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映画で学ぶフランス語 第3号(1998/09/08)
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Scene 2 (suite)
Pierre: Justment on en parlait avec Michel…
Michel: C'est Lily ou Sophie qu'elle s'appelle?
Jacques: C'est Clementine mes agneaux! Et alors Michel?
La petite Sophie, ca gaze?
●Justment on en parlait avec Michel…
そうそう、という感じで、ふたりが先ほどの定めの話題に戻ります。いまミシェルと彼女に
ついて(en)話していたんだよ(parlait)。半過去の典型的な用法ですね。話していたの
はぼくたちですが、こういう場合にもonはよく使います。ふたりともcul/croupionのこ
としか覚えていない。名前はまったく外れ。

●mes agneaux!
ところで、フランスなどでは、親しい人を動物や野菜などの名前で呼びかけることがよく
ありますね。あれは日本人にはなかなかできない...。どんな動物の名前で呼びかける
かで、かなりニュアンスの違いが出ます。agneau子羊は、おとなしい人を指しますが、
ここではどういうニュアンスでしょう。

●ca gaze?
どうもSophieはミシェルのガールフレンドの名前だったようですね。「ところで君のソフ
ィーは元気かい」

Michel: Moi, mon vieux, j'ai 34 dessins a rendre dans 10 jours. Toutes
mes nuits sont prises jusque-la. Apres je vous rattraperai. Et laisse pas
trainer le numero de telephone de ta Clementine, dans 10 jours, je fais des
ravages.
●j'ai 34 dessins a rendre dans 10 jours.
avoir a +(inf)は、あることをしなければならないというときに使います。rendreはな
かなか難しい動詞。多くの動詞はかなり明確な意味領域があるのですが、rendreは領
域がかなりあいまい(flou)で、別にずっと使わなくても平気かもしれない。でもうまく使え
るとじつに使い勝手のよい動詞です。ここではデッサンを納品するの意味で使ってい
ます。ぼくは10日後に34枚のデッサンを提出しなければならない

●laisse pas trainer le numeroは少し難しい。trainerは引きずる、その辺に放置し
ておくことを意味します。そのあたりに書いておくなよということでしょうか。あるいは
なんでそのあたりに書いておかないのさと逆説的な意味にも。laisse trainer は普
通は小渕内閣のように、問題を解決せずにぐずぐすと延引することを言うのに使います
ね。

●dansはのうちにと考えてしまいがちですが、ここでは10日以内ではなく、10日後
を意味します。Il part dans dix jours.といえば、10日以内に出発するのではなく、10
日後に出発するのです。

●faire des ravagesは、いかにもこのような時に使うぴったりの表現。日本語でなん
といえばいいのか、どなたか名訳はありませんか。たとえば次のように使います。
Il fait des ravages, c'est un veritable don Juan.
あいつは女漁りをする。やつは本物のドン・ファンだなぁ。

Jacques: Je te laisserai son microphone sur la potiche dans l'entree
demain matin avant de partir. Si je mets un croix a cote de numero, c'est
que ca vaut le coup, sinon je ne mets rien. Allez, ciao les potes, je ne
vous reveille pas demain? A dans 3 semaines!
最後のdansは前に出てきたのと同じ。3週間後に。
ところで、ジャックは今晩相手を試してみて、よかったら、電話番号を書いておくといって
いるのですね。どうもこの独身貴族3人組みは女性を回しているようです。

● valoir le coup de + (inf)は何かをする価値がある。ここでは電話をかける価値が
あるかどうかを、今晩の相手の具合で、しるしをつけておくといっています。どうもアリ
ババのお話のようですが、少しひどい話ではあります。
● poteはamiの俗語。日本語だと相棒ぐらいのイメージ。mon amiの代わりmon
poteなどと呼びかけます。

Scene 3
Jacques: Fais attention, ils dorment. Oh, attends, excuse-moi, je reviens
tout de suite, j'ai oublie un truc. Au revoir.
そして明け方にでていく二人。寝ている男たちを起こさないようにと、ジャックは夜をとも
にしたClementineに言っています。そして何かtruc忘れ物をしたふりをしながら、玄
関のpotiche(花瓶)のところに電話番号を書いたメモを残していきます。Clementine
は外れだったらしく、ジャックは大きな×をかいていましたね。このあたり、ビデオではほ
んど聞き取れない小声で語られています。

★今日の表現
avoir a + inf.
なにかをしなければならないときには、普通はdevoirを使いますね。Je dois partir
demain.のように。でもこのavoir a + infでも表現できます。J'ai a partir demain.
肯定形はとくに文語的な表現でよく見かけますが、口語でもおかしくないです。(Il faut
queもありますが、これを使うとIl faut que je parte demain.と接続法になるので、
口語ではちょっとという感じ。接続法はきちんと使うと、教養のしるしですが)。
devoirとavoir a + inf.はほとんど同じに使えますが、ちょっとしたニュアンスの違いも
あります。たとえば遊びにいこうと誘われて、宿題しなきゃと断るとき、
J'ai des devoirs a faire.というのと、Je dois faire mes devoirs.というのと、少しニ
ュアンスが違いますね?

でも特に便利なのが、否定形の表現です。たとえば。
Vous n'avez qu'un instant a attendre.といえば、待つのは一瞬だよという意味で
すね。
On n'a qu'a aller a l'hopital.といえば、病院にいくっきゃないということになります。
あるいは
Nous n'avons plus qu' a signer.といえば、あとは署名するだけということになりま
す。
こうした否定形のavoir a の表現は、他の言い回しではなかなか言いにくいので、覚え
ておきたいですね。

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こんのさんに教えていただいたシナリオを丸善で調べてみました。
『赤ちゃんに乾杯!』
著編者: 高田勇
出版社:白水社
刊行年:1990.2
90p
金額: \1,602
残念ながら品切れのようで、購入はできませんでした。

それから前回のスクリプトでタイプミスがありました。
Michel: Dis donc, une nuit blance, plus le decalage horaire au Japon, t'as la
sante!
という文の最後の単語がsunteになっていました(ハテ?)。お詫びして訂正します。

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イルでリンクしてあります。RTFファイルは、OSがWindowsの方なら、だれでもアクサ
ンつきで読むことができるはずです。
スタートからプログラムを選んで、アクセサリを選択すると、その中にワードパッ
ドのプログラムがあるはずです。ファイルをダウンロードした後で、開くのところで
ァイルの種類をリッチテキスト形式(.rtf)にしてください。するとダウンロードしたファイル
が文字化けなしに開けるはずです。

ぜひアクサンつきの文をお読みください。

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映画で学ぶフランス語 第3号 [740部]
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