「同人界の現状について考える」
純粋創作保護同盟・編
ここ数年、「同人」と名乗りながら、かなり営利的な動きをする派閥が存在
するように思う。本来ならば利潤をその目的としないはずの同人活動にもかか
わらず、確実に市場経済に介入している部分だ。
その冴えたる例と言えば、同人作品を委託の形で常時販売する店の存在。あ
るいは、それら店舗の拡張・進出など。同人作品で動くはずのない部分に、経
済効用が見られたりするようになってきた。
これに抗議すべく、我々「純粋創作保護同盟」は、このテキスト・ファイル
を作成した。コミケやパソケといった即売会に出入りしている方で、製作サイ
ドの現状をご存知ない方などに是非読んで頂きたいと思う。これを読んだ後、
そういった会場、あるいは店に足を運べば、少しは違った視点で見ることが出
来るかも知れない。
そして何より、同人界に市場主義経済の力が介入してくることを嫌う、我々
と同じ意志を持つ方々。この現状を阻止すべく、断固抗議しようではないか。
我々は利潤を追求しない、純粋な創作活動を支援する同盟である。
なお、この論述を作成するにあたり、情報提供などご協力頂いた諸サークル
代表の方々、ならびに寄稿してくれた あいらぶ・ばにぃ 氏には、この場を
借りて感謝する。
松永とかげ
○主題論述その1
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「メッセサンオー」等、同人ソフトを販売する店の取扱い商品傾向論述
1995年5月15日 / 純粋創作保護同盟・製作
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COPYRIGHT BY "KEEP OUR PURE CREATION" NETWORK,TOKAGE MATUNAGA 1995
いろいろマーケット情報を考察しているうち、同人ソフトを営業として販売して
いる店の商品傾向が見えてきたのでレポートしてみる。
先にお断りしておくが、間違ってもこれは告発文書でも誹謗中傷でもなく、私が
現状の動向を見ているうち浮き彫りになってきた部分のレポートである。そんな事
は言わずと知れている、という方も多々おられると思うが、思っていてもレポート
されていないと思うので、あえて今回文書に起こしてみた。
それをご了解頂いた上で、この後を読んで欲しい。
* * *
まず、あれらの店で取り扱っているPCソフトは大分して4種類に分けられると
思う。
・ゲームなどの実行ソフト
・CG集・えっち
・CG集・健全
・CG集・キャラクター
この4種類である。が、このうち「実行ソフト」について、今回は対象としない。
このジャンルは、その中が更に細分化してしまうゆえ、一様に判断することは出来
ないからだ。
また市販ゲームソフトの終了フラグを売る(「CGを見る」等のコマンドが使え
るようにするため→ゲームソフトのCG集化傾向)、といった形態の商品や、特定
ゲームに裏(えっち)バージョンCGを付け加えたりするソフトなども見掛ける。
が、創作として作られたものではないことや、若干違法性が見られるなどの点にお
いて、今回は保留する。
ここではサンプルとして、秋葉原の大手である、「株式会社メッセサンオー」を
モデル・ケースとして取り上げてみる。なお、誰にでも解ってしまう社名に伏せ字
を使っても無意味なので、あえてフルネームで書かせてもらった。
まずあの店に入り、その絶対数からも「目立つ」のは「CG集・えっち」だ。と
りあえずキャラクターものを排除した、オリ・キャラで描かれたHCG集について
見てみる。
キャラものに比べて売れにくいオリ・キャラものは、それなりのスペックが要求
される。オリ・キャラは商品購買者にとっては「未知数」であり、キャラもののよ
うな保証がない。保証というのは、買えば少なくともどういった顔が登場するのか、
という予測に基づく保証である。また、キャラもののように販売数の最低線も予測
できず、経営者にとってはある意味でギャンブルとなる。
もっとも例外はあり、オリ・キャラでもネット上で有名になっている、いわゆる
シリーズものの「ネットアップCG集」。あるいわコミケやパソケといった同人即
売会で地位を確率していることが確認されているサークルなどは別格として扱われ
る。まぁ、そりゃそーだろな。
あるいわ特定趣味に走ったものもこの市場では強い。SM系、ロリータ系、バニ
ー等のコスチューム系、スカトロ系など…。こういった「特定テーマ」を特集して
扱っており、それなりに色がついている作品ならば、まず採用されると思って間違
いない(もっとも原画スペックが要求されるのは当然だぞ) なぜなら、そういっ
た方面に興味を示す一定数の人間が出入りしていることは確かであり、その人間の
数=最低販売数に直結するからである。出典総数が限られる特定ジャンルものは、
特定ジャンルである、というだけの理由で商品価値があがる。
*
次に健全もの。これはこれで「健全なCGが見たい」という客がある以上、そこ
そこのスペックであっても置いてしまう。ゆえにモノクロ取込みでもOKという訳
だ。そういう客は、概してパッケージに惑わされることもないので、地味なもので
あっても良い。むしろそういう客には、地味なジャケットの方が買いやすいかも知
れない。つまるところ、健全系は内容的スペックさえマトモなら良いという訳だ。
*
最後にキャラクターもの。ハッキリ言って無節操である。判断基準など、ほとん
どない。誰が見ても(一般基準からみて)明らかに下手、って思えるレベルでなけ
れば良いのだろう。むしろ、ジャケットのハデさとか、コピー文句の上手さなど、
CGとは関係ない部分で購買意欲をそそりそうなもの。そういった作り方をすれば、
本編はどうであれ扱ってもらえると思って良い。
言わずと知れているが、キャラクターものというのは「そのキャラが好きだから」
買う訳だ。ということは、そこに描かれているキャラに人気があればそれで良いワ
ケ。結果的にCG本体より、パッケージのアイキャッチ効果の方にウェイトが置か
れる。(陳列棚にCGの写真が貼ってないヤツは内容がコケてる騙し売りか?…私
が経営者だったらそうするもんな…) 取り扱ってるからと言って、それが良い作
品だから、という理由では決してない。客は利口にならないと、先方の商業戦略に
ハマってしまう。
*
要するに、本質的に「自分の見たいものを探したい」という客は、コミケやパソ
ケに足を運ぶか、あるいわ通版などで細々やってる人を探した方が絶対良いだろう。
あまりに市場主義なアノ選択基準は、自分の求めるものには出会えない商品構造を
内在しているのである。
当初は「同人ものを広く普及させる良いシステム」だと思っていた。が、そこは
やはり商人のやる事。当り前だが「売れるものしか置かない」という結論が出る。
現にコミケ・カタログ等で目にしている方も多いと思うが、あの店の宣伝広告。買
い取り価格=設定価格の70〜80%で、一定数の販売が見込めないと判断したも
のは扱わない、という。
これは当り前の事なのだろうか?
資本主義の上では当然の需給関係ではある。しかし、そう思う前に再原点に立ち
返ってみて欲しい。そんな発想を同人界に持ち込んでも良いのだろうか? そこで
扱っているものは同人作品なのである。営利のために作られた訳でない作品が、ど
うして「商品」になり得るだろうか? 同人界における「売れる」「売れない」と
いう基準は、その作品の優劣バロメータではあるだろう。だが間違っても、商売の
上で言うところの「売れる」「売れない」ではないのである。
そして「あの店が扱うんだから、きっと良い作品なんだろう」という錯覚も誤認。
店が扱うのは「良い作品」でも「優れた作品」でもなく、単に「売れる作品」であ
り、そういう基準しか持っていない。良い作品に出会えたなら、それは「本質も良
い作品だった」というだけだ。 ^^
「売れる作品を置くって、そら当り前だろ」と思ったなら、その時点で間違って
いると言える。同人はもともと「売る」ことが主目的ではない。商売として成立さ
せたいのであれば、同人ではなくメーカーとして商業市場でやって頂きたい。資本
主義の理念を、非営利の同人界に持ち込まれては大迷惑である。
思想重視・非営利のはずの同人活動が、経済のエサとして利用される。確かにあ
の店だって、同人ものだけで経営している訳ではないが、最近のフロア拡張など。
あれを見る限り、同人ソフトの総売上げ額に占める割合が計り知れる。そんな哀し
いことがあるだろうか。自分にも利は落ちるが、それを食い物にしてる人間がいる
なんて…?
* * *
さて、再三に渡る使ってきた「スペック」という言葉。これは「描かれているも
のの本質」では決してない。いくら良いキャラが描かれていようが、見た目が地味
なら不採用になる。それが経営者から見た、商品としてのCG集だ。つまるところ
「色的に綺麗」とか「ちょっと見カワイい」とか。なにしろ客が手にとり、レジで
金を払うまで「だませれば」よいスペックのものが好まれる傾向にある。
だってそうだろう。販売後の商品責任はすべて、その同人ソフトを製作したサー
クルが負担する。裏を返せば、店側には何の責任もない。無責任といえば、あまり
に無責任な商売である。通常商品が販売店と製造メーカーの両者に責任負担がかか
るのに対し、同人の場合、店側にはその一切の責任は(事実上)ない。
ということは、販売したソフトの内容についても、全く責任を負わなくてよい訳
だ。店が自信を持ってオススメする商品、というのであれば、変なものを売ればそ
の店の名前に傷がつく。しかし、前述のように「一切の責任は製造したサークルへ」
という前提構造を持つ以上、雰囲気的に「店は第三者」として考えられてしまう。
むしろ店としては「実はハズレだけど、とにかく売れればOK」という商品を置き、
「今度こそアタリ」と思って来店する客を歓迎してた方が商売になる。(ソニーの
ウォークマンと同じ経済構造だな)
だからと言って、別に「悪い商品を扱っている」なんて公取委のダンピングみた
いな指摘をする気は全くない。この論述は、あくまで事実に基づく考察をしたデー
タにすぎず、これについての是非はあえて言及しないことにする。
さいごに。
結論はこれを読んでくれた貴方自身が出してください。そして、本当に優れた作
品を送り出す作者の方々。ぜひ今一度、同人界のモラルを思い起こして下さい。腹
黒い輩と同レベルまで落ちないで下さい。彼らの誘惑に惑わされないで下さい。誰
だって金は欲しいでしょう。でも、自分が今やってる活動を始めたばかりの、あの
頃の気持ちを、思い出して下さい。お願いします。
1995年5月15日 松永とかげ・記
○主題論述その2
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同人誌とCG集に見る「コスト:利潤」の大きすぎるギャップ
1995年5月8日 / 純粋創作保護同盟・製作
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COPYRIGHT BY "KEEP OUR PURE CREATION" NETWORK ,I LOVE BUNNY 1995
そもそもCG集の価格設定は利率が良すぎる。
ここでは、書籍系同人創作物の代表たる「アニパロ同人誌」と、PCソフト系同
人創作物の代表たる「CG集」を具体例に、原価経済学的に比較検討してみよう。
双方とも100部製作すると前提する。 ~~
まず同人誌。あるサンプル情報を利用すると「B4版40ページ前後、表紙のみ
カラー印刷」というスペックで100部製作した場合、標準的なオフセで\35000〜
\40000程度。間をとって\38000と仮算した場合、原価は@¥380という数字。こ
れを¥500で販売すれば、一部あたり¥120という利が出る。この換算だと
76部売って、初めて赤字でなくなる。
一方CG集。やはり、あるサンプル情報を利用して換算する。3.5インチFD
1枚組の本体にインデックス・ラベルを貼り、それをジャケットにはさんで袋に入
れる。ここでかかる原価は次の通り。「3.5インチFD(TDK)@¥50」
「インデックス・ステッカー@¥2」「ジャケット@¥14」「ビニール製袋(リ
ップ付き)@¥6」「コピー・トナー費@¥5」。
→「リップ」とは袋を閉じるためのノリの事である。
なお、このサンプルを提供してくれたサークルで使っているジャケットの紙は、
通常より高価なものを使っている。仮にこれをノーマルなコンビニ・コピーなどに
換算するなら「@2.5円」。原価は10円以上安くなる。逆にカラープリンター
の印刷などでジャケット製作しているサークルもあるが、これだと@14円を上回
るのは確かだろう。平均的数字ということで「@¥14」という数字をそのまま使
ってみた。
しめて1商品の製作にかかる原価は77円。その他諸経費を合わせたとしても
¥80だ。100部作成する時にかかる原価は¥8000。これを仮に¥1000
で販売した場合の利は¥920という事になる。9部売れれば確実に原価を上回る
数字が出る訳だ。
同人誌の利益が販売価の2割程度だったのに対し、CG集は9割。仮に¥500
で販売したって4割以上。実に利が良い。
「手間がかかる」という点については、紙もPCも変わらないだろう。むしろ、
トーンや原稿用紙、コピー代など。物理的費用がかかる分だけ、紙の方が割高にな
る。スクリーン・トーンを1種類¥440で換算しても、1誌作り上げるのに必要
なトーン種は10〜20種類。材料だけでも軽く1万円近くになってしまう。
一方PCではどうか。パソコンそのものは耐久消費財なので、材料費は算出不能。
「ドット修正でマウス壊した」という話を聞いたことはあるが…。おまけに「CG
集を作る為にPC買った」という人も少ないだろうし、仮にそうであってもCG以
外の用途で使うことで還元されているので、もはや材料費は無いに等しい。
材料費だけ考えても、CG集の方が利率が良い。
*
しかし、これだけでは実際のビジネスではない。同人界につきものなのは「手持
ち」ってヤツだ。問題は「売れ残った時、それをどうサバくか?」って所にある。
同人誌の場合、もはや「それ」を印刷してある訳だから流用は出来ない。もし出
来るとすれば焚き付けに使うぐらいだが、そんな発想をするのは田舎のじいちゃん
ぐらい。自分の描いた本で風呂をわかすヤツなんかいない(爆) という事は言わ
ずと知れて、売れ残ったら完全に赤がでるか、プラマイ0という結果が待っている。
まぁこれが妥当な「同人活動」のスタイルだと思う。
ところがCG集などPCソフトは更に「旨い手」が使えるのだ。もし売れ残った
場合、「その作品」用に作ったインデックスなどは全て破棄し、FDだけ流用でき
るのだ。(しないまでも、自分で使う事ができる) 単品原価¥80のうち、6割
以上をしめるFD代が浮くというのは大きい。100部すべて売れ残ったとして、
破棄するジャケットなどの費用は¥3000弱。ということは、4枚売れれば事実
上の原価割りは発生し得ない。少なくとも、資産的なリスクは発生しない。
とりあえず、これらを一覧表にしてみよう。が、同じコトを2度書くのも馬鹿っ
ぽいんで、今度は双方の販売価格を¥500に統一してみる。
+---------------------+--------------------+--------------------+
| | 同 人 誌 | C G 集 |
+---------------------+--------------------+--------------------+
| | | |
| 製 作 総 部 数 | 100部 | 100部 |
| | | |
| 100部製作原価 | ¥38000 | ¥ 8000 |
| 1部あたり原価 | ¥ @380 | ¥ @80 |
| | | |
| 実質販売価格 | ¥ @500 | ¥ @500 |
| | | |
| 資産還元最低数 | 76部 | 16部 |
| 同・実質最低数 | −−− | 6部 |
| | | |
| 完売時の売上額 | ¥50000 | ¥50000 |
| 同 ・ 収入額 | ¥12000 | ¥42000 |
| | | |
| 利 潤 率 | 24% | 84% |
| 資産損失率換算 | −−− | 94% |
| | | |
+---------------------+--------------------+--------------------+
*首都圏量販店ではTDK製3.5インチFDが50枚で
¥2500を切るのが、今や常識価格です(いまだに秋
葉原で¥3480なんて大手電気店もあるけどね)
このギャップについて、だからどうしたと結論を急ぐ気は毛頭ない。実際に双方
の現場を見、そして製作してきた人間からの意見として言わせてもらったまでであ
り、他意はない。
1995/5/8 あいらぶ・ばにぃ
* * *
ただ「消費者」としてコミケに足を運ぶと、その価格設定は全く見えてこない。
ゆえに、何も判らない…つまり、製作経験のない人間には基準を持っていないので
ある。そういう方にも、裏側でどういう数字が動いているのか解ってもらいたくて、
私こと 松永とかげ と、20年来の友人である あいらぶ・ばにぃ 氏にも執筆
を手伝ってもらった。
純粋な創作人の立場を守るためにも、同人活動の場に金銭感覚や利潤追及を持ち
込ませてはいけないと思う。なぜ同人活動があるのか? なぜ同人活動をしている
のか? その原点に立ち返れば、これら傾向や数字はおかしいはず。
自分の創ったものを多くの人に見て欲しい。そういう想いが同人活動だとしたら
「原則無償」になるはずだ。しかし、それじゃ活動に限界があるから「材料費+次
の製作にかかる資金」程度を負担してもらう。それが同人で交換されるべき金銭で
はなかったのか?
営利に走れば、作る側・送り出す側すらが、どこぞの同人扱い店のような「売れ
る作品」だけを生み出すようになる。自分の作りたいものを放り出してでも、客の
顔色をうかがった作品を描こうとする。その最終段階にあるものは「ものが作りた
い」ではなく「金が欲しい」という結論のみ。そうなれば、もう思想どころじゃな
い。同人ってのは「表現したいことがあるから何かを作る」「伝えたいことがある
から、草の根規模でも頑張る」という場ではなかったのか?
そんなことを訴えたくて、こうして時間を割いてタイプしている。金が欲しいな
ら欲しいで結構だが、それならどこか別のフィールドでやって頂きたい。
これを読んで「何言ってやがる」と思ったなら、その人はもう純粋に創作は出来
ない人間だと思っても良いだろう。そして、これを読んで大きくうなずいてくれた
貴方は、これからも自分の表現したいものを、自由なフィールドで作り上げること
ができるだろう。
「若僧が綺麗ごと並べやがって」と思うなら、それでもよい。ちなみに言えば、
私ももう決して若くはない。若くないからこそ、現状の一部同人現状が汚く見えて
仕方ない。それに、ビジネスが介入できないはずの同人界に「綺麗ごと」もなにも
存在し得ないはずだ。綺麗ごとで成立できるからこそ、同人なのである。
作りたいものを、作りたいように作る。
そして、たとえ自分に金銭的利益がなくても、
多くの人にそれを伝えたい。
それこそが、同人界のモラルなのである。
1995年5月24日記 ・ 純粋創作保護同盟 松永とかげ
*** おねがい ***
これらデータは、できるだけ多くの方に読んで頂き、ご理解頂きたいと思ってい
ます。行きつけのネットに転載できるボードが存在する方。そして、これを読んで
賛同して下さった方。どうか転載をお願いします(__)
これら論述についての著作を放棄する気はありませんが、印刷・掲載などについ
ても自由とします。無連絡で使用して構いません。その際、スペーズなどの都合に
より部分的にカットしなければ掲載できなかったり、一部の固有名詞などに伏せ字
を使わなければ掲載できないような場合。その際は編集者のモラルに全権をお任せ
します。その場合も、筆者表示だけは必ずお願い致します。
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特集2.《潟<bセサンオーの同人ソフト販売システムについて》
◇注意!
とても見づらく、そしてわかりにくい文章だと思いますが(国語はいつも1だっ
た)、何とか理解してください。
◇最初に
今、同人界において少なからず話題になっている(らしい?)、メッセサンオー
の事について話したいと思う。
ちなみに私はかつてこのサンオーに勤務しており、なおかつ、同人コーナーのフ
ロア長にまでなってしまった男だ。(マジで)
~~~~~~~~~~~~~~
(なぜ、やめたのかはあえて語らない。 腹が立つだけだから)
だから、これから語ることは全て“真実”である。 これを読む皆さんにこのこ
とを知っていただくため、あえてこの文章を書きました。
◇同人コーナーの生い立ち
今まで、同人ソフトを買うには、パソケ or コミケに行くか、通信販売で買うか
しか、方法がなかったでしょう。 しかも欠点として、コミケやパソケに行くに
は大変だったり(一般参加者は何時間待つのだろう?)、通販だと時間が結構か
かる(だいたい1〜2ヶ月)ことが挙げられます。
そこで、コミケやパソケに行かず、通販で時間がかかることもなく、すぐに、そ
して楽に買えないだろうか?
「「「「「こうやって、同人コーナーは生まれました。
◇サンオーとの契約について
サンオーでソフトを売るにはまず、契約書を書かなければなりません。 これに
はいろいろなことが記載されていますが、一番納得のいかない点は、
「関東で、ここ以外にはソフトを流してはならない。(コミケ&パソケは可)」
これでしょう。
なぜ、このような事が書かれているのか? 独占禁止法を無視したこの項目、昔
BEROサンが書き込みをしてサンオー内でもめたことがあった。
(この一件で、その時にBEROサンがサンオーに流していた
「Digital Arts Collection」シリーズは全てが契約破棄となり店頭から消えた)
まぁ、実は同じ秋葉原の○○○に流しているのを私を始め、ほとんどの店員が知
っているのだがこの際触れないでおく。
けれど本来、同人ソフトとは自由に売買できるものではなかろうか? それをサ
ンオーはまさに「当店独自の商品」として扱っているのだ。
◇ソフトの採用の合否について
まず、サンオーの名が広まった理由としてこの時期、いろいろなパソコン雑誌(
今は亡きテクノポリスやパソコンパラダイスなど)が競って同人ソフトのコーナ
ーを作っており、そしてコーナーの最後に「これらのソフトは秋葉原のメッセサ
ンオーでも販売中」と書かれていた。 更に、即売会にも出向き、気に入ったサ
ークルに名刺を渡し、良かったらここで売ってみない? と声をかけるのである。
(私も手伝ったことがある)
しかも、堂々と「一切返品は致しません。」と言っているのである。 (あくま
でも販売優先の)サークルにとっては、このうえないフレーズである。
これからもわかるように、サンオーではほぼ毎日、これら販売優先サークルから
の問い合わせと、見本ソフトの嵐である。
(私は1年同人コーナーにいて、サークルには《純粋に同人を愛するサークル》
と、《売ればどうでもいいやサークル》があると思う。 このとき、前者のサー
クルに売りませんか? と声をかけたけれども見事にフラれたことがある。)
毎日来るそれらを採用するか否かは、全て同人コーナーをしきる、部長のS氏次
第であるといえよう。
(ちなみに彼の採用する傾向は<縛る><犯す><ロリコン>ものである。)
希にある健全モノは半数近く、店員がS氏に直談判して採用して貰うのである。
余談だが、68系のアクションゲームが最も店員の希望により採用された傾向が
高い。
なぜ、このような販売方法で客やサークルとのトラブルがないのかが不思議だと
思われるだろう。 だが、客の場合だと通常価格を知らなかったり、この値段が
一部のサークル内で言われている「秋葉原価格」として定着しているからなのだ。
そして次にサークルの場合。 こちらは上で書かれている販売優先サークルがほ
とんどなので、利益率というものが関係してくる。(平たく言うと儲けですね)
市販ゲームならば、価格設定における最大の要素は、当然開発費ではないだろう
か?(これは私の偏見ですか?)
だが、同人ソフトに対しては、この開発費というのがほとんどない。 なぜなら
趣味の一環として開発するものが多数だからだろう。 だから\500で売られてる
ソフトを見て「安い」と思っても、原価は3.5”で1枚当たり30〜40円で
あろう。
へたすると、開発時間が数時間のゲーム(と呼べるかは定かではないが)を一日
かけてコピーし、それをサンオーに売れば、数万円をも稼ぐことができるのだ。
(税は一切かかりません…当たり前か)
◇値段の設定について
これがもしかして皆さんが一番知りたがっている事ではなかろうか?
例として、「A」というサークルが作っている「B」というソフト(\1,000)を
考えてみよう。
サンオーでは、仕切価格はサークルが即売会で販売している価格(この場合だと
\1,000)の7割で買い取る仕組みになっている。 だから\700で入荷される。
そして、ここではその2倍の価格で販売するのである。 つまり\1,400というわ
けだ。
(後日談として、これもBEROサンが訴えていたことなので、少し値下げした。 し
かも、その理由が、
<この店も1周年を迎え営業も軌道に乗ったため、お客様に感謝する>
というものなのです。 あきれるでしょう。)
◇最後に
(サンオー側にたつと)これはあくまでも半年前('94/10)の事ですので、もしか
したら少しは改善されているのではないでしょうか?(そう願いたい)
皆さんにサンオーの実態というか真実を延べるため、公正に第三者として書いて
いたつもりでしたが、いつのまにかサンオー側へと寄ってしまったことに懺悔す
る。
皆さんがこれを読んで、私に対して何か聞きたいことや、言いたいことがあれば
どしどしアップしてください。(けれどもこの文章は友人に頼んでアップしてい
るものなので、いつ私の元にそのファイルが来るか分かりませんが気長に待って
いてください。)
1995/06/01 a.m. 6:05 (これを書いていたら完徹してしまった)
by ほしの ふゆと
俺・・・サンオー関係者にこれ見られたら殺されるかも。