずに患者記録のシステム化を図るといる鹿児島大学方式を通じて、医療従事者が患者情報を共有し、安全で質の高い医療や看護の提供こそ病院IT化の目指すところであると示され、「共有できなければ情報としての価値もない」と強調されておられました。お話の内容は、当院が直面している諸問題の解決にヒントとなる面が少なくありませんでした。 講演会は午後8時前に盛況のうちに終了。折角の機会であるので先生にお願いして場所を三宮に移し、食事会をしながらの懇談の場を持っていただきました。看護部中心のメンバーでしたが、同じ看護職の立場で「悩み事相談」にものっていただき充実した意見交換会となりました。 |
Posted by Kenji Kato
at 12:01 AM KDT