ではベースの応用編です。
 最近楽譜を書くのが非常に面倒になってしまったので、サンプルのごく一部だけを抜粋して楽譜にしています。
 ご了承ください。

 前節でちょっと触れました、「ミュート」を使ったベースラインを紹介しましょう。
 ミュートを使うのは16ビートのスラッピングベースのときくらいなので、具体例をひとつあげれば後はどのようにも応用が利くはずです。
 図1はその道の人には非常に有名なフレーズなのですが(注1)、少しアレンジを加えただけで他の曲に使われていたりもするので、ここで取り上げてしまいましょう(サンプル1)。
 楽譜を見ればわかるとおり、ミュートの部分は音符が「×」になっています。
 これは音がはっきりとしていないので、音程がわからないためです。
 ですが、ミュートされる前の元の音程はたいがいミかラなので(注2)、そのどちらかの場所に音符を書き込むとよいでしょう。
 ここではミュートしている音が元々はミだった場合の楽譜を使っています。

 次に、「ベースはコードのルートを弾く」という前提からはずれた例をあげましょう。
 例えばYesのクリス・スクワイアというベーシストは、めったなことがないかぎり曲中でコードのルート連打ということをしません。
 具体例をあげたいのですが、ちょっとクリスの真似はできそうもないので、とりあえず自分で作ってみた「ルートを基本としないベースライン」を紹介します(図2)。
 使い方によってはそのままメロディにもなってしまう、というのが、このようなベースラインの特徴です(サンプル2)。

 また、ベースというのは本来同時にひとつの音しか鳴らさないのですが(注3)、あえて同時に複数の音を出す、という使い方もあります(図3)。
 あまりくどくどしく使うと、他の音が聞こえなくなってしまうので、ごくたまにしか使わないようにしましょう(サンプル3)。

 ジャズなどで使われるベースには、4分音符を基準に淡々と弾き続けるものがあります(図4)。
「ウォーキング・ベース」とかいう名前だったと思いますが、なかなかシブい雰囲気をかもし出すことができるので、ためしに使ってみてください(サンプル4)。

 いちいち実例や楽譜は挙げませんが、後述するサブメロディをベースで弾いてみたり、メロディとまったく同じベースラインを弾いたりするのも、なかなか実験的で面白いかもしれません。


この節の注釈

注1……グラハムとかいう、スラップベースの創始者のフレーズですが、うろ覚えなので微妙に違っているかもしれません。
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注2……これは本物のベースギターという楽器を知っていれば当然のことです。ベースギターは弦を押さえて音程を変える楽器ですが、どこも押さえなければミ、ラ、レ、ソの4つの音しか出ないようになっています。ミュートは弦をしっかり押さえずに弾く演奏方法であり、主に低い音で使われるわけですから、ミかラのどちらかを使う以外にないわけです。
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注3……コードのルートを弾く、というのがベースの基本ですから、ルートというのがあるひとつの音を表す以上これも当然のことです。
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