おちゃのバックルーム(2)
絡まれちゃったのよ、やややんやん(古いねどうも)
初めて読む人の為に書きますが、私(おちゃ ひでき)は今から10数年前、某大手全国津々浦々ネットのコンビニ「子分親分やな気分(仮名)」で深夜専門でバイトしておりました。これはそのころのお話です。
ある晩一人のちょっと「ヤンキー」入った男が店内で雑誌のウンコ座り読みをしてました。それはまぁそれでいいのですが、買ったおにぎりの包みを散らかしたりご飯をこぼしたりと、それはもう馬鹿丸出しでした。
それでも客は客、よっぽどのことがない限りはほっとくのですが、とうとうタバコを吸い始めたので困っちんぐ……。「店内禁煙」で、オーナー(店主)からは徹底的に「ご協力願うように」言われているのでやむなく「お客様、店内禁煙になっておりますのでご協力お願いします」と言ったところ……。
「なんじゃぁおらぁ!」
と怒鳴りだしたではありませんか。もっともこれは予想の範囲内だったので驚きもしませんでしたが、「表へ出ぇっ!」と言われて正直「面倒だなぁ。ほかにも仕事あるのに」と思いました(笑)。
言われたとおり表へでると、店内や隣の本屋や向かいの酒屋の自販機にたむろしていた仲間、7〜8人が集まって来て私を取り囲みました。ケンカなど弱いし、逃げるにも足の遅い私ですから(仕事ほったらかして逃げられないけど)びびりまくって泣くところですが、B型の血のせいなのかどうか、何か開き直ってしまい、「殴りたいなら殴らんかい」と言わんばかりに突っ立ってました。
その馬鹿な客、「いい気になりやがって歳はなんぼ(いくつ)なぁっ?」とか「どこに住んどるんなぁ、火ぃ付けるどおまえんちに!」とか叫んでましたが、「関係ない教え
る筋合いはない」と突っぱねました。後で解ったことですが、彼らは皆年下で未成年でした。夜中にコンビニや本屋でたむろとはいい身分だなぁ、馬鹿とすねかじり学生(あ、「すねかじり学生」も馬鹿の代名詞か)は。
「いい気になってるとうちの若い者達がなにするか解らないぞ」と言う意味の言葉を広島弁でまくし立ててましたが、「おまえはできないのか?」、「おまえは一人じゃ何も
できないのか?」と突っ込めば益々いきり立つ(そりゃそうだ(笑))。
挙げ句に「わしの他にもタバコを吸っているやつがいるのに注意してないだろうが。わしだけ注意するな」といよいよ言うことが無くなってこんなことを言い出しました。
所詮馬鹿ですから言葉で決着を付けられるような人間ではなく、気に入らなければ……旗色が悪くなれば殴って相手を黙らせることしか取り柄がないので、これがいよいよ最後の台詞です。この台詞を突っ込みで返せば見事に殴られるはずでしたが……。「俺はヤクザにでも喫煙を注意する。客で差別はしない」と言ったら、「なにぃ?」とその馬鹿が言い返し、いよいよ臨戦態勢!……と思いきや、取り囲んでいた男が一人「あ」と言ってちょっとうつむいたので話は変わりました。
その男、以前店にヤクザが来たときに私が喫煙を注意したら「ひっ」と悲鳴を上げて逃げたんです(この話は後に)。
「あ、普段店の中にゴミを散らかしたりするのにヤクザが来たら速攻で逃げた人じゃないか。普段つっぱてるのに意外と臆病者なんだね」と言ったらむっとして睨んできましたが、所詮数が揃わないと何も出来ないし、基本的に逆らえない人間だけに対して強気な馬鹿ですからそれ以上は何もしませんでした。やはり「ヤクザを前にして逃げた」と言うのは結構本人も気にしてるみたいです(笑)。
で、最初に絡んできた馬鹿が「ホントか?」と聞いたらその男が頷いたのでしばらく沈黙が流れたのですが、馬鹿が「それがどうしたと言うんだ」と開き直ったので、「だからお客様を差別せずに皆様にお願いしてるつーことだってば。解らないかなぁ、これが」と言ってさらにいきり立たせる(笑)。もうこれで殴られるのは決定なのに何をひねくれているのかびびりもせずにケンカを売ったのは、今考えると恐ろしいです(笑)。
しかし、強気なこと言う割に意外と気が弱いのか「いい気になるなよ」とか「うちの若いもんが」とか繰り返し、一向に殴ってくる気配はありません。 そうこうしてるうちにどこかの誰かが通報してくれたのか警官とパトカーがやってきました。警官は近くの交番から、パトカーは巡回中で応援に来たみたいです。
実は店内にもうひとり店員が居たのだが店の中から見てるだけ(笑)。まぁ、他に店員が居るからこの馬鹿どもにつき合ったんだけど。そうでないと万引きオンパレード(爆笑)。
警官が来て逃げ出すやつも居たものの、その馬鹿だけは決着がつかないうちに逃げるのは嫌だったのか残ってました。逃げようとする奴らに私が「今まで『仲間でござい』みたいな顔(つら)して取り囲んでおいて、やばくなったら自分だけ逃げるのか?」と叫んだら、二人ほど立ち止まりました。「ヤクザにびびって逃げた」男ともう一人。
そして馬鹿に向かって「おまえも惨めだねぇ、つき合って捕まってくれる奴は居なくて上っ面だけのお友達ばかりで」と言ってやりました。 何か言い返そうとしてましたが、そのときには既に警官が近くまで来たのでそれで終わりました。
結局「喫煙を注意されて腹が立って取り囲んだ」等という言い訳が通るわけもなく、3人ほどしょっ引かれていきました。
こっちも仕事があるので簡単な事情聴取だけで解放してもらい(元々悪くは無いんだし)、仕事へ戻ったのですが、後日逃げた奴らも全員芋蔓式に捕まったそうです。つくづく友達がいの無い奴らだなぁ(爆笑)。
後に警官から「この間の全員の名前と住所とか全部調べてあるので、何かあったら『この間の奴ら』と言って貰えればいいから」とお墨付き(?)の安全をいただきました(笑)。
奴らに絡まれた翌朝オーナーにその旨を報告したら、「それは大変だったなぁ、ちゃんと話は付けるからこれからも来てくれよ」と言われました。「話は付けるから」……。
実はかなり後に聞いた話なんですが、この店のオーナーは「ヤ」な人らしいんです(^^;。
後に巡回に来た警官にそういう話を聞いたし、夕方のバイトの子からも聞いたのですが、結構それ系の人が挨拶に来てたそうです。ひゃー(^^;。
その後も何度かそいつらは来たのですが、「店の中にゴミ散らかさないでね、**君」とからかうとムキになってましたが、「名前とか歳とか全部教えて貰ったから」と言うと悔しそうな顔をしました。そこでトドメ。
「有ること無いこと……無いことだけを警察に言っても、俺が言えば信じて貰えるんだぞ。おまえらは何言っても信じて貰え無いけど。『この間の**君が防犯カメラに写らないところで食い物盗んで食いました。』と言っても信じて貰えるだろうな。おまえらがいくら弁解しても信じて貰えないけどな」
実際そんなことは無いのですが、引け目を持ってる上に自分たちのことは全部ばれてると言う強迫観念も有ってか、すごすご引き下がりました。それでも店の前に止めてある私のバイクのナンバープレートを曲げてみたり、わざとゴミを散らかしたり、小便を撒いたりをとガキ丸出しなことをやってましたが、いつの間にか消えていきました。素行不良な処を除けば常連だったからちょっともったいなかったかな(笑)。
しかし私もガキだよなぁ。言わなくてもいいのにちょっと立場が強くなったような気がして調子に乗って。やっぱまだ若かったしなぁ……20代はじめだし……。はっ? 今でも若いですけどね。今二十歳です。りょうちゃんはハタチ。誰がなんと言おうとハタチ! 解ったか?香(ネタが古いぞ)。(お)