知られざるテクノ歌謡

筆者が発見した(誰も知らないと思われる)テクノ歌謡のリストです…

#よって誰でも知ってるテクノ歌謡(細川ふみえ、宍戸留美、篠原ともえ等々)は載っけません(その必要もないでしょ。いいサイトいっぱいあるし)。「誰でも」とは「テクノ(ポップ)マニアなら誰でも」ってことね。あぁ文体まで何かテクノだ…

#日夜「発掘」には勤しんでおりますが、この手のマニアにありがちの網羅欲はそれほどありませんので悪しからず… 松田聖子と工藤静香はことさらに開拓しようとは思っておりませんので、誰か好きな方やってくださいお願いっていうか俺知らん。

#「どういう基準で「テクノ歌謡」と認定するのか」という基準はとりあえずテキトーです。さしあたり「間違いなくテクノ歌謡」ってのから載っけていこうと思っているので、そう問題にはならないと思います。必要が出てきたら別ページで論じるくらいでいいと思っております。

#とりあえず聴いたバージョンで書いてあります。聴けりゃいいって態度なので「原典」を何が何でも探す気はありません。

#「信用して中古盤屋で探して聴いたけどどこがテクノだ!」とか言われましても困ります……というわけで先に謝っておきます、ごめんなさい……

#ちなみに、ゲイリー=ニューマンと直接何らかの関係があるテクノ歌謡は筆者の知る限りないです…

#当サイトの他のリストと同様、歌手等(五十音順)−曲(五十音順)という順番に並べてあります。

#嗚呼早速書く羽目になった……「聴きたいのでコピー/ダビング/複製してくれ」という御要望ですが、とりあえずメイルでもくださいな。

浅香唯

TMの木根さんの曲「Melody」(これを小室哲哉の曲だと思っている失礼な輩が案外いるらしい。そんな勘違いをされるというのもまぁ木根さんらしいと言えるが(笑))をヒットさせたことがある割にはあまりテクノ歌謡との接点がなさそうな彼女ではあるが、探してみたらこんな曲も一応ある……

「虹のDreamer」(アルバム『プレゼント』)

一部分だけテクノっぽいって曲は基本的に載せないようにしようと思っているのだが、この曲はあまりにももったいないので載せることにした。前半のベースは打ち込みでモロモロダーしている。ところが突然これが消えて多分弦ベースだけになり曲調もテクノ歌謡っぽくなくなる……。う〜む、こんなアレンジもあるのだな……


「モダンボーイ白書」(アルバム『プレゼント』)

はっきり言ってタイトルから何から時代錯誤というより他はない。イントロからオクターブのピコピコ音にベースは終始ブブブブ……こんなの八十年代前半のB級アイドルの曲だよ……という雰囲気……テクノ歌謡的にはこれが全部褒め言葉になるってのがどうかと思うが(笑)


網浜直子

テクノっていうよりはロック系のアミハマちゃんにもこんな曲があった。実力とは裏腹に歌手としては今一つパッとしなかった彼女ではあるが、再評価されてほしいものである。筆者の知る限り未CD化の音源にもいい曲が多い(特に歌手活動後期のシングルはテクノ歌謡寄りでもあるし。というよりデビュー曲「竹下涙話」が未CD化なのは間違ってるよ!(笑))。あ、そういえばW-naoをどうするかって問題があるなぁ……

「Sister」(アルバム『Ammie's 1st Avenue』)

最初から最後まで四分音符のシーケンスがプチプチプチプチいってる。このアルバムでテクノ寄りの曲はせいぜいでこんなもんだが、思わせぶりなイントロとアウトロとかがあったりしてなかなか期待はさせてもらえる(せめてあと一枚アルバム作ってくれれば……)


伊藤美紀

正直に言いましょう。筆者は彼女の大ファンでした。というか今でも好きです(笑)。ファンクラブ入ってました(笑)。元祖樽ドルとでも言うべきウエストのないお体もともかく(ゴメン! でもそういうところも好きだったのよ……)、サ行にクセのある独特の発音の歌もかなり好きでした。でまた、彼女の曲がなんとこれがテクノ寄りなのだな……

「しゃきしゃきピーチタウン」(シングル)

彼女の曲ではヒットした方だと思うが、そんなことどうでもよくなるくらいに最初から最期まで全打ち込みでガチャガチャいいまくっている。使用機材のせいでポストテクノっぽくはなっているが、逆に言えばアナログ中心の純テクノポップな音だとここまで打ち込みで上から下まで埋め尽くすというわけにはいかなかったはずで、打ち込みテクノ歌謡とはこういうものだという見本のような曲だと言わせていただきたい。しかも、後藤卓上テクノ歌謡にも、小室系にもなっていないというのが見事というか、要するにおいしい。どうでもいいが、彼女が水着でこの曲を歌うのを見たことがあるが、とてもかわいかった(苦笑)


「Hollywood Smileに御用心」(アルバム『Girls on the Beach』)

8センチシングルCDのサイズにアルバムも収めてしまおうという趨勢だった時代があり、そんな時代に出されたシングルサイズのミニアルバムの中の曲であるが、プロデュース・作曲・アレンジが何と白井良明先生である。で、期待は全く裏切られず、きちんとアイドル歌謡曲していながら白井先生ならではの変態アレンジが満載でクラクラしてくる。白井先生がトータルプロデュースするモー娘的なものがあってほしいくらいだ。この曲は一曲目だが、しかしこんなもんで倒れていてはいけないのであって……(つづく)


「No Return(あなたに帰れない)」(アルバム『Girls on the Beach』)

(つづき)この曲はもっとすごい。イントロからしてもうただならぬ雰囲気がプンプンしてさすがは白井先生と思わせていただけるのだが、やたらと鳴らされるオケヒットといい、イトミキちゃん本人の声をサンプリングして鳴らしまくることといい、やりたい放題やってくださっている。イトミキちゃんはこの曲をもらった時に困らなかったのだろうか……


「やる気マンマン体操」(シングル)

これは完全に企画もので確かテレビ番組のなかで本当にこの曲を使って体操をするコーナーがあり、そのためのもの。ちなみに体操のおねえさん役はイトミキちゃん本人だった(ような気がする)。筆者の知る限りイトミキちゃんと白井良明先生が組んだのはこの曲が最初で、なるほどと思わせてもらえる曲調になっている。ちなみに、肝心の売れ行きはさっぱりだったらしく、体操のコーナーもすぐ終わり、それどころか番組自体からイトミキちゃん御自身が消えたような気もする。


「Risaの片思い/チョークのイニシャル」(シングル)

恐らく悲しいかな彼女の最期の音源になるであろうこのシングルも白井良明大先生によるもので、やっぱりどこかヘンテコな雰囲気が漂っているものの、きちんと正統派テクノ歌謡していて、しかも何かどこか切なくもかわいらしい曲調に仕上がっており、やはり大先生は天才だと実感させてもらえる。面倒なのでCWも一緒にしたが、個人的にはこちらの方が好きなくらいで、悲しくも美しいテクノアイドル歌謡に仕上がっている。どうでもいいが、この頃彼女は本田理沙嬢とよく一緒に仕事をしていて、また立花理佐というアイドルも活躍していたので、このタイトルはどう考えてもヒットしないのが明白であった……


内田有紀

「ハートブレイク・カレー」(アルバム『純情可憐乙女模様』)

あまりテクノ歌謡とは接点がなさそう、というよりそもそも歌手としての陰もかなり薄い彼女にも探してみるとこんな曲がありました。イントロからピコピコいってる上にエスノなスケールを使っていてきちんとファイヤークラッカーしてくれている。途中ロックっぽくなるものの、そこもギターがニューウェーブしてくれているのでテクノ歌謡からそれほど離れないでいてくれている。(なんだか軽薄な文章になってしまった……ちなみにエスノっぽいっていうか中途半端に中華な雰囲気の曲調って実は筆者あまり好きではない……)


荻野目洋子

「無国籍ロマンス」等の坂本龍一による初期の諸曲は例によって誰でも知ってるし案外テクノ度低いので載せてません(でも作品的にはさすが教授という完成度ですばらしい! なぜまるでヒットしなかったのか訳が分からない……教授も相当ガックリ来たんじゃないのか?)

「フラミンゴ in パラダイス」(アルバム『CD File 2』(1987))

初期は坂本教授による名曲を連発させておきながら手を出さず、大ヒット曲「ダンシング・クイーン」でユーロビートをズンベベ言わせた後で突然出してきたテクノ回帰的なシングル曲。テクノポップというよりはエレポップ寄りだが、妙に下品なのがテクノポップ臭い。ちなみにギターレスらしい。


「ベルベットの悪戯」(アルバム『CD File 2』(1987))

シングル「Dance Beat は夜明けまで」のB面で、ほぼ全打ち込みだが、エレポップ以前の雰囲気が漂っている。サビで突然切り込んでくる「ギヒャー!」という音は一体どうやって作っているのだろう?


「ロマンティック・オデッセイ」(アルバム『CD File 2』(1987))

シングル「六本木純情派」のB面。もう最初から最後まで「Behind the Mask」かよ!という「十六分音符ディレイ」のアルペジオがほぼ鳴りっぱなし……(ついでに言うが、昔の歌謡曲のシングルB面はおいしい曲が多い。沢田研二の「六番目のユ・ウ・ウ・ツ」のB面なんてモロUltravoxのパクりだし……(筆者の知る限り未CD化))


小沢なつき

今は有難いんだか残念なんだかよく分からない形で御活躍のなつきちゃんだが(ちなみに筆者はあまり「お世話」にはなってません……どんなもんだろうかなと見たことはあるが……)、歌手としての業績もなかなかのもので、テクノ歌謡的にも結構貢献なさっているのである……

「Prism Rainの彼方まで」(シングル「卒業」CW)

とにかくイントロがおいしい。これで途中音が妙に薄くなったり、手弾きのキーボードがこんなに多くなかったりしたらもっとテクノ度高かったのに、と思わされるのも二枚目のアルバムのせいなのだな……


おニャン子クラブ

「NO MORE恋愛ごっこ」(アルバム『家宝』(1987))

一応載せとくか……聴けばわかります


「ほらね、春が来た」

こっちは「恋愛ごっこ」ほど有名じゃないので載っけとく意味はあるだろう。まぁこれも聴けば分かります。


風見慎吾

「涙のtake a chance」(1985)

今の彼しか知らない向きには信じがたいことかもしれないが、彼はアイドルとしてデビューし、かなり人気もあったのだ(ただ、主要な活動の場がいかんせんアレだったのでどうにも正統派アイドルにはなれずじまいだったが……)。そして数こそ少ないがベストテン番組に本割で出演できるほどのヒット曲を持っていた。そのうち一つがこの曲だが、シーケンス満載・リズムボックス使用・サンプリング・とどめにボコーダーとこれが何と中々テクノ歌謡している。曲調としてはダンスミュージック寄りで、同時期にやはりアイドルとしてデビューした吉川晃司のものと曲調は似ている。ちなみに、この曲で彼は当時最先端のブレイクダンスを披露していた(と思う)。も一つちなみに、もう一つのヒット曲「僕笑っちゃいます」もテクノ歌謡とまではいかないまでもキーボード多用の佳曲である。


柏原芳恵

「トレモロ」(シングル)

この人には珍しいテクノ歌謡的アレンジの曲で割とよく知られたもの。イントロこそ「おお!」だが、言われているほどテクノかなぁ……という気もしないではない、ものの、実は筆者結構歌手としての彼女は好きなので(苦笑)、よしとしよう(笑)


河合奈保子

「コントロール」(シングル)

オンタイムで聴いていたはずなのに「あれ?こんな曲だっけ??」ってこともよくあるもので、あまりテクノ歌謡っぽくなかったはずのこの方にもこんな曲があった……彼女の曲と言えばブラスやコーラスの過剰使用というアレンジが名物だが、この曲でもブラスこそないものの女性コーラスやストリングスがふんだんに使われていてその辺は彼女の路線を外れないようになっている。


「恋のDoki Doki Train」(シングル?)

これはテクノ歌謡というものとはかなり趣が違うかもしれないが(しかし間奏でおよそ無意味にシンセドラムが鳴らされていて訳が分からない……)、かなり妙な曲なので載っけてみる。聴けば誰でもその異様さが分からないわけはないのだが、終始男性コーラスがまるで人力サンプラーよろしく訳の分からない合いの手を入れまくっている。歌入れの段階でどういうバックになっていたのかは分かるはずもないが、完成体の状態で歌ったとすればかなり困っちゃったはずである。曲自体は非常に河合奈保子らしいものではあるが……


吉川晃司

この人を「歌謡」の枠組みに入れるのは我ながらどうかとは思うが、テクノ歌謡ということで反応する方々の中には接点のない方もいらっしゃるだろうから一応入れておきたい(テクノ歌謡関連の男性アイドルはただでさえ少ないことだし……)。

「雨上がりの非常階段」(アルバム『Innocent Sky』)

まぁ聴けば分かるといいたくなる曲は色々あるが、これなんかも「なんじゃこりゃぁ!」という類である……とにかくイントロだけで爆笑させてもらえる……とりあえずプチュプチュ音は基本であるな、と……デビューまもなくこんなアルバムを作ってしまっていたのだからやはり彼はただものではなかったのだな……


「Psychedelic Hip」(アルバム『Beat Goes on』)

後にコンプレックスなるユニットを組み、あっという間にケンカ別れしてしまうことになる布袋寅泰が絡んでいる、というより恐らく彼が一人で打ち込みで作ってしまったと思われる「ジャーマンっぽい」(と恐らく御本人も言うであろう)およそ場違いの激ハードなバックに吉川のボーカルが乗っているという代物。間奏など実に布袋さんらしい仕掛けがあってニヤっとさせてもらえる。


斉藤由貴

「In My House」(アルバム『アージュ』)

タイトル通りハウスっぽいバックに彼女のシュールなモノローグが乗っているだけの、およそ脈絡を無視した訳の分らない代物だが、とにかくテクノ度は高い。このアルバムのメイン曲であろう「Lucky Dragon」もエレポップ歌謡だが、割とテクノ寄り。


桜井幸子

「隣にいるから」(アルバム『Prelude』(1991))

何と言うこともない打ち込みエレポップ歌謡なのだが、多分コルグM1あたりのプリセット「メタル」音と「ウィップ」音がそのまんまで徹底的に鳴らされていて異様な雰囲気を出している珍曲。全体にこのアルバムはアレンジがいい加減で、それがかえってミスマッチ感をかもし出している…


沢田研二

このお方の場合、どこまで載せるかということで悩まされるわけであるが……(例えばエキゾチックス時代の曲などどこまで載せればいいのだろう……)例によって問題ないであろうもの、そしてここでわざわざ取り上げる意味のあるものから載っけていこうと思う。

「恋のBad Tuning」

筆者などの世代には「三分間しか付けていられないカラコン」の印象が強いこの曲であるが、今聴いてみると曲調がまるで初期のXTCか何かという雰囲気で、何と最先端のことをしていたのか、さすがはジュリーだといまさらながら脱帽させられる(ちなみにある番組で当時の映像を流していたが、これがまた何だか分からない迫力でムチャクチャカッコよかった! 今時ビジュアル系でアホな女にキャーキャー言われて喜んでるバンド連中は一度勉強すればいい。格の違いが分かるだろう)。どうでもいいことだが、コーラスの声に妙に聴き覚えがある気がするのだが、誰の声だ?


シブがき隊

テクノ歌謡という文脈で男性アイドルが語られることはほとんどないと思うが、大きな例外が何とこのシブがき隊なのだ。彼らの曲と言えば、時代錯誤にトホホながらも独特な世界観の歌詞を措いても、やたらと(無駄に?(笑))豪勢なアレンジ、一体何なんだという強引な実験色という特色が一味違っていたが、テクノ歌謡な曲もやっぱりある(イントロでヤっくんがなぜかシモンズを叩いたり、フっくんが足を怪我して踊れずギター型のパーカッション端末を演奏していたら最先端過ぎて誰も分からず失笑されたりして、テクノ絡みでも中々トホホな彼等であった……ついでに言えばナイトレンジャーの露骨なパクリという大トホホもあるな……実を言うと筆者はパクリ元よりもパクリ先の方が好きだが(笑))

「PSST PSST」(シングル)

タイトルからしてトホホ感全開だが、プチプチ音のイントロからして十分テクノしており、しかも中々カッコいい。マイケル=ジャクソンをうまく真似したという雰囲気である(まさか、ナイトレンジャーのアレみたいにそのまんまな曲があるんじゃなかろうな?)。テクノ歌謡と生ブラスというのは中々うまく融合してくれないものという印象があるが、この曲などうまく溶け込んでいる。ちなみに、同名のアルバムもあり、それに同じタイトルの曲が収録されているが、なぜか全然違う曲である(このシングル曲の元になったと思われる曲は全然違うタイトルになっており、しかもこのシングルほどのテクノ感は全然なく、中々ややこしい)。どうでもいいが、筆者は留学中に実際に「Psst Psst」という言葉が使われているのを聞いた時に妙に感動してしまった。


「炎のラッパー」(アルバム『Next Stage』

ブラック寄りの曲調はどこで線引きするか難しいのだが(例えばチープな打ち込みをバックにしているラップなどテクノポップに入れていいものかどうか? また例えば久保田利信さんの作品なんてどう扱えばいいのだろう)、これはここで取り上げる意味があるだろう。アルバム用フっくんのソロ曲で要するに彼がラップ調の歌詞を何やらがなっているだけのものだが、バックがもう強力で、ジャーマンプログレかインダストリアルかというイントロからしてもう訳が分からない。多分フっくんのボーカル抜いて聴かせたら誰もこれがシブがき隊の曲とは思うまい。途中シブがきの大ヒット曲のサンプリングというおまけつき。


「Rock in My Heart」(アルバム『PSST PSST』)

打ち込みのベースがほとんど同じパターンをほぼ徹底的に繰り返していて単なる打ち込み歌謡の枠を超えてテクノ感を醸し出している。


島崎和歌子

平沢進作曲の「アフリカのクリスマス」は割と有名なので特に取り上げません念のため。

「元気がそれを許さない」(アルバム『マシュマロキッス』(1989))

Aメロだけシーケンスが鳴っててテクノっぽいとか、それどころかイントロだけで期待させておいてガッカリというパターンはよくあるんだが、これはほぼ途切れることなくブチブチいう音のシーケンスが左右に分けて鳴らされていてかなりテクノ歌謡度高い。当時はまさか生き残るとは誰も思っていなかった彼女だが、多分唯一のアルバムになるであろうこの作品は結構テクノ歌謡的においしい曲が多い。ちなみに、これは確かシングルにもなっていた曲だが、持ってない。ついでに、テレビで彼女がこれを歌うのを見たこともあるが死ぬほどリズム感が悪くてズッこけた覚えがある。もひとつついでに、このアルバム実はイベント会場で彼女から手売りで買ったものだが、えらく愛想が悪かったのが印象に残っている(笑)。


高橋由美子

「出会えるっていいね」(シングル『はじまりはいま』CW(1993))

「みんなのうた」とかあの辺の子供向け音楽でテクノポップ的なアレンジが採用されるということはいまだによくあるもので、これも多分そんな関係でこんな曲になったのだったと思う。使われている音はさすがに年代を感じさせる新しさではあるが、終始ピコピコいっている上に、何だかよく分からない掛け声的なものが終始挟まれていて(中には「ピコピコ!」というのもある……個人的には「ヲロロヲロ!」ってのが気に入っているが(笑))それもまたテクノ歌謡感を盛り立てている。


田原俊彦

「華麗なる賭け」

久保田利信作曲の「It's Bad」をどうしたものか……と思っていたら、確かその一つ前のシングルがまさかこんな曲だとは思っていなかった(オンタイムで聴いていたと思うのだが全然印象に残っていない……)。とにかくキーボードの音がチャカチャカいっている。途中ロック調にはなるものの、全体としては打ち込み色の方が圧倒している。


「雨が叫んでる -Tell by your Eyes-」

フルオケの豪勢で厚い音の曲が売り物だったトシちゃんもスマッシュヒット「抱きしめてTonight」あたり以降は打ち込み色強めになってくるんだが、この曲は雨音がショパンになりそうな雰囲気の打ち込みバラードになっている(途中からドラマチックに展開しちゃうけど…)


田村恵里子

「いじわる」(アルバム『メイビードリーム』(1989))

なぜか下から書く羽目になっているが……この曲も基本的に「ボディ歌謡」に加え左右にパンするシーケンスやオケヒットなども入れられていてよりテクノ度高い。



「デザートにKISS」(アルバム『メイビードリーム』(1989))

もちろん色々他には入れられているものの基本的に打ち込みのベースだけで成り立っているといういわば「ボディ歌謡」というものすごい曲。歌詞や歌メロはきちんとアイドル歌謡だが、はっきり言ってカッコいい(笑) ギターの音が何かのパクリだという気がするんだが、パクリネタがどうも分からん……(しかし↓を先に書いたのがバレバレだな……)



「Passion Girl」(アルバム『メイビードリーム』(1989))

イントロでピコピコいってて「おぉ!」と思うとそこだけだった…というパターンはよくあるものだけれども、この曲は一曲通して左右でピコピコいってる。このアルバム(そもそもタイトルからして『ユーメイドリーム』のモジリか?)は後の小室系の打ち込み歌謡を先取りしたような曲もあって中々テクノ歌謡的には楽しめる。


中江有里

「You」(アルバム『Deux Couleurs』(1993))

アイドルとしては今一つパッとしなかった彼女はテクノ歌謡界でも今一つパッとしなかったが、この曲は最初から左右にパンした打ち込みの音がピピピピ言ってるわ、終るのかと思ったら別のが重なってくるわ、まるで全ての音をパンしなければならないとでも思っているのかというくらいに音が左右に飛びまくるわ、何考えてんのなアレンジにひっくり返る。当然ほとんど打ち込み。ドラムも生っぽいものじゃなく後期YMOのような雰囲気。生楽器の録音が間に合わなくて咄嗟にこうしたんじゃないのか?とも疑いたくなるほどの異色な曲ではあるが、とにかく、おいしい(笑)。


長山洋子

「Mister Monday」

シングル「Your My Love」のB面(のはず)。



「夢現」

シングル「素顔のままで」のB面(のはず)。


中森明菜

細野晴臣作曲の「禁句」は誰でも知ってるので載っけてません念のため

その「禁句」をヒットさせたこともある(「過激な淑女」にまつわるトホホな事件というおまけつきでもあるが……)割には意外にテクノ歌謡との接点はなさそうな印象がある彼女ではあるが、いかんせん作品が多いので探せばまぁやっぱり出てくるものである……

「I Know孤独のせい」

88年のアルバム『Femme Fatale』は特にシングルのヒット曲が収録されていないものの、その代りなのか何なのかなぜかニューウェーブな曲が満載でこれが本当にあの中森明菜のアルバムなのかと驚かされる。イントロからしてもう十六分ディレイをかませたピアノのアルペジオが「UT」しているわ、その後もチョコマカと飛び交うシーケンス音を縫うようにシャキーン!ギター風の白玉キーボードが鳴らされてスクポリしてるわ、何考えてんのか分からなくてクラクラしてくる。曲自体は結構カッコいいが、まぁ明菜女史が歌うべき曲ではないわな……という気もしないではない……



「La Boheme」(アルバム『CD '87』(1987))

年代からしてこんなことは有り得ないんだが、アレンジがどう考えても「カーズ」の頃のゲイリー=ニューマンだ。つまりぶっきらぼうで下品な音のキーボードが手弾きっぽくないフレーズをブーブーやってるバックにハードなギターという「あの」パターン。途中でも突然打ち込みのシーケンスが切り込んできたりしてさらに何だか分からない。スタジオで明菜女史は相当ブーブー言ったんじゃないのか(笑)(「こんなゲイリー何とかみたいな下品な曲歌えません!」とかって(爆))



「La Liberte」(アルバム『Femme Fatale』(1988))

「テクノ=ギター」なるコンセプトを打ち出したのはBuck-Tickの今井寿さんだが(彼本人が言い出したのではないという説もあるのだが……)、そのまんまな雰囲気の曲なので乗っけてみた。基本的に打ち込みのバックに(もうこのくらいの年代になると打ち込みというだけでは全然テクノにならないんだが、この曲は『Another Game』あたりのP-modelのような雰囲気になっている)ディレイをかませたギターがずっとコチコチいっている。



「ロンリー・ジャーニー」(アルバム『Recollection』)

筆者はシングル集的なベスト盤で聴いたのだが、多分シングルではないと思う。それさえなければただの「歌謡」なのだが、なぜかベースだけ(多分)が打ち込みでまたそれが強烈にテクノ感を醸し出している。大体ベースの音量がなぜこんなにデカいんだ…… 全部打ち込みだろうが808使おうがボコーダー使おうが全然テクノじゃないというものもある反面、ベース一つだけでこうなってしまうということもあるという見本として載っけてみた(もっと言えば全部人力演奏なのに、それどころかキーボードがないのに間違いなくテクノというものも可能性としては有り得るわけだ。もちろん筆者はそんなテクノ歌謡にお目にかかった覚えはないが……)


西田ひかる

「きっと愛がある」(1994)

アレンジ手法の一つとしてのテクノ歌謡の生き残り(死にぞこない?(笑))という感じだがまるでソフトバレエを思わせる雰囲気がある(いくつか「サンプリング?」という音もあるように思う…)。シングルもいいのだが、アルバム『Love Always』収録のリミックスの方がよりソフトバレエ度が高い。


「てのひらの私」(アルバム『ときめきのプロローグ』(1990))

確かシングルで出ていた(『カトケン』で歌っていたのを見た覚えがある…)が持ってない。普通のキーボード主体歌謡曲アレンジとモロテクノ歌謡的なアレンジが同居していておかしな雰囲気をかもし出している……特にイントロは一体何が起ったのかと思わされる。彼女は当時どんな気持でこういう妙な曲を歌っていたのだろうか…………


「プンプンプン」(アルバム『ときめきのプロローグ』(1990))

確かシングルでも出ていたけど持ってない。最初から左右にパンするポコポコ音(ヒカシューの「ビノパイク」のようだ!)が入っていて、その後も数年溯るようなテクノ歌謡なアレンジが続く。作曲は何とチャゲ!(飛鳥涼の相棒のあの方です。最初はテクノ嫌いとか言ってたクセに後から日和ったアルフィーとは違い、チャゲ&飛鳥は確かに割と昔から色んなことを免疫なく試みていた)。タイトルからしてふざけた歌詞だけど、当時アーパーにしか見えなかった彼女には可愛らしくて何か合ってた(笑)


「私の恋のシルエット」(アルバム『シルエット』(1989))

鳴りっぱなしのオートアルペジオにアンビエントなキーボードやギター、もちろんリズムは淡々とした打ち込みで、まるでジョン&ヴァンゲリスならぬ「西田ひかる&ヴァンゲリス」のようになっている。


仁藤優子

「瞳は夜を越えて」(シングル「センチメンタルはキライ」B面(1988))

一般的にはA面で声がひっくり返りまくっている方が話題になった音源ではあるが、B面のこの曲はほぼ切れ目なく打ち込みのベースがブチブチブチブチ言っていていまさらジョルジョ=モロダーしている。筆者は最初にこれを聴いた時、そういうわけで二度ひっくり返らされた。ちなみに、この頃はCDシングルが出始めた頃で、シングルはアナログとCDの両方が出ていた。「A面」「B面」と言っているのはそのため(ちなみにアナログは持ってない)。


羽田恵理香

「迷子にさせないで」(シングル(1991))

テクノ度はそれほどでもないが、とにかくベースが独特な音とフレーズで、異様な雰囲気を出している(タイトル曲だけ聴くとキーボードかと思うが、CWをあわせ聴くとどうも弦ベースらしい)。そのCWは惜しいことに「一部分だけテクノ歌謡」パターンだが、タイトル曲共々曲的にはテキトーなものの、アレンジやミックスで余計な凝り方をしていて、何だか分からない雰囲気もテクノかもしれない……


堀ちえみ

「愛のデザート」(アルバム『シングルズ』(1986))

パーカッションとして808を使用、ゲーム音的なキーボードとすっかり時代遅れになったテクノな音をいまさら持ち出してきている……


「風のサザン・カリフォルニア」(アルバム『シングルズ』(1986))

おニャン子あたりからアレンジャー(っていうか後藤次利)がM1あたり一台で全部作っちゃうようになる前で、いかにも打ち込みって感じのキーボード主体のバックがずーっと鳴ってる、がストリングやサックスは生で歌謡風味も残ってる。


「クレイジー・ラブ」(アルバム『シングルズ』(1986))

彼女のシングルではヒットした方の曲だが、控えめながら細かいシーケンスが常にならされていてそれがどれも下品な音をしている。全体としてみたらごく普通のこの時代のアイドル歌謡だがさり気なさがまたテクノかもしれない。


「Wa ショイ!」(アルバム『シングルズ』(1986))

テクノ歌謡好きなら説明不要。一応載せておくだけ。


南野陽子

「真夜中のメッセージ」(アルバム『Garland』(1987))

プチュプチュ音(クラフトワークからのサンプリングか?!)がずーっと鳴りっぱなし。


「KISSしてロンリネス」(アルバム『NANNO Singles II』(1990))

テクノというよりもエレポップ、どころかハウスの臭いさえするのだが、恐らくギター以外は全部打込みでしかもどれもこれも下品な音で南野陽子とは思えないくらい過激な音になっている。後期ソドムとかアーバンダンスとかあの辺を思わせる雰囲気。


持田真樹

「Beads of Tears」(アルバム『春夏秋冬』)

最初から最期までほぼ同一リズムのパターンで鳴らされている恐らく打ち込みのキーボードがありそれ一つでテクノ感を醸し出している、というよりタイトルから歌詞から何から筆者は思わずグラスバレーを連想してしまう……


森口博子

デビュー曲がガンダム絡みってことでちょっと期待したくはなるものの、たまたまデビューのきっかけがこうだったというだけで元々彼女は歌唱力で売って生きたい方だったらしいので、意外とテクノ歌謡絡みの曲は少ないのであるが、何しろキャリアも長く実績のある彼女のことなので(もう白状しよう。筆者は歌手としての彼女がかなり好きである(苦笑))探せばまぁガッカリしない程度にはこんな曲が見つかるわけである。彼女も、時代的にもう「打ち込みだけどテクノじゃない」という領域に差し掛かっていてなかなか判断が難しい(ついでに言えばまぁガンダムの主題歌とかもそういうのが多いし……)

「あなたのことを思ってる」(アルバム『Let's Go』(1994))

このくらいの年代になってくると全編打ち込みの上に808まで使っておきながらテクノ感微塵もなしって状況も珍しくないのだが、この曲は違う。とにかくアレンジの訳の分からなさがまずテクノで(コシミハルの曲だと言われても信じられそうだ)、アレンジャーは何を考えていたのだろうと逆に心配になる。もちろん808(ま、本物じゃないだろうけど)を使用している上に反復というテクノの基本を味合わせてくれるフレーズが満載である。


「Sorcerian」(アルバム『Eternal Songs II』(1992))

多分何かのアニメ関連の曲だったかと思うがよく分からん。こっちはグラスバレーか何かのような雰囲気を醸し出している(とどめにトレバー=ラビンなギターソロまである……(ちなみに彼は「あれ」を自分の代名詞みたいに言われるのが嫌だそうだが……))。一応言っておくが、全編英語の歌詞は歌い切れていなくて同時期に活躍していた西田ひかるとかと比べると(ま、彼女と比べるのは酷ではあるが)失笑ものである……


Ribbon

おニャン子のできそこないというか、正直何をしたかったのか最期までよく分からなかった乙女塾ではあるが、テクノ歌謡という文脈でもどうにも中途半端でイライラする(例えば中嶋美智代の曲なんて一部分だけテクノっぽいって曲の多いこと多いこと……)。その中で妙に(というか無駄にというか(笑))作りこまれた作品といい、ちょっとお笑い入っているところといい、クレアとはまた別の意味でテクノ歌謡寄りの彼女等は筆者も中々気に入っている。ただ彼女等も結構惜しい曲が多い……

「Poisonの退屈」(アルバム『Jessica』(1991))

このくらいの時期になると「打ち込みだけどテクノじゃないよね……」って曲があまりにも多くて嫌になるのだが、この曲はキーボードの音こそ九十年代だが、終始打ち込みの刻みがチャカチャカ言っているなどアレンジは十分テクノ感を残している。始めて聴いた時は「おいしいなぁ……」と思ったものだが、ところがところが……(続く)


「ゆるせない!」

(続き)次のこの曲はもっとものすごく、安っぽい音のリズムボックスに安物キーボードのプリセット音のようなこれまた安っぽい音「だけ」というバックに三人がタイトル通り色々と許せないものを音頭風のメロディーに乗せてがなっている、という代物。テクノ歌謡というより最早「ポンチャック歌謡」と化している…… っていうかポンチャックが表舞台に出てくるのは確かかなり後なので、その意味では結構新しかったのかもしれない、といってもやってることがこれじゃあ……ねぇ……(笑) 「ウォークマンの電池切れ」「見たいビデオの貸し出し中」「米とオレンジ牛肉の自由化許せない」というのが時代を感じさせる(笑)


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