廃棄品のレシピ


廃棄品とは!
 販売期限の切れたり破損した食品は販売用の棚から下げられるが、これの事を廃棄品と呼ぶ。本来なら廃棄品は、オーナー一家以外は食べる事も持ち帰ることも許されず生ゴミとして処理されるが、実際にはアルバイト店員達の食糧となっている事が殆どである。実際には、冷蔵さえしておけば販売期限より一週間以上経っても(少なくとも私達にとっては)問題無く食べられるのだ。これがある意味アルバイト達にとっても毎日のボーナスとなっているので、多少の割に合わない仕事でもこなせる活力源になっているとも言える(言い過ぎ)。また、廃棄品を食べる回数を多くする事によって、食費を限り無くゼロに近付けることも出来る。アルバイト店員達にとっては、経済的にも重要な存在なのだ。
 ただ、それには問題が有る。廃棄品として手に入るメニューはかなり幅が狭い物だ。また、Aーエムピーエムのように、基本的に弁当が廃棄にならない為に手に入るメニューの幅が狭くなっているケースもある。流石に似たような物ばかりを食べていては、飽きるし頭も悪くなる。そこで、廃棄品を有効に活用するためには、その食べ方を工夫する必要があるのだ。
 廃棄品レシピの為には、調味料や多少の他の食材が必要になる。ただ、それにお金を掛け過ぎてしまうと廃棄品の有効利用とは言えなくなるので、このコーナーでは最低限のコストで最大限の効果を上げる方法を考えて行きたい。(螢)

お茶漬け
 廃棄品のおにぎりを使ったレシピの中で、最も手軽で具の内容も殆ど選ばないのがお茶漬けだ。本式のお茶漬けなら、どんぶりにおにぎりを入れ、その上からお茶を注ぐだけなのだが、簡単に味を整えたいなら、お茶漬け海苔をかけて、それにお湯を注ぐ方をお勧めする。後は、米をほぐしながら食べるだけだ。
 おにぎりは海苔が直巻きの物でも構わないが、手巻きの物の海苔を除いて入れておき、海苔は後からちぎってかける方がより良いだろう。一般に、廃棄品レシピとしては、おにぎりは海苔が直巻きの物よりも手巻きの物の方が使い勝手が良い。ただ、手巻きのおにぎりの方は米が大分圧縮されているので、沢山作り過ぎないように注意が必要。おにぎりを二つ入れると、かなりの大盛りになってしまう。(螢)

雑炊
 お茶漬けの亜流のような感覚で出来るのが雑炊だ。鍋にお湯を沸かし、おにぎりを入れてほぐし、味噌や顆粒のコンソメや鶏がらスープ等を適量溶かし込むだけで良い。
 スープを工夫したり、卵を落として一緒に煮たり、追加の具を入れたりと、色々なバリエーションも楽しめる。ちょっとお洒落な洋風リゾットのように仕上げることだって可能だ。(螢)

炒飯
 これも廃棄品おにぎりレシピの代表格と言える。一部の炒飯に適さない具が入っているおにぎり以外、殆どのおにぎりを使うことが出来る。あらかじめおにぎりをほぐしておく。フライパンには油を敷いて(テフロン系のフライパンなら敷かなくても良い)温めておき、そこにほぐしておいたおにぎりを入れて、焼くようなつもりで一気に強火で炒める。強火の出せない電気コンロだったり、どうしても仕上がりがベタベタしてしまうようだったら、水溶き片栗を少量入れると巧く仕上がる。
 もともとおにぎりには具も入っていて味も付いているはずなので、調味料を加えなくても良いことも多いが、味を付けるならやはり顆粒のコンソメや鶏がらスープ、あるいはケチャップ等を使うと良い。(螢)

オムライス
 炒飯から発展したレシピがこれ。ケチャップ炒めした炒飯に、薄焼き卵を被せるだけだが、かなり見栄えは良くなる。
 卵は(1人前なら大2個程)をあらかじめ割って良く混ぜておき、温めておいたフライパンに流し込み、手速くフライパン全体に広げる。あとは弱火で生地が固まるまで、焦げないように気を付けて焼き上げる。薄焼き卵が出来たら、後はケチャップ炒めしておいた炒飯に被せれば完成。
 薄焼き卵の上に直接炒飯を乗せて、フライパンを少しずつ返して薄焼き卵を巻き込むとか、皿をフライパンに乗せてそのままひっくり返して皿に盛るとかいうテクニックも有るが、廃棄品レシピでわざわざそこまでする事もないだろう(笑)。もっとも、そうした方が炒飯側の温度の面で良いのは確かなのだが……。
 ちなみに、炒飯を炒める時に使ったり薄焼き卵の上にかけたりするケチャップに、ソースやマヨネーズ等を加える等の工夫をしてみても、また新しいバリエーションが楽しめる。(螢)

ドリア
 これも炒飯からの発展レシピだ。ポイントとなるのはやはりホワイトソースだろう。ホワイトソースは市販の物を使っても良いが、折角なので(?)、自分で作る事にしたい。
 バター大匙2〜3杯程を温めたフライパンか鍋に溶かしておき、そこに小麦粉を大匙3〜4杯程度入れて混ぜる。焼き付かない内に手速く冷たい牛乳を約500cc入れ、小麦粉がダマにならないように気を付けながら混ぜる。牛乳を入れるときは少しずつ入れた方が溶かし易いが、遅過ぎて牛乳が温まってしまうとかえって溶けにくくなるので注意。そのまま弱火で煮つめて少々とろみが出たら約2〜4人分のホワイトソースが出来上がりだが、時間の無い場合は強火で煮つめてしまっても構わない。ただその場合は、焦げ付かないようにマメにかき混ぜる事。また、とろみを強制的に強くしたい時は、少量の水溶き片栗を加えても良い。
 炒飯をグラタン皿のような耐熱容器に盛り、それにホワイトソースをたっぷりかけてから上にメルトチーズをふんだんに乗せる。好みによってマヨネーズやパン粉、パン屑(廃棄品のパンをちぎった物で良い)等を始めとした具をトッピングとして乗せるのも良い。それからオーブントースター等に容器ごと入れて焼く。オーブントースター等が無い場合は電子レンジでも可能だが、オーブントースターの方が巧く出来る。焼いている途中では表面を良く見ておき、適当に焦げ目が付いてきたら焦げ過ぎ防止のためにアルミホイルを表面に被せる。全体に良く火回った頃合いか、食べる人の好みの焼き加減で取り出せば、ドリアの完成。なお、ホワイトソースをかけてから焼くまでに時間が掛かると米がふやけてしまうので、手速く調理を進める事。
 もしホワイトソースを作っている余裕の無い場合でも、炒飯を盛ってメルトチーズを乗せ、それをオーブントースターで焼くだけで手軽に「ドリアもどき」を楽しむことも出来る。(螢)

手巻き寿司
 手巻きおにぎりから取った海苔が沢山溜ってしまう事がある。それを大量に消費する方法の一つがこれ。とは言っても、海苔以外は廃棄品を使わないのだが……。
 手巻き寿司の場合は米に廃棄品を使うのは難しいので、自分で炊くしかない。炊いた米はすしのこ等を使って寿司飯にしておく。具は安いもので構わない。胡瓜とツナの缶詰ぐらいがいくらか有れば良いだろう。ツナの缶詰以外にも、鮭の缶詰、コンビーフ等でも良い。胡瓜は適当な大きさの柱状に切り、缶詰は余分な油を切りマヨネーズで和えておく。醤油も用意しておこう。
 用意が出来たら、海苔に寿司飯を少なめに乗せ、さらに好きな具を乗せて巻く。後は醤油をつけて食べるだけだ。(螢)

野菜炒め
 廃棄品のサラダもそのまま食べているだけでは飽きてくる。そこで、それを野菜炒めにして食べるという方法もある。キャベツ、レタス、胡瓜、トマト、ツナ、コーン、にんじん、鶏肉、ポテト、大根、もやし、きびなご、ちりめんじゃこ等、海藻を除いた殆どのサラダの具は炒めても美味しく食べられる物だ。そこで、サラダを丸ごと炒めてしまう訳だ。
 野菜炒めの調味にもやはり、顆粒のコンソメや鶏がらスープが役に立ってくれる。油っ気が欲しい時はあらかじめフライパンに油を敷いておいてから炒めると良い。また、レタスなど固い素材が入っていて、なかなか野菜炒めとしてなじまない時は、水を少量加えてからフライパンに蓋をして少しの間蒸し焼きにすると、しんなりとしてくる。
 野菜炒め単体として食べる以外にも、炒飯の具として混ぜたりするのも良い。また、水溶き片栗を加えてとろみを出し、あんかけ風野菜炒めにしたり、それをインスタントラーメンの上にかける等、このバリエーションも多い。(螢)

皿饂飩
 野菜炒めの食べ方のバリエーションの一つ。\108/2食ぐらいの安いチャーメンを買ってきて、野菜炒めとチャーメン付属のスープで作ったあんを混ぜてチャーメンにかける。野菜炒めの量によっては、そこそこボリュームの有る皿饂飩になる。もちろん、あんは付属のスープではなく自前の水溶き片栗と調味料で作っても良いが、慣れないうちは付属のスープで作った方が失敗が無いだろう。(螢)

麻婆豆腐もどき
 廃棄品の豆腐の料理法の一つ。麻婆豆腐にしようとすると麻婆豆腐のもとなどが必要になってしまい、それでは豆腐自体よりも費用が掛かるので廃棄品レシピとしては癪である(笑)。そこで、安価に出来る麻婆豆腐もどきのレシピを紹介しよう。
 豆腐を賽の目に切ってバターで焼き付けるように炒める(バターで炒めるなら、水を切る必要は無い)。その後に胡麻だれを和えるようにするだけだ。胡麻だれも、棒棒鶏サラダについているような胡麻だれドレッシングで構わない。好みで塩、胡椒などで調味しても良い。白飯のおかずとして良く合うだろう(螢)

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