数秘術というのはしばしば聞く事があるし、
ネット上でも数秘術による名前診断などがあります。
しかしこの本を読むと、これはかなり微妙なテクニック
で、一般的にはむしろあまり信用できないとまで言えるようです。
というのは、もともとはユダヤのカバラの技法であるために、
まず、これを英語やローマ字に適用させるところでひと騒動があります。
ヘブライ文字はもちろん英語のアルファベットとイコールではないので、
そこには欠けている文字やわからない文字があり、
また英語であれば英語独特の特徴、無音のkやghの扱いなど
さまざまな障壁があります。
言うまでもなく、その出自を考えるならば、単純にA=1、B=2、C=3…と当てはめていくやり方は
明らかな間違いです。(と書いてあります。)
そのために英語での数秘術は、あの魔術師クロウリー始めかなり
数秘術の流派…考え方が乱立しています。
(著者はクロウリーとも違うまた別の考えを持っており、これでは
何が正しいものやらわけがわかりません。)
やはりヘブライ文字の技術は、ヘブライ文字でなくては
意味が無いようです。
問題はさらに、名前なり言葉なりの数字をはじき出したとして
その後の処理にもあります。
伝統を無視したいいかげんな方法だと、一桁になるまで
ぜんぶの数字を足していってしまいます。これはどうも、
ほとんどの数秘術でやっている事のようで、間違いであるばかりか、考えてみると
かなり乱暴な方法だといえるでしょう。
小さいころ遊びでやったりしたのを思い出します。
この程度の子供がやるレベルだということです。
数秘術の伝統に忠実であるならば
ここで因数分解をして含まれている素数を割り出すと言う事です。
そしてその素数の持っている特徴と出てくる頻度から
数字を読み取っていきます。
各素数の意味を知っていなくてはならないので、これもまた難しいようで、
これらの障壁を乗り越えるにはかなりの”修行”が必要です。
特にカバラから英語などへの移行は、はっきり言って不可能であるだけに
少なくとも、独自の流派を旗揚げしなくてはならないほどの
検討が必要と言えるでしょう。
こうして見ると「カバラの伝統」をうたった数秘術はまず眉唾物
ではないかと思えます。
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