またまたあまり書くことのない節です。
おおむねこれまで書いたことのまとめ的なものになってしまいますが、とりあえず書いておきましょう。
「曲の雰囲気」という言葉から、どのようなイメージがわくでしょうか。
「暗い曲」「明るい曲」、「元気な曲」「静かな曲」、あるいは「妖しい曲」「古臭い曲」「荘厳な曲」「ボサノバ風の曲」などもあるかもしれません。
考えられるすべての雰囲気をいちいち説明することは不可能ですので、ここでは上記のイメージを表現する方法だけを簡単に説明します。
なお、以降の文章はポップスおよびロックを念頭に書かれています。
まず「暗い曲」ですが、基本となる調が短調であることが前提です。
ここで言う「基本」は、イントロ・Aメロ・サビのことです。
Bメロはサビを引き立たせるためのものですから、一時的に長調を使っても問題ありません。
基本部分のコード進行は、Am→F→GやAm→C→D→Fなどを使います。
暗い曲を書くわけですから、あまり明るい音の出る楽器を使うことは好ましくありません。
といっても、ロックで鉄琴やソプラノリコーダーを使う人はあまりいませんから、それほど神経質になる必要もありません。
どのような曲でも使える、ギターやストリングス、サックスなどが重宝するでしょう。
曲の速さや長さは問題にはなりませんので割愛します。
「明るい曲」は「暗い曲」の対極として考えるとわかりやすいでしょう。
基本的にC→F→Gなどのコード進行を使い、Bメロは長調でも短調でも構いません。
「元気な曲」の場合、はっきりした音の出る楽器を使うとよいでしょう。
ストリングスなどよりもサックスを中心にしたほうが効果的です。
サンバホイッスルなどの大きな音が出る楽器を使ってみるのもいいかもしれません。
また、ドラムがちゃんとリズムを刻んでいることも重要です。
現在ある多くのポップスやロックはだいたい「元気で暗い曲」「元気で明るい曲」のどちらかですので、そのような曲を作りたい場合には実際にそのような曲を聴いたほうが早いと思いますが。
「静かな曲」の場合、ドラムの刻むリズムがあまりやかましくないことが前提です。
手数の少ない4ビートなどでもいいですが、16ビートでも構いません。
基本的にテンポの遅いゆったりした曲になるでしょう。
当然サンバホイッスルなどの音量調整できない楽器は使用しません。
ストリングスなどのゆるやかな楽器をバッキングに使い、ギターやサックスなどの表情のつけやすい楽器をメロディに持ってきてもよいでしょう。
「妖しい曲」の説明はちょっと難しいですが、がんばってみましょう。
たとえばインド・アラビア風のスケールを使えばそこそこ妖しさを表現できます。
また、「その他」で説明する変拍子を使っても妖しい雰囲気は出ます。
「いやらしい曲」といった意味での妖しさを出すならば、伊勢崎町ブルースなどを参考にするとよいでしょう。
「古臭い曲」の場合、実際に古い曲を聴いてみるのが一番の近道です。
古い曲の入手が難しい場合、昔からいる作曲家が書いている現在の曲を聴いてみてもよいでしょう。
具体的には、ダンスミュージック的な16ビートは使わない、小節をまたぐシンコペーションは可能な限り使わない、シンコペーションを使った場合は、同じフレーズのときは同じように使う、といったところでしょうか。
「荘厳な曲」の場合はある意味簡単です。
パイプオルガンやコーラス、低音のストリングスなどを使えばおおむねOKです。
フーガ的手法で曲を書けば完璧でしょう。
「ボサノバ風の曲」はボサノバ的コード進行を使うしかありません。
Bm7→E7→A7→DM7→G#m7→C#7→F#m7→F#7あたりが手頃でよいでしょう。
使用する楽器はアコースティックギターが一番いいと思います。
ちょっとわかりづらいと思いますので、簡単なサンプルをつけておきます。
他にも「怖い曲」だったら短いフレーズをひたすら繰り返すなどの手法があります。
いずれにしても、フレーズを思いついた時点で曲の雰囲気などほとんど決まってしまいます。
曲はたくさん書いていればそのうち作り方もわかってくるものです。
発表する、しないはともかく、慣れるまではいろいろとやってみるのがよいでしょう。