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行政改革の戦略

過去、数十年にわたって行政改革の必要性が言われていながら、実現できなかったのは、政治が
「官僚組織」との戦争に負けたことに原因がある。
官僚組織を「城」にたとえると、外堀はどれか、内堀はどれか、城壁はどれか、本丸はどこか、
大将は誰かなどを認識しておく必要がある。
最終的には、本丸を攻略して、大将の首をとって、勝利と言えるのであるから。
本丸は大蔵省主計局であり、大将は大蔵省事務次官と内閣官房副長官である。

そこで、官僚組織との戦争であるとの観点から、官僚側の戦力と政治側の戦力を概観し、行政改
革のための戦略を提言する。

1 官僚側の戦力

 (1)予算編成権(大蔵省主計局にある)
    予算配分のさじ加減によって、政治に圧力をかけたり、政治家を誘導したりと、
    非常に大きな戦力である。
 (2)行政情報(各省庁が保有している)
    政治家よりも圧倒的に多くの情報を保有しており、官僚の利益にかなう論理構成
    の根拠となる情報だけを出して来て、行政改革に抵抗する武器となっている。
 (3)天下り役人のネットワーク(特殊法人や企業や議員にいる)
    業界団体を動員して、政治家へ圧力をかけてくる。
 (4)国税庁や警察庁
    政治家の行動をチェックして、法的な問題が少しでもあれば、そこを突く武器を
    持つ。
 (5)組織票(公務員の労働組合や、特定郵便局長会などの組織)
    政治家の弱みである選挙での票をちらつかせて、圧力をかけてくる。
 (6)行政改革の事務局(総務庁にある)
    行政改革についての各種の委員会の事務局を担当して、官僚にとって不都合な行
    政改革案が出ないように、あらゆる手段を講じる事ができる。

2 政治側の戦力

 (1)官僚に対する指揮・命令権と人事権(各大臣にある)
    行政改革についての具体的な命令を官僚に下せば、官僚は従わざる負えない。管
    直人大臣の手法を強化すべきである。
 (2)世論とマスコミの応援
    行政改革ができなければ、日本は衰退の一途であるとの認識は世論にもマスコミ
    にもある。政治が本気を見せれば、これらが大応援するはずである。
 (3)立法権(国会にある)
    行政改革に官僚が積極的にならざる負えないようにするための法律を議員立法で
    制定することが可能である。
 (4)国勢調査権(国会にある)
    官僚の不正を暴いて、世論とマスコミを行政改革推進の方向に向かわせることが
    できる。

3 行政改革のための戦略

 城を攻める場合には、城の防御力を弱める事をまず考えなくてはならない。
すなわち、城の内部を分裂させる事、外堀を埋めること、兵糧を断つことである。これに
よって、城の戦力を弱めたら、一気に総攻撃をかける。官僚城の戦力を弱める方策を述べ
、次に総攻撃の方策を述べる。

【官僚の防御力を弱める方策】


(1)官僚組織を分裂させる(城の内部を分裂させる)

 官僚組織は、一枚岩ではない。キャリア組と言われる特権階級とノンキャリアと言われ
る一般公務員に区分できる。キャリア組は2年ごとに転勤しながら、急速に昇進していく。
そして、天下りをして巨額な金を手にする。キャリア組は、2年ごとに転勤をするので、
実務能力はほとんどなく、キャリア組の利益のために政治的な動きをする。キャリア組こ
そが行政改革での最大の障害である。

したがって、次の方法でキャリア組とノンキャリア組を分断する。

手段: 「行政改革主任試験」の設置

 幹部公務員になろうとする全ての公務員が受験しなければならない「行政改革主任試験」
を国会が主催するものとして設ける。そして、この試験に合格した公務員のみが幹部公務員
になれるとの人事制度を議員立法で制定する。これにより、行政改革主任試験を合格したノ
ンキャリア出身の幹部公務員からなる行革派とキャリア組からなる腐敗派に官僚が分裂する。

(2)兵糧攻めの方法

 キャリア組が、官僚組織の中の行政改革への強力な反対勢力であるので、この人数を激減
させることが、有効である。

手段: 国家公務員1種試験の廃止と、司法試験合格者の定員大幅増加

 キャリア組への人材補給を断つ。そして、行政に対抗する司法のパワーを増大させるため
に司法試験合格者の定員を大幅に増加させる。司法が官僚主義にならないようにするために
、官僚の養成所の役割を果たしてきた「東京大学法学部」を廃止する。
   

(3)外堀を埋める方法

 行政情報を独占している事が、官僚支配力の源泉である。したがって、これを打破する。
公開された行政情報を分析して、官僚の不正を暴くことによって、官僚の防御力をさらに弱
めることができる。

 手段: 

情報公開法の制定

超党派で「情報公開法」を議員立法で制定する。この法案は民間の学者や研究機関の協力の
もとに練り上げる。官僚や官僚OBを法案作成に関与させてはならない。そして、情報公開
法の中では、要求があれば直ちに公開しなければならない情報のみを具体的に定める。その
他の情報は、遅滞なく公開すると定める。決して、公開しない情報を定めてはならない。公
開しない情報を定めると、「情報非公開法」に変質してしまう。

【官僚に対する総攻撃】

官僚の防御力を弱めた上で、次の方策で総攻撃をかける。

一 官僚内部に行革圧力を発生させる。

 【手段】(官僚に支払われる給与の総額+特殊法人や公益法人などの職員に支払われる
      給与の総額)を法律により一定値以下にする。そして、その一定値を、少し
      づつ減少させていく。これにより、官僚は自己の収入を向上させるためにも
      行政改革に熱心になって、官僚の人数を減らさざるおえなくなる。

二 各省庁の利害調整をする官僚ポストを無くす。

  【手段】官房副長官ポストを廃止する。これにより、官僚が一致団結して行革に反対
      することが困難になるようにする。

三 各省庁ごとに官僚を統合し国民の代理人である大臣の人事権を奪っている事務次官ポストを、廃止する。

    【手段】現在の事務次官の官職名を「大臣秘書官」に変更する。大臣秘書官の職務は
     「行政情報の公開業務」のみとする。さらに、国会議員の中から総理大臣が任
      命する副大臣を数名おく。副大臣は、内閣の方針に基づいて、担当省庁の局
     長級以上の職員の人事評価をするとともに、大臣の職務を補佐する。

四 行政改革や情報公開に忠実な官僚のみが出世する制度を作る。

  【手段】官僚の昇進の条件の中で、行政改革や情報公開への貢献度を最大の考課要素
      とする。

五 行政の自動化を推進する。

 行政の全ての領域を自動化することは不可能ではあるが、自動化できる領域は多い。
許認可業務は、次の方策で全て自動化できると考える。許認可業務の自動化によって、大
幅な行政改革が実現できる。

(1)事実認定業務の民営化
 許認可は、「所定の条件を満足していれば、所定の行為を許可する」というものである
。許認可の条件について、必要な「事実」の状態を認定する業務を民営化するのである。
簡単に言えば、「行政書士」と「公証人」を合体した仕事をする業者である。これによっ
て、「事実認定」の業務に競争原理が働くようになる。この「事実認定」業務を行う業者
が不正をして、虚偽の事実を認定した場合には、法で厳正に処罰すれば良い。事実認定を
行う業者は、認定した事実を暗号化したデータをFDに記録する。
(2)行政の自動化
 事実認定業者が作成したFDを、必要数だけ用意した許認可申請者は、許認可コンピュ
ータに、読み取らせる。許認可コンピュータは、許可条件と、FDに記載の事実を比較し
て、許可するかどうかを一瞬に判断する。そして、判断結果を即座に出力する。そうする
と、官僚への接待も不要であるし、お役所仕事で長期間を待つことも、なくなる

六 官僚取締法を制定する

 官僚取締法を制定し、官僚が再び自己増殖し、国に害をなす事態を防止する。
  【手段】次に記載の官僚取締法案を議員立法で制定させる。

七 郵政3事業の民営化

 自民党の小泉議員が主張する「郵政3事業の民営化」を実行し、補助金行政にメスを入れる。

八 省庁の統廃合を実行する。

 まず、大蔵省主計局を廃止する。政党助成金に研究費を付加し、各政党はその研究費で数百人
規模の研究所を各々、構築する。政権与党は、その研究所の意見を参考にしながら、閣議で国家
予算の分野別の配分額を決定する。各省庁は、分野別の配分額の中で、詳細な配分を決定する。
また、国の行政機構のあり方も、政権与党で検討し、官僚の意見に影響される事無く、政党ごと
の研究所を用いて行政機構の改革案を作成し、閣議で決定し、実行していく。

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