レコンポーザ全体図
 レコンポーザ for Windows95 Release 3は、上のような画面構成をしています。最大化しているものを縮小したため細部が見づらいですが、必要なときにはちゃんと拡大して掲載します。

 あらかじめいくつか説明しておきます。
 MIDI機器では同時に使える楽器の数が決められており、普通は16個までです。この「ある楽器の音を出す回路」をチャンネルと呼びます。つまり、普通のMIDI機器は16チャンネル持っている、ということです。より高級な機器になると32チャンネルなどのようにチャンネル数が増えますが、ここではとりあえず16チャンネルということにしておきます。チャンネルとは別に、ひとつのMIDI機器で同時に鳴らすことのできる音の数が決められています(正確には「音」ではなく音の構成要素である「ボイス」という単位であり、ひとつの音でも2ボイス使っているものもあります。ですが、ここではあまり気にしなくて結構です)。また、レコンポーザでは各チャンネルに送る命令をそれぞれ独立した場所に記述します。これをトラックと呼びます。古いレコンポーザでは18トラックしかありませんでしたが、最近のものはかなりたくさんのトラックを持っています。チャンネル数とトラック数が合っていないわけですが、これはひとつのチャンネルに複数のトラックから命令を送れるためです。しかし、これから書くような通常の使い方をする場合、1チャンネルに対し1トラックあれば充分です。したがって、ここでは16トラックまでしか使いません。
 実際の楽譜を例に挙げて、もう一度チャンネルとトラックについて説明します。たとえばバンド譜は「ボーカル」「ギター」「ベース」などの各楽器ごとに五線譜が記入されています。ギターが2本分入っているバンド譜もあるでしょう。キーボードも2台分あるかもしれません。この「ボーカル」「ギター」などの楽器がチャンネルです。楽器ごとの五線譜がトラックです。五線譜をふたつ使って1台のキーボードの右手と左手のそれぞれのパートを表現してもいいですが(ひとつのチャンネルに複数のトラックから命令を送る)、紙面(トラック)の無駄ですので、可能であればひとつの五線譜(トラック)に収めてしまいます。最大同時発音数はバンドメンバーの指の数だと考えていいかもしれません(全員がキーボード担当だとしても、5人編成では手の指は50本前後(^-^;しかないわけです)。

 今回作る曲について、決められることを決めてしまいます。とりあえず歌謡曲を作ってみます。楽器の編成はボーカル、ギター(カッティング用)、ギター(ソロ用)、ベース、キーボード、ドラムというありふれたものにします。曲の構成はイントロ→Aメロ→Aメロ2回目→Bメロ→サビ→ギターソロ→Bメロ→サビ→サビ2回目→終わり、というものにします。曲調はハ長調で、8ビートの曲にします。ハ長調の曲なので、Aメロとサビはハ長調、Bメロは転調してイ短調を使うことにします。イントロはサビと同じ展開、ギターソロはAメロと同じ展開で作ることにします。終わりの部分もサビの展開を元に作ります。と、ここまで決めましたが、まだサビなどのメロディーは決まっていません。MIDIによるデータの作成過程だけでなく、一応作曲の過程をも紹介するつもりでいるため、完全にゼロの状態からやっているわけです。作曲過程部分の文章は時間軸に沿った形で書いていきます。ろくに推敲もしません。10分ほど経過しましたが、まだ旋律(ボーカルでもベースでもいいのだけれど)が浮かびません。気を抜くと既存の曲とそっくりになってしまいそうです。結構つらいです(^-^;

 一向に思いつく気配もないので、簡易作曲講座で書いたインチキな作曲法でやることにします;_; とりあえずコードだけ決めてしまいます。サビの部分を初心者感動パターンで作ることにします。これがイントロの出だしになるということで、イントロとAメロをつなぐコードはC→C→F→Gになります。これをそのままAメロにも使ってしまいます。テンポをもう少し速くすることにして、イントロ部分は白玉を使うことにします。

 データ制作に戻ります。MIDIによる作曲で、まず最初にしなければならないことは使用音源の設定です。この曲がGM仕様なのかGS仕様なのかXG仕様なのかを明らかにしておかないと、再生環境によって全然違う曲になってしまう恐れがあるからです。ぼくはあらかじめ使用する可能性のある設定をユーザーエクスクルーシブという形で保存してあります。
ユーザーエクスクルーシブ
 エクスクルーシブ番号0にGMの設定をしてあります。同様に、番号1にGS、番号2にSC-88の設定をしてあります。今回はGS仕様の曲を作ることにしましょう。
トラック1
 音源の設定は使用する楽器の設定よりも早くなければなりません。当然ですね。普通は一番早く読み込まれるだろうトラック1の先頭に記述します。音源の設定の後は少し時間をおかなければならないので、ぼくは常に4分音符1個分の時間(1小節が1920ステップなので、4分音符はその4分の1の480)を音源設定に費やしています。実際は設定の後に時間が必要なだけですから、設定に0ステップ、休符に1920ステップ費やしても同じことです。ただ単に他のトラックでも480ステップで区切っているから同様にしているだけ、というヘンなクセのようなものですので、見習う必要はありません(^-^;
 ついでですので、各トラックで使用する楽器の設定もすませてしまいます。一説には、トラック番号が後のほうになればなるほど正確なタイミングで発音できなくなる、ということなので、正確でなければ困るものから順に割り振っていきます。ドラムはチャンネル10(トラック10)になっているのが普通なので、次に重要なベース、それからギター、ボーカル、キーボード、ソロ用ギターの順で並べることにします。
トラック2
 最初に4分休符がおいてあるのは、トラック1のエクスクルーシブとかちあわないためです。次に、音色番号34(MIDI機器本体では35だが、レコンポーザは番号がひとつ若くなる)でPicked Bassの音を指定します。ついでにボリュームを最大にし、エクスプレッション(細かな強弱を表現するのに使うボリューム)も最大にします。リバーブ(エコー)とコーラス(音の厚み)を適当に設定し、パンは中央に設定します。それぞれに20ステップ費やしているのは個人的な趣味です。0ステップの人もいるし、2ステップだとか6ステップの人もいるでしょう。1小節を設定で使い切るため、最後に設定したパンは1340ステップ費やしています。MIDIで曲を作る場合、このように最初の1小節は設定のために使ったほうがよいでしょう。同様の設定をトラック3〜6、10でもやっておきます。ただし、すべての音が中央に集まってしまうと狭苦しい雰囲気を出してしまうので、ギターをやや左、キーボードをやや右に配置しました。キーボードの音色は使いやすいStringsにします。ぼくは基本的にトラック1をエクスクルーシブの設定やフェードアウトなどのコントロール専用に使っているので、結果としてチャンネル1から音は出しません。

 さて、とりあえずイメージのできているイントロ部分を作ってしまいます。ギター、ベース、キーボードは初心者感動パターンを踏襲すればいいとして、ドラムは多少手を入れなければなりません。ウワモノが白玉を弾いている間8ビートを延々刻んでしまうという手もあるのですが(サンプルのときはそうしてます)、今回はフィル・インの連発で対応してみます。
トラック10
ここまでで完成しているのはイントロの概要部分だけです。あぁ、何だかL'Arc〜en〜Cielの「Blurry Eyes」の改悪版みたいだ;_; 普段ならこの時点で作る気力を失ってしまうのですが、今回はあえて続けてみます。いったいどんなものができあがるのか想像もつきませんが;_; 続きはまたこの次に。

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