夏のうちに絵を書き溜めておこうと思って、阪急電鉄の王子公園駅にある王子動物園に行く計画を思いついた。動物でも描こうかいと阪急電鉄に乗る。唐櫃〜元町の定期を使うと神戸高速鉄道の高速神戸（JR神戸駅と近い）まで有効だから差し引いた乗り越し代金は２５０円かかる。王子公園駅は動物園だけでなく王子陸上競技場や神戸高校の最寄り駅であるのであまり利用されない駅ではないはずなのに今日は無人駅、なんだ〜ちょっとおかしくないかい？すぐ近くにあるのですぐついた。が、案の定「本日休園」と入り口のところに立て看板がおいてあるじゃないか。朝１０時に出たので丁度お昼過ぎ、帰るにはあまりにもったいなかった。いつものハーバーランドもぱっとしない。行ったってパソコンショップ寄ってＮＴＴで無料インターネットしてゲーセンに寄ってというお決まりの行動パターンしか思いつかない。駅前に戻りコンビニでこのあたりの情報収集を始めた。え〜っとこの辺でなんか絵をかけそうな場所は・・・。

候補としてはＪＲ舞子で降りて明石大橋とビーチを描くか明石で城を描く、他にも須磨など海岸線沿いの駅がＪＲでかなりある。大阪となるとちょっと地理の知識が無い。大阪海遊館の入館料２０００円？げー！ぼったくりじゃないの。いくらでかい水槽で魚泳がしてらっしゃるっていっても高いんじゃない？今までの候補はイマイチ、せっかく来たんだからこの近場で・・・と、あった、これにしよ。というわけで未踏の地である”六甲アイランド”に決めたのでした。そうなるととりあえず阪神かＪＲの方が都合がいいんだけど。どうしよう。六甲アイランドとなるとＪＲ住吉駅か阪神電鉄の魚崎駅が良い（ちなみに同じく人工島のポートアイランドの場合ＪＲでも阪神阪急でも三ノ宮駅で降りる）阪急でこれらの駅に近いとすると御影かなあ・・。１５０円で御影へ乗った。御影から上の駅まではちょっと遠かった。歩くこと２０分、やっぱ素直に阪神に乗り換えればよかったか。ＪＲ住吉駅到着。でも六甲ライナー（六甲アイランドを走る電車）への乗り口が分からず近くの東灘区民センターへ。意外にもここの４Ｆに連絡口があったりして。多分他にもあるんだろうけど。六甲ライナーはどこまで乗っても２４０円（全４駅）。目標は人物デッサンでは定評があり、しかも私の高校の大先輩にあたる故小磯良平さんの美術館。六甲アイランド北口という駅で下車。

「ひゃー」と声が出そうになるほど人工的なとこでした。もっぱら高層マンション・高層アパート・高層ビル・高層づくしの街で緑も完全に配置された場所にしかない。広い道路に地上１０メートルぐらいを走る六甲ライナー。日本的な作りの建築物などは見当たりません。外国の雰囲気がするでもないしやっぱ合う言葉とすればこれぞ”未来都市”。なんか行き交う住民まで違う人間のように見えてきたりして。びっくりしたのが六甲ライナーの真下に延々と配置されている水場（適当な言葉が思いつきません）で、そこはちょうど子供が泳げるぐらいの高さまで（広さも１０メートル以上ある）水が張ってあっていっぱい何百人と子供が泳いでたこと。上に電車が走ってるんですよ、すごくない？。行き交う人は日本人だけでなく外人も多い。セガのゲーセンで黒人がエアガイツやってたし（後日談）。多分高層マンションに住んでる子供たちの遊び場になってるんでしょう。美術館の方は駅から階段でちょっと降りたとこにありました。中に入ると平日で空いてた。静かだからいらっしゃいませという声が館全体に響く。入館料はかなり配慮された値段で２００円でした。３つのフロアに分かれて展示されている作品は数百はあるし、小磯良平氏のアトリエからいろいろ実物を持ってきて再現されたアトリエも解説員つきで見る事ができるし小磯ワールドを十分堪能できます。東京美術学校在学中は師の影響を受け力強い画風だったのがだんだんと独特の細かい描き込み丸い（小磯氏は丸いものに興味を持たれていたそうです）曲線の柔らかく精密なデッサンへと移行していくのが分かりました。絵の中で特に力を注がれている顔の表情はやっぱすごいわ・・・。氏の絵は人物デッサンの他にも風景画・静物画などもありますがやはり「細かい〜」とうなってしまうような細く柔軟なラインで描かれている女性画がイチバンだと思いました。少なくとも参考にはしたいと考えＡ４サイズ８枚セットの絵を買ってしまいました。２０００円なり。

美術館を出て、歩けそうだから沿岸まで一気に歩くことにしました。人工島だからそんな距離はないんです。途中立ち寄ろうかと思っていた”神戸ファッション美術館”も今日は休館日でおやすみ〜。ほんと今日はついてるんだかついてないんだか・・・。島には六甲アイランド高校（カッコイイ名前だね）と甲南大学のキャンパスがあり学生もちらほらと・・。六甲ライナーの終着駅マリンアイランド駅まで歩いて沿岸へ。芸術的なオブジェなどが飾ってあってなかなかの広さと風景が広がってます。これなら描けそうだ。合計３枚と少量だったけど絵を描く事が出来ました。めでたし・・・。

INFORMATION ←*[back to 活字 page] ←*[go to 魔法なひととき page]