フロンティアが摘発された1999年当時の新聞記事です。住所の明細は省略、人名は仮名にしています。
●読売新聞 1999年2月16日 東京夕刊
わいせつ写真をネットで見せ、3700万円稼ぐ 3人を逮捕/埼玉県警
伝言サービスで「モデル募集」し、次々に撮影
伝言サービスなどを利用して撮影した少女らのわいせつ画像を、開設したインターネットのホームページで会員らに有料で閲覧させていたとして、埼玉県警少年課と川越署は十六日、東京都世田谷区、会社役員S容疑者(40)、同県川口市、会社員N被告(37)=児童福祉法違反罪(有害目的支配)で起訴済み=ら三人をわいせつ図画公然陳列の疑いで逮捕した。
調べでは、三人は、同県内の女子高生(17)らをモデルにしたわいせつ画像約九十点を、インターネットに開設したホームページ「フロンティア」のホストコンピューターのハードディスクに記憶させ、一昨年三月から七月にかけ、不特定多数の会員に閲覧させた疑い。
これまでの調べでは、N被告は、伝言サービスに電話をかけてきた女性に「撮影料を払うので、写真のモデルになってほしい」などと持ちかけ、女性をホテルに連れ込むなどして、九五年末ごろから昨年六月までの二年半の間に、十八歳未満の少女四十六人を含む百九十八人の女性のわいせつ写真を撮影、同ホームページを開設するS容疑者に売り渡し、約六百万円を売り上げていた。
また、S容疑者は九六年七月ごろに同ホームページを開設、四十三都道府県の計八百人にのぼる会員から入会金五千円、会費一万円(二か月)などを徴収し、昨年八月までに計三千七百万円を売り上げたという。
●朝日新聞 1999年2月16日 東京夕刊
少女ら200人がネット被害 わいせつ画流す 3容疑者逮捕
東京都内の会社員グループが、高校生や若い女性のわいせつ写真を撮影し、無断でパソコン通信のネット上に流していた疑いが強まり、埼玉県警少年課は十六日、東京都世田谷区、電話代行会社社長S容疑者(四〇)ら三人を、児童福祉法違反(有害目的の支配)やわいせつ図画公然陳列などの疑いで逮捕した。被害を受けたとみられる女性は都内を中心に約二百人おり、同課は高校生を含む少女約五十人から事情を聴いた。
有害情報がはんらんし、規制のあり方が問題となっているネット犯罪に対し、少年保護の観点から児童福祉法が適用されるのは全国でも初めて。
ほかに逮捕されたのは埼玉県川口市、会社員N(三七)、東京都足立区、会社員U(四三)の両容疑者。
これまでの調べによると、三人は一九九六年七月、パソコン通信ネット「フロンティア」を開設。同年六月、東京・池袋の繁華街で声をかけた埼玉県の高校三年女子(当時一七)を近くのホテルに連れ込み、性交渉を迫った上、その様子を撮影した写真をネットに流し、不特定の会員に見せた疑い。五万円の報酬を渡したが、ネット掲載は伝えなかった。
N容疑者は昨年六月までの間に、東京都新宿区や渋谷区などの繁華街や伝言ダイヤル、テレホンクラブを通じて高校生や大学生、OLなど約二百人の若い女性と知り合い、一万五千円から五万円の報酬で性交渉や撮影を繰り返していた。
グループは、都内のマンションに事務所を設け、本業の会社員のかたわらで、仕事後や休日に「副業」を繰り返した。電子メールで「この前の女の子はよかった。次も期待します」などと情報交換をしていた。
「フロンティア」は成人用のパソコン雑誌にも「上質の素人撮りネット」などと紹介され、マニア間で広がりをみせた。会員は全国四十三都府県に約千人おり、千五百円から三千円の月会費で写真を提供、約四千万円以上の利益を得ていた。
●毎日新聞 1999年2月17日 東京朝刊
女子高生のわいせつ画像 インターネットに198人分 3人逮捕−−埼玉県警
伝言サービスなどで知り合った女子高校生ら198人のわいせつな画像を、パソコン通信のネット上で全国の男性約800人に閲覧させていたとして、埼玉県警少年課と川越署は16日までに、同県川口市、会社員、N容疑者(37)を児童福祉法違反(有害目的支配)とわいせつ図画公然陳列容疑で、▽東京都世田谷区、電話代行業、S(40)、▽足立区、会社員、U(43)の両容疑者を同陳列容疑で逮捕した。ネットに掲載する目的で少女の画像を撮影した行為に児童福祉法を適用したのは珍しい。
調べでは、N容疑者は1996年6月2日夜、伝言サービスで知り合った少女(17)を東京都豊島区のホテルに誘い、わいせつな場面を撮影した疑い。3人は、こうした画像を1997年3〜7月にかけて、S容疑者が経営する会社のパソコン通信草の根ネットワーク「フロンティア」に載せ、アクセスしてきた不特定多数の客に閲覧させた疑い。
N容疑者は15〜29歳の女性に1万5000〜5万円の報酬を支払って性交渉の場面などを撮影し、わいせつ図画6440画像をS容疑者に提供していた。S、U両容疑者は、N容疑者が以前開設していたパソコン通信の客だった。
S容疑者は、パソコン通信で募った会員から入会金5000円、会費1万円などを徴収し、800人から約3700万円を売り上げていた。わいせつ画像のモデルとなった女性には女子高生42人や大学生、教諭などが含まれていた。
●毎日新聞インターネット事件 1999年2月16日
女高生のわいせつ画像提供 PC通信運営者ら逮捕---埼玉
伝言ダイヤルや繁華街で知り合った女子高校生らとの性交渉場面などのわいせつな画像をパソコン通信上で会員に有料で閲覧させていたとして埼玉県警少年課と川越署は16日、埼玉県川口市、会社員、N容疑者(37)、▽東京都世田谷区、電話代行会社社長、S容疑者(40)▽東京都足立区足立、会社員、U容疑者(43)の3人を、わいせつ図画公然陳列の疑いで逮捕した。N容疑者は児童福祉法(有害目的支配)違反容疑でも1月26日に逮捕されているが、ネットに掲載する目的で女子高生らの画像を撮影していたとして、この種の事件では初めて児童福祉法が適用された。
調べでは、3人は1997年3月上旬ごろから7月中旬ごろまでの間、S容疑者自ら経営する会社で開設・運営する「フロンティア」の名のパソコン通信の草の根ネットワークに、男女の局部、性交場面を露骨に撮影したわいせつ画像の局部を、取り外し可能なマスクで隠した93画像分のデータを、フロンティアのハードディスクに記憶させ、電話回線を利用してアクセスしてきた不特定多数の会員に再生閲覧させた疑い。S容疑者はフロンティアを運営、N容疑者は、わいせつな写真を撮影してフロンティアに提供、U容疑者はN容疑者が撮影した写真をパソコンに取り込んで画像処理していた。
さらにN容疑者は96年6月、埼玉県の県立高校3年の女子生徒(当時17歳)を、東京都豊島区のホテルに連れ込み、全裸にしたうえ局部が見える姿勢をさせて写真撮影して5万円を支払い、同年8月には東京都の都立高校3年の女子生徒(当時17歳)に対しても同様にホテルで写真撮影して4万円を払い、児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的で支配下に置いた疑い。
N容疑者は95年12月から98年6月までの間、わいせつな写真を撮影する目的でモデルとして15歳から29歳までの高校生、大学生、専門学校生、教員、会社員などの女性計198人をホテルなどに連れ込んで性行為をさせ、コンパクトカメラで撮影していたらしい。撮影の報酬としてN容疑者は女性たちに、1人あたり1万5000円から5万円を支払っていた。198人の中には18歳未満の少女が46人含まれ、当時の学職別では、高校生が42人、フリー・アルバイター2人、ウエートレス1人、無職1人。年齢は15歳が2人、16歳9人、17歳35人で、居住地は東京都32人、神奈川県8人、埼玉県6人だった。N容疑者は、わいせつ画像の提供代金としてフロンティアから総額611万円を受け取っていた。
一方、N容疑者は96年7月から98年8月までの間、フロンティアを開設。N容疑者から計6440点のわいせつ画像の提供を受け、オンラインサービス、ニフティサーブの電子掲示板「売ります買います」コーナーを利用して「画像を売ります」などと販売広告を掲載して会員を募り、申し込んだ客から入会金5000円、会費2カ月1万円、ダウンロード料40画像1200-1500円を徴収。全国43都道府県の800人の会員にわいせつ画像を閲覧させて3700万円を売り上げていたという。フロンティアでは、わいせつ画像を陳列する際に、流出、転売を防止するために画像の背景部分に「Photo Gallary Frontier」などと表示していた。
*毎日・朝日は関係者の本名、住所の番地まで記載されていました。事件から5年以上も経過しているため本名、住所は伏せています。
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