商品知識
煙草
私自身は煙草を全く吸わないのだが、今の店でアルバイトをするようになったために、煙草には大分詳しくなってしまった(笑)。
煙草を吸う人の殆どは、自分の吸っている銘柄が「普通」だと思っている。これは店員としては意外と困り物なのだ。
客 :「バージニアスリム下さい」
店員:「ライトですか? ワンですか?」
客 :「……普通の」
といった具合だ。自分の吸っている銘柄の正式名称ぐらい覚えておいて欲しいのだが、これぐらいはまだ可愛い方なのである。バージニアスリムで普通のと言えば、大抵はライトの方の事だと想像がつくからだ。だが、そう素直な例は少ない。
例えば……、
客 :「キャスター下さい」
店員:「はい」
と言って「普通の」キャスター(茶色)を出すと、
客 :「これじゃなくて、こっち」
と言ってキャスター・マイルドを指差す。分かるかそんなもん。この馬鹿親父。
他にも、
客 :「セーラム下さい」
店員:「はい」
と言って「普通の」セーラム(緑色)を出すと、
客 :「これじゃなくて、ピアニッシモ」
と言う。分かってんなら最初から言え。この馬鹿女。
あと、最悪だったのは、
客 :「マルボロ下さい」
店員:「はい」
と言って「普通の」マルボロ・ボックス(赤色)を出すと、
客 :「あ、ライト」
店員:「はい」
と言ってマルボロ・ライト・ボックス(白地金色)を出すと、
客 :「あ、メンソール」
店員:「はい」
と言ってマルボロ・メンソール・ボックス(緑色)を出すと、
客 :「あ、メンソール・ライト」
店員:「はい」
と言ってマルボロ・ライト・メンソール・ボックス(白地緑色)を出すと、
客 :「あ、ソフト」
と言う。最初から「マルボロ・ライト・メンソールのソフトパック」と言え。この馬鹿男。
客は、かなりの数の銘柄を略して呼ぶ。セブンスターは「セッター」、マイルドセブンは「マイセン」、ショート・ホープは「ショッポ」、フィリップモリスは「ピーエム」、バージニアスリムは「バージニア」。あと、稀な例だがラッキーストライクを「ラッキー」、キャスター・マイルドを「キャスマイ」と呼ぶ人もいる。よく、マルボロの普通のは「赤マル」、ラークの普通のは「赤ラーク」と呼ばれるが、これは種別間違いが無くなるので良いだろう。まぁ、「赤マル」と言われるとラッキーストライクを連想したくもなるのだが(笑)。
そういえば、マルボロ・ライト・メンソールは「マルメンライト」と略される。本来の語順から言えば「マルライトメン」になるはずだが、これは語呂の問題でこうなっているのだろう。
しかしながら、マイルドセブンに関してはもっと極端な略され方もする。なんと、全く銘柄を呼ばれないのだ。ライトとかスーパーライトとかいう種別は他の銘柄の多くに存在するにも関わらず、「ライト」とだけ言われればマイルドセブン・ライトの事だし、「スーパーライト」とだけ言われればマイルドセブン・スーパーライトの事なのだ。全く迷惑な話である。
まぁ、そこまでは百歩譲って許すとしても、どうにも納得できない例もあった。普通のマイルドセブンの事を「チャコール」と呼ぶのである。確かにパッケージには「チャコール・フィルター」とは書いてあるが……。ここにある煙草は全部チャコールフィルターなんだよ。この馬鹿女。
逆に、殆ど略されて呼ばれない銘柄もある。キャスター・ベヴェル・ライトである。これを注文する客は、なぜか殆どフルネームで「キャスター・ベヴェル・ライト」と言うのだ。勿論、語呂が良いというのもあるだろうが、実はパッケージには「ベヴェル・ライト」としか書かれていないにも関わらず、なのである。
煙草の種別を表すのにタールの量で言われる事も多い。例えば、「キャスター3ミリ」と言われれば、それはキャスター・スーパーマイルドの事なのだ。こればっかりは店員としてもある程度覚えておかないといけないだろう。もっとも、客がちゃんと種別名を言ってくれれば問題はないのだが。
でもこれに関しても時折、頭を傾げたくなるような事もある。
客 :「ケントの3ミリ下さい」
ケントの3ミリなんて聞いた事が無い……。念のためにカタログで調べたら、やっぱり無かった。
他にも、
客 :「セーラムの6ミリ下さい」
セーラム・スリム・ライトなんてマニアックな物、そうそう置いてあるところは無いぞ。
あるいは、
客 :「フロンティアの1ミリ下さい」
フロンティアはライトもライト100もピュアも1ミリなんだって。
煙草を吸う人は物忘れがひどい。なぜか、会計が終わった後に「あ、あと煙草……」と言う客が多いのである。
煙草は中毒性が高い。暴風雨の夜中、傘も差さず、煙草を1箱買うためだけにコンビニエンスストアに来る様子を見ていると、そうとしか思えない。今、私が勤務している店にはDリス便(利用料:\200/配達)という配達サービスが有るのだが、それを使って煙草1箱を配達させようとした客もいた。しかも大至急だと言う。その時のDリス便の担当が「只今混んでいるので30分は掛かります」と答えたら、電話を切られたそうだ。担当者は勿論切れる寸前。何故\450も出して煙草1箱を配達させようとするのか? 自分で買いに出れば済む事じゃないのか(ちなみに、Dリス便の営業している時間は、自動販売機でも煙草が売っている時間なのだ)? 大至急とは、煙草が無いと死んでしまう程なのか? 疑問は尽きない。
国産のソフトパックの物には、何故か2種類ずつある。箱の閉じ方が違うだけで、中身は同じらしいのだが。
同じ銘柄の同じ種別の煙草でもソフトパックとボックスの両方がある物がある。これらの中身については「全く同じ」と言う人もいれば「味が違う」と言う人もいる。真相はいかに?(螢)
酒
私自身は酒は全く飲まないのだが、今の店でアルバイトをするようになったために、酒にはそこそこ詳しくなってしまった(笑)。
缶ビールを買っていく客の中で、同じ銘柄の350ml缶と500ml缶を一本ずつ買っていく客が多い。これが何故なのか周りの酒飲み連に聞いたが、誰も分からないと言う。理由を知っている方は御一報を。
ワンカップ大関、プラQ、ちび鬼。これらを買っていく客の殆どは、アルコール中毒だと思って間違いない。中には店の前で缶コーヒーでも飲むかのように一気にあおる親父や、店内を飲みながら徘徊しているタチの悪い親父もいる。
夜中に酒を買いに来るような若い連中は、飲み会の途中で酒を買い足しに来ている事が多い。つまり、その時点でかなりの酒が入っているのである。中には車で来る馬鹿もいる。つまり、飲酒運転である。という訳で、期末で検挙ノルマに追われる警察の方、夜中に酒を扱っているコンビニエンスストアの所で待ち伏せをする事をお勧めする(笑)。(螢)
菓子
菓子を値付け品出しする時に一番困るのは、ロッテ製品だ。ロッテ製品の外箱の多くは厚手で表層だけ剥離し易い紙で出来ている。だから、箱を開け口から開けようとしても、切り紐が途中で切れたり表層だけめくれてしまって巧く開かないことが多い。大した事のない手間と思うかも知れないが、扱う数が半端ではない店員にとっては、この手間が結果として大変な手間になることも有るのだ。メーカはもっと値付け品出しをする店員の身になって外箱を作って欲しいものである。
「ホルン」という菓子がある。これの個装はかなり厄介なものだ。私は親がパチンコで取ってきた(笑)これをかなりの数喰っているが、未だにちゃんとこの個装を開けられる可能性が低い。切り紐を引いて巻き切るタイプなのだが、途中で切れたり表面だけ剥がれて中の透明フィルムが残ったりし易いのだ。メーカというのは、意外と出来上がった製品の外装には無関心なのかも知れない。(螢)
「じゃがりこ」という菓子がある。これは内容量が同じままカップが小さくなったのだが、実はその原因は、消費者(というよりクレーマー)が「カップの大きさの割に量が入っていない」とクレームをつけたためらしい(笑)。カップにはちゃんと「製品の破損防止のために容器が大きめになっています」とわざわざ書いてあるのに、いちいちくだらない事にクレームをつける馬鹿なヤツはいるものだ。(螢)