ラーメンよもやま話
ラーメンに関するあれやこれや

店主がタバコを吸っている店には行きたくない

ひょんなことからラーメン屋めぐりを始めて真っ先に閉口したのがこれだ。まずいという評判のある店ならばなるほどという気もするが、意外にも結構評判のいいお店の主人がそうだったりするのだ。幸いにして筆者はタバコを吸いながらラーメンを作る主人を見たことはないが、そういう店もあるという話だ。大抵のそういう主人はラーメンを作る合間に吸っているが、わざわざ厨房を出て吸うという方は見たことがない。つまり、厨房でしかも客の前で吸っているわけだ。

筆者は喫煙の経験が全くないが、あんなものを吸っていると臭いに鈍感になるに違いないということくらいは分かる。家族がタバコをやめるのを手伝った経験もあるが、「自分はこんなにも臭いや味に鈍感だったのか」と思うそうだ。個人的によく知っているお店の主人もかつてタバコを吸っていたが、この方によると、味覚や嗅覚は全面的に狂うわけではなく比較的影響のないものもあるらしい。なるほど、主人はタバコを吸わないけれども、タバコを堂々と吸う主人の店よりもまずいという店はいくらでもあるし、主人がタバコを吸うからといってラーメンがまずいとは全く限らない。しかしどうも全体的に味が濃くなる傾向はあるらしいが。

味はもちろん大事で、「何はともあれうまければいい」というのも一つの真実だが、問題にしたいのは、ものを食べている人間の前で、その人間が食べているものを作っている人間が、その食べ物を作るところで、ヤニや臭いや灰の出るものを吸うというその神経だ。例えば寿司屋や懐石料理屋で板前がタバコを吸っていたら、そんな店には誰も行かないだろうし、そういう弟子がいたら即刻クビだろう(ちなみに、筆者はタバコを吸う板前がいる寿司屋を知っているがとてもひどい寿司を出していて普通の客はあまり来ない)。そういう神経の店主がやっている店が評判になるということがラーメン及びラーメン自体が他の料理よりも一段下だという印象を強めているのではないだろうか。あくまでも一般的な傾向だが、タバコを吸う主人のラーメン屋は店内が汚かったり臭かったり、その他色々と無神経なところがなるほど多いと思う。

蛇足だが、ラーメンに化学調味料を使用しないことに神経質なほどにこだわる人々がいるのを筆者は知っているが、彼等が絶賛するラーメン屋に行ったところ主人は厨房でタバコを吸っていた。確かに、化学調味料は我々の口に入り、タバコは直接我々の口に入るわけではないが、彼等は気にしないのだろうか。


「中華屋のラーメンはまずい」のか?

色々なラーメンサイトやグルメサイトを見てきて一番疑問に思うのがこのことだ。中華料理屋というのはラーメンだけを出すわけにはいかない。それは当然のことだ、チャーハン・酢豚・八宝菜等々はともかく、餃子・シュウマイ・春巻き等々も出さないわけにはいかない。本格的な中華料理屋を標榜するのであれば、鯉の丸揚げや北京ダッグ、さらに言えば食用を目的としない細工料理などもこなさねばならないかもしれない。となると、どうしてもラーメンに費やす考慮は割り引かれることになる。ラーメン専用のたれやスープを用意しないということには、ならざるを得ないとまではいかないかもしれないが(中華屋を名乗ってはいるが実質ラーメンの占める比重が極めて大きいという店は大いにあり得るので)、そうなる確率が高くなるというのは理解できる。

しかし問題は「ラーメン専用のたれやスープが用意されていない=まずい」ということになるのかどうか、ということだ。確かに、スープを一種類で通して、それをあらゆるものに使うというお店はすくなくない。それどころか、そのスープが出来合いのものだったり、単に市販の調味料だったりすることもある(正直店の周りを回ってそういう素材の入っていた缶や袋がないか確認するというのはやり過ぎだとは思うが)。そういうことを隠さないお店もある。しかし、それはあくまでも「底辺」の話だと思う(是非そうあってほしいものだ)。確かに中華屋でもひどい中華屋は信じられないようなものを平気で出して営業している。そういう中華屋がこのような評判を助長しているということも確かに事実だとは思う。しかし、「それでも専門店か」という専門店も少なからずあるので、これはどっちもどっちだと思う。

しかし、ラーメン専門店にしたところで、大半の店はスープは同じものを使うがタレやその他によって違いを出しているという店が大半だと思う。異なるメニュー全てに異なるスープやタレが用意されているという店は、筆者も知らないわけではないが(それどころか麺もかえている店を知っている)、決して多数派ではないだろう。ということは少なからず「スープの使い回し」はなされているわけだ。となれば、そのスープの完成度が高ければ、また使い回し方がうまければ、それでよいのではないだろうか。

いや多分問題は「ラーメン好きが好むスープを出さない中華屋が多い」ということかもしれない。特に、濃いこってりしたものがラーメンだという雰囲気がある土地ではそうだろう。そして御存知の通り富山県、特に東部、は「富山ブラック」と呼ばれる独特のラーメンで知られる。「ブラック」でなくても、筆者が「8号線系」と呼び、一般に「龍系」「味系」などと呼ばれるラーメン屋のラーメンは濃いスープが特徴だ。しかし無論そうでなければラーメンではないということはありえないし、そうだからといってうまいとも限らない。言われてみれば確かに、中華屋で「ブラック」や濃いめのスープのラーメンを出す店というのはあまりない気がする。

筆者は個人的には中華屋のラーメンを食べるのは好きだ。専門店以上のものを出しているお店もあると思うし、専門店にはないものを出しているお店もある。筆者が好まない傾向のラーメンというのはもちろんあるが(例えば唐辛子系の味付けのラーメンはあまり食べたくないし、醤油・味噌・塩で言えば、味噌はあまり好きではない)、自分はそれを「まずい」と括りたくはない。

翻って筆者が問題にしたいのは、ラーメン専門店の餃子やチャーハンは大抵おいしくないということだ。何故メニューに加えているのか疑問になる店も少なくない。


以下予告のみ

支那竹はラーメンに必要なのか?

ラーメン屋でもお茶を出してほしい

おしぼりをおいてほしいものだ

レンゲを出さないラーメン屋

「薄い」ラーメン

サービスが悪くても「うまければいい」のか

グルメサイトやグルメ本は信用できるか

まずい店の存在異義

居酒屋は「居酒屋」と名乗り、「ラーメン」の看板を出すな!


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