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映画で学ぶフランス語 第2号(1998/09/05)
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Scene 2
さて、パーティが終わって、客たちを追い返しました。ピエールは脚が疲れたと言ってい
ますが、さあ、これから後かたづけ。
Pierre: Ah, les pieds, dis donc.
Michel: J'te dis pas ce que c'est. J'te dis pas.
Pierre: C'etait bien!
Michel: Oui!
Pierre: Qu'est-ce qu'il fait Jacques?
Michel: Il roucoule avec une brune. Sophie, je crois.
●最初の方は気にしないでください。途中少し抜けてます。roucoulerは、鳩の鳴き声
の擬音語でしょうか。口説きの言葉や口調は、どうも鳩の鳴き声に似てくる?

Pierre: Sophie, tu crois? C'est Lily qu'elle s'appelle.
Mechel: Lily or Sophie, elle a un tres joli cul.
●パーティでジャックが口説いていた女性がどうやら残ったようです。二人とも彼女の
culお尻が気になって仕方がない。mon cul!だめさなど、culは俗語の表現が山ほど
あります。いずれたくさんでてくるでしょう。『地下鉄のザジ』には、何か言うたびに最後
にmon culをつける少女がでてきましたね。女性の方はあまり真似されないように。

Pierre: Ah dis donc! Nicole s'est collee a mes basques toute la soiree.
J'ai pas pu approcher Nathalie.
●dis donc!は、相手の注意を促す言葉。おい聞いてくれよと。だからさ、とか
それでさとか、何でもいいわけですが。最初の行にもでてきましたね。
それと、Nicole s'est collee a mes basquesは、etre toujours pendu aux
basques de quelqu'unうるさくつきまとうを言い換えた表現。se pendre aux
basques…とも言います。basquesはモーニングですが、そのしっぽにくっついて離れ
ないわけです。ニコルはぼくに気がある。でもそのためか、気になるナタリーにはアタッ
クできなかった。

Michel: La copine de Jean-Marc?
Pierre: Oui, une affaire au plumard d'apres Jean-Marc.
●plumardはplume羽毛のベッドからきた言葉で、ベッドのこと。邦訳では床上手
のような訳になっていましたね。ナタリーはジャンマルクがつれてきたのでしょうね。

ここでジャックが二人で飲むウイスキーを探しに登場。
Jacques: Il ne reste pas un peu de Whisky?
Pierre: Si, il est la. Je viens de le ranger justement.
Jacques: Vous m'accuserez de ne pas vous aider. J'ai une affaire en route.
●このavoir quelque chose en routeは、第一場ででてきたavoir quelque chose
sur le feuと同じ意味ですね。ちょっと手がはなせなくてさ。邦訳はフライトのことだと
していましたが、疑問。後かたづけをしないで女性と二人で部屋に閉じこもっているので、
Vous m'accuserezといっています。

Michel: Ce n'est pas demain que tu pars a Tokyo?
Jacques: Si, si, aux aurores. Laisse tomber ca, Pierre. La concierge
vient demain.
●laisse tomberもよく使う表現。ほっとけよ。明日はコンシエルジュのおばさんがきて
掃除してくれるさ。ジャックは後ろめたいのです。

Pierre: Non, mais, je fais juste les verres.
Michel: Dis donc, une nuit blance, plus le decalage horaire au Japon, t'as la
sunte!
●ミシェルはジャックに少し皮肉っぽい。nuit blancheは徹夜ですね。徹夜して(さて、
なにで徹夜するのでしょう。邦訳では夜通しのフライトといっていましたが、果たし
て....。)、日本に飛んで、時差に耐えなければならない。おまえも元気だなぁと。
decalage horaireは時差。le decalage horaire enter Japon et France のよう
に言いますが、時差の時差よりもここでは時差ぼけがいわれています。

Jacques: Ah, elle a un de ces croupions, la gamine. On en mangerait.
● croupionsはお尻。culと同じですね。あの娘la gamineは、なんともいい
croupionでさ。映画の翻訳ではケツと訳していました。ただし、セックスそのものをさ
すこともあるので、女性は使わない方が。また、Elle a un des ces croupionsの
un des ces....はなにかを大袈裟に言うときの表現。たとえばJ'ai une de ces
faims!というと、ひどく腹が減ってさという意味になります。On en mangeraitは
なにを言いたいかは分かりますよね。


★今日の表現
●laisse tomber
laisser tomberはフランス語としてわりと新しい表現。でもひどい俗語ではなく、女性
が使っても大丈夫です。tomberという語の本来の意味はほとんど失われているので、
知らないとよく理解できないし、使えない表現。ほっておくという意味を表現する言葉
が他にあまりないので、知っているととても便利です。
主に三つの文脈てで使います。一つは、友人などにニュースなどを知らせないとか、も
うお金を貸さないとかいう意味でつかわれます。
Alors, on ne donne plus de nouvelles aux amis, on les laisse tomber?
のように。laisser tomber un amiというと、お見限りというイメージもありますね。

もう一つは、ここの文脈に近く、ほっとおくという意味。そのままにして、構わないでおく。
第三の文脈は、態度などを変えることを奨励するときに使います。
Tu est ridicule de te monter comme ca...laisse donc tomber, ne te fatigue
pas.
se monterはかっとする。そんなの変だよ、よしなよと。

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読者の方からお便りをいただきました。今回は2通。ルンルン。
まず、konnoさんからのお便りを紹介します。

>寺田さんこんにちは。これもMLの方に出すべきなのでしょうか。
konnoさん、こんにちは。フランス語ネットワークの方にも参加していただいてます
ね。

>このメールマガ
>ジンは赤ちゃんに乾杯!のテキストを持ってた方が便利ですね。私は8年前に
>白水社から出されたシナリオを持ってます。飯田橋の欧明社で買いました。(まだ
>飯田橋に住んでいて日仏学院に通っていた頃です・・・)今も売っているのかなー?
>もしかしたら寺田さんも持っているのでは?

ふーん。そうなんだ。印刷版のテキストが発行されているんだ。ぼくの使っているのは
(もちろんぼくもテキストを使っています。やはりこういうのは、ネイティブの人が聞き取っ
たものか、最初のシナリオを使う必要がありますよね)、アクサンなしのタイプうちのテキ
ストで、ネイティブのフランス語の先生が作成したものとか。もしかしたら、印刷版のテキ
ストの元ネタかもしれません。もしまだ入手できるのなら、読者のかたがたもご用意いた
だければと思います。

>先日、この映画が使われると知って、
>ほとんど忘れかけて埃をかぶっていたこの本を引っ張り出してきました。ビデオ
>も8年まえにダビングして何回も見ています。何だかあの頃を思い出してうれしくな
>りました。そうそう本にはさんであった8年前のしおり(単語と意味が沢山書き込
>んである)を見つけ、またまた思い出にひたってしまった私です。
昔愛読していた本とか久しぶりに開いて、その頃の友人からの手紙とか出てくると、流
れた時間があっという間に消えて、タイム・スリップしてしまいますよね。

>時事フランス語の方はペースが速くてなかなか大変です。とりあえずファイルして
>ゆっくり取り組むつもりです。
時事フランス語の方は、少しやさしくしつつあります。難しすぎるというご意見が多かっ
たので。今後ともよろしくお願いします。
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次はもとさんのメールです。
>こんにちは
>映画で学ぶフランス語 第1号拝見しました。 今年4月にParisに旅行に行くとい
>う事でフランス語を習おうと決心しましたが、なかなか難しく上手く頭に入りま
>せん。 ずっと、このような物が出ないかと思っていました。
>
もとさん、こんにちは。パリ旅行ですか。いいですねぇ。フランス語の勉強も、はじめた頃
はワクワクするでしょ。

>なかなか使えそうな表現があって良いです。 初心者ですがこれを機会にがんば
>ろうと思います。これからも頑張って続けて下さい。
励まし、ありがとうございます。もとさんもぜひがんばって続けてくださいね。

>ちょっと難しそうな単語や熟語があったら下に抜き出して欲しいです。
>
>あとフランソワ・トリフォーの映画が好きなのでそれも題材にして欲しいです。
>
>では失礼します。
>
>東京@もと
トリュフォーもいいですね。まだしばらくこのフィルムにかかりますが、次は皆さんのご意
見をもとに、映画を選びたいと思います。今後ともよろしく!!

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なお、ホームページには、このメールがテキスト・ファイルとRTFのリッチテキスト・ファ
イルでリンクしてあります。RTFファイルは、OSがWindowsの方なら、だれでもアクサ
ンつきで読むことができるはずです。
スタートからプログラムを選んで、アクセサリを選択すると、その中にワードパッ
ドのプログラムがあるはずです。ファイルをダウンロードした後で、開くのところで
ァイルの種類をリッチテキスト形式(.rtf)にしてください。するとダウンロードしたファイル
が文字化けなしに開けるはずです。

ぜひアクサンつきの文をお読みください。

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映画で学ぶフランス語 第2号 [719部]
寺田 駿official:terra@cyberdude.com
private:terra_3@geocities.com
ホームページ: https://members.tripod.com/~terra_3/
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配信: まぐまぐ(http://www.mag2.com/ )
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